令和6年1月13日(土)午前中、筑波大学附属駒場高校で、高2数学の課題研究ポスター
セッションが行われ、参加してきた。
(発表会場の、7号館3階を望む)
率直な感想で、レベルの高さに圧倒された。流石に日本を代表する高校生たちだ。数学
はもちろん、ゲームやルービックキューブの話まで考察の範囲は広く、指導される先生方の
苦労がひしひしと伝わってくる。
一番驚かされたのは、初見で発表を聞いていた中学3年の生徒が、発表とは異なる解答
をしばらく考えて示していたこと。実に明解な別解だった。
問題 1/sin10°=tan70°+1 を示せ。
発表者の生徒によれば、この問題は、高1の試験で出題されたもので、当時誰も解けな
かったことから、興味を持って取り組んだという。
中3の生徒は、次のように鮮やかに解かれた。筑駒生、恐るべしである。
頂角20°の2等辺三角形ABCを考え、BC=2とする。内部に正三角形BCDをとる。
辺AC上に、∠DBE=20°となる点Eをとり、直線DEと直線BCの交点をFとおく。
このとき、∠BEC=60°なので、4点B、C、E、Dは同一円周上にあるので、
∠CDE=40°となり、 ∠CFE=20° が分かる。
よって、両端の角とその間の辺相等で、 △ABE≡△FBE から、 AB=BF
ところで、△ABHにおいて、 AB・sin10°=1 から、AB=1/sin10°
また、DH= で、∠HDF=70°から、 BF=tan70°+1
よって、 1/sin10°=tan70°+1 が成り立つ。
(コメント) 生徒同士が純粋に数学について、活発に議論している姿に感動しました!
DD++ さんから別解をいただきました。(令和6年1月16日付け)
上記の等式、私も以前考えたことがあって、もっとシンプルな証明を見つけていますので
投稿します。
頂角 A = 20°の二等辺三角形 ABC を考え、BC = 2 とします。辺 AB 上に ∠BCD = 20°
となるように点 D をとり、辺 AC 上に CE = 1 となるように点 E をとります。
このとき、△CBD も頂角 20° の二等辺三角形なので、 CD = 2 です。 すると、△CDE は、長さ 1 と 2 の辺の間が 60° という三角形な ので、これは直角三角形であり、 AC⊥DE 、DE = 、∠CDE = 30° が得られます。したがって、∠ADE = 70°より、 AC = AE + CE = √3 tan70° + 1 となります。 |
一方、二等辺三角形 ABC そのものに注目すれば、AC = 1/sin10° であることは明らか
です。よって、示されました。
(コメント) 鮮やかですね!D、Eの設定が神がかっています。良いものを見させていただき
ました。
DD++ さんから別解をいただきました。(令和6年1月16日付け)
ちなみに、頂角を 20° ではなく 2θ にとると、
2sin(3θ)+2cos(3θ)tan(90°-2θ)=1/sinθ
という一般化された式になります。
何かを考えたくてこの図を作った記憶があるんですが、一体何のためだったのか思い出せ
ない悲しみ。
以下、工事中!