・円順列の確率                             kg 氏

 区別のつかない赤玉、白玉をn個ずつ無造作に円形に並べるとき、同色が3つ以上連続
しない確率はいくらでしょうか。


(コメント) 区別のつかない赤玉、白玉を3個ずつ無造作に円形に並べるとき、同色が3つ
     以上連続しない確率を求めてみました。

 赤玉を1個固定して考える。このとき、起こり得るすべての場合の数は、52=10(通り)

このうち、同色が3つ以上連続しない場合の数は、 7通り

 よって、求める確率は、 7/10 である。


 らすかるさんからのコメントです。(令和5年11月1日付け)

 導出方法はわからないのですが、プログラムを作って数値的に確認したところ、

 {2・(n!)^2・Σ[k=0〜[n/2]]{{(n-k)C(k)}^2・n/(n-k)}} / (2n)!

と表せるようです。

 具体値は、n=1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, … に対して、

 1, 1, 7/10, 3/7, 2/7, 29/154, 211/1716, 173/2145, 257/4862, 123/3553, …

のようになります。


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年11月3日付け)

 導出なしに、その式の形を得られるとは思えないので、らすかるさんは何か意図があって
秘匿したのかもしれませんが……。

 2n 個の玉を置く場所に 1 番から 2n 番まで順に採番します。

 3 連続がないかどうかと 1 番がどちらの色であるかは明らかに独立なので、1 番に赤が
来た場合の条件付き確率を考えれば十分です。

 まず、1 番が赤であるような全ての並べ方は、残り n-1 個の赤玉を 2n-1 ヶ所のどこに置
くかを考えればよく、

 [2n-1]C[n-1] = (2n-1)! / {(n-1)!*n!} = (2n)! / {2*(n!)^2} 通り。

 そのうち条件を満たすものがいくつあるかを 2n 番目の色で分けて考えます。

[1] 2n 番が白である場合

 円形に並べていることが無関係になります。

 赤 2 連続の箇所が k ヶ所ある場合、白 2 連続も同じ k ヶ所になるので、

 「n-2k 個の 1 と k 個の 2 を並べた順列」

を 2 セット作ると考えればよく、条件を満たす並べ方は、

 Σ[k=0→[n/2]] {[n-k]C[k]}^2 通り

[2] 2n 番が赤である場合

 2 番および 2n-1 番は白でなくてはならず、同様に考えると、

 赤は、

 「n-2k 個の 1 と k-1 個の 2 を 2 つの 1 の間に並べた順列」

 白は、

 「n-2k 個の 1 と k 個の 2 を並べた順列」

を作ると考えればよく、条件を満たす並べ方は、

 Σ[k=1→[n/2]] [n-k]C[k]*[n-k-1]C[k-1] 通り

 これは、[n-k-1]C[k-1] = [n-k]C[k]*(k/(n-k)) と変形すれば Σ の範囲を k=0 からに変更
できます。

 よって、条件を満たす並べ方は合わせて、

Σ[k=0→[n/2]] {[n-k]C[k]}^2*{1+k/(n-k)} = Σ[k=0→[n/2]] {[n-k]C[k]}^2*{n/(n-k)} 通り

なので、後は確率の定義通りに割り算すれば、らすかるさんの提示した式までは得られます。

 問題はこれが綺麗にまとまるのかどうかですが...。


 らすかるさんからのコメントです。(令和5年11月3日付け)

 実際、式は導出しておらず、OEISで検索して出したものです。プログラムで数えれば、
n≦15程度はあっという間に求まります。

 結果の分数だと式がわからないと思いましたので、約分前の

 2/2,6/6,14/20,30/70,72/252,174/924,422/3432,1038/12870,…

を使うと、分母は、 2,6,20,70,252,924,3432,…

 これをOEISで検索すると、「A000984」=(2n)!/(n!)^2 がヒットします。

 分子は、2,6,14,30,72,174,422,…

 これはOEISで検索しても見つからないのですが、全部偶数なので、半分にした

 1,3,7,15,36,87,211,…

を検索したら、「A167539」=Σ[k=0〜[n/2]]C(n-k,k)^2*n/(n-k) がヒットしました。

 よって、私が書いた式が得られます。もちろん頭の方の項だけなので確実ではありません
が、少なくとも n=19(27074090/35345263800=2707409/3534526380)までは、プログラムで
数えた結果と一致することを確認しました。結果的に合っていたので安心しました。

# 今まで、15項以上一致して異なる数列だった経験はありません。ものによりますが、10項
 以下の一致では異なる可能性もあります。「A167539」に、これ以上簡単な式が書かれて
いませんので、おそらく綺麗にまとめることは出来ないのだろうと思います。


 kg さんからのコメントです。(令和5年11月3日付け)

 DD ++ さん、返信ありがとうございます!今返信を読んでいる途中なのですが、

 「2n 番が白である場合、円形に並べていることが無関係になります」

というのが、いまいち理解できません。

 例えば、n=3 の時、赤玉を1,3,4の位置に配置する時場合と赤玉を1,5,4の位置に配置す
る場合は円形だということを考慮するとダブりになりませんか??


(コメント) kg さんの例示された場合は、裏返しで一致するものの普通の円順列では異な
     るものですね。


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年11月4日付け)

 らすかるさん、なるほど、有理数列でも分母分子を分けて探せば OEIS で見つかることが
あるんですね。尤も、「約分する前の姿が想像できれば」という条件をクリアできる場合に限
りそうですけども。

 母関数まで書かれているのに式の整理結果がないってことは、綺麗な式になる可能性は
確かに望み薄ですね。うーん残念。

 kg さん、私の計算は、玉を置く場所に採番をすることで、回転して一致するものも別の並
びとして数えています。少し乱暴な言い方をすれば、普通に一列に並べる順列として考えて
いると言ってもいいです。ただし、その際、「赤赤白白赤白白赤」のように一列に書くと一見
3 つ並んでいるように見えなくなる特殊パターンが存在することに注意が必要になります。

 しかし、1 番が赤で 2n 番が白だった場合、この特殊パターンには絶対になりようがありま
せん。だから普通に同じ色が 3 連続しないように「一直線に」並べることを考えれば十分と
いうことになります。それが、「円形に並べていることが無関係」の意味するところです。

 kg さんの理解の助けになるように、以下に n=4 での具体例を書いておきます。

 1 番から 8 番までに赤白 4 個ずつ置く方法のうち、1 番に赤が来るのは 7C3 = 35 通り
あります。それらは 1 番が赤という条件のもとで、同様に確からしいと考えられます。

 そのうち条件を満たすものの個数を、グループ分けして数えます。

[1] 8 番が白である場合

 普通に一列に並べ、同色 3 連続がないようにします。「赤 2 連続の箇所が k ヶ所」で分け
ていきます。

k=0 : (4C0)^2 = 1 通り

 赤白赤白赤白赤白

k=1 : (3C1)^2 = 9 通り

 赤赤白白赤白赤白 、赤赤白赤白白赤白 、赤赤白赤白赤白白

 赤白白赤赤白赤白 、赤白赤赤白白赤白 、赤白赤赤白赤白白

 赤白白赤白赤赤白 、赤白赤白白赤赤白 、赤白赤白赤赤白白

k=2 : (2C2)^2 = 1 通り

 赤赤白白赤赤白白


[2] 8 番が赤である場合

 1 番と 8 番で実は既に赤の連続が発生していることに注意しながら同様に数えます。

k=0 : ありません。0 通り = (4C0)^2*(0/4)

k=1 : 3C1*2C0 = 3 通り = (3C1)^2*(1/3)

 赤白白赤白赤白赤 、赤白赤白白赤白赤 、赤白赤白赤白白赤

k=2 : 2C2*1C1 = 1 通り = (2C2)^2*(2/2)

 赤白白赤赤白白赤

 よって、条件を満たす全ての並べ方は、

 (4C0)^2*(4/4) + (3C1)^2*(4/3) + (2C2)^2*(4/2) = 15 通りで、

 そうなる確率は、 15/35 = 3/7 となります。


 kg さんからのコメントです。(令和5年11月4日付け)

 DD++ さん、例まで示してくださりありがとうございます。大変分かりやすく勉強になりました!
采番した時の確率は大変よく分かったのですが、やはり回転して同じになるものを1つと見た
時の確率を求めるのは厳しいですかね…。

 回転して一致するものを1つとした時を自分でも考えてみたんですが、場合分けが複雑で…
あとらすかるさんの機械が出した式が、采番した時の確率だったのはなぜなんでしょうか。


 らすかるさんからのコメントです。(令和5年11月5日付け)

 回転して同じになるものを1つと見た時の確率を求めるのは厳しいですかね…。

 回転して同じになるものを一つとみると、パターンごとの確率が同じになりませんので、その
考え方では確率は求まりません。

 もちろんパターンごとの発生確率まで考慮して計算すれば求まらなくはないですが、パター
ンごとの発生確率を考えるためには、回転して一致するパターンが何通りあるかを調べて、
それを掛けることになるため、結局場合分けが必要になって余計な手間がかかるだけです。

 らすかるさんの機械が出した式が、采番した時の確率だったのはなぜなんでしょうか。

 回転して一致するものも別パターンと考えて全パターンを発生し、条件を満たすものを数
えるというプログラムで値を出したからです。


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年11月5日付け)

 回転して同じになるものを1つと見た時の確率を求めるのは厳しいですかね…。

 厳しい厳しくない以前に、意味を成しません。

 例えば、以下のような問題を考えます。

「赤玉 9 個と白玉 1 個が入っている箱から無作為に 1 つの玉を取り出す。白玉が取り出さ
れる確率は?」

答えはもちろん 1/10 です。

 そこに、ある人がこんなことを言ったとします。

「赤玉は同じ見た目だからまとめて 1 つと考えた場合の確率を求めるのは厳しいですか?」

 どう思います?


(コメント) DD++ さんの例示は、「硬貨2枚を投げるとき、表が1枚出る確率は?」と趣旨は
     同じかな?表の枚数に着目して、2枚、1枚、0枚から、確率は、1/3(これは、誤り)
     誤りの理由は、「2枚、1枚、0枚」の各場合が同様に確からしくないから。



  以下、工事中!



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