a、b を正の整数とし、数列 {a_n}、{b_n} を
a_1 = a 、a_(n+ 1) = a^(b_n)
b_1 = b 、b_(n+1) = b^(a_n)
と定める。このとき、ある正の整数 m について、a_m = b_m となるような (a,b) の組を求めよ。
(コメント) (a,b) = (1,1)、(2,2)、・・・ では、常に、a_m = b_m となりますね!
(a,b) = (2,4)や(4,2)では、a_2 = b_2 となりますが・・・。それ以外であるんです
かね?
aaa さんからのコメントです。(令和5年8月28日付け)
私も、それ以外に見つけられていません…。
a_m = b_m となるためには、a と b が同じ種類の素因数を持つことが必要だと思うのです
がどうでしょうか、a<b のとき、b = a^k となるという事です!
らすかるさんからのコメントです。(令和5年8月28日付け)
a_m = b_m となるためには、a と b が同じ種類の素因数を持つことが必要
これは正しいと思いますが、
a<b のとき、b = a^k となるという事
これは、言えない気がします。
例えば、a = p^2 、b = p^3 なども可能性があるのでは?
aaa さんからのコメントです。(令和5年8月29日付け)
自分なりに考えた事を書きますが、間違いがあればご指摘下さい!
a、b の素因数の一つを p_i として、それぞれ p_i で c_i 回、d_i 回割れるとすると、
a<b のとき、c_i<d_i で、a_m = b_m より、d_i/c_i = b_(m-1)/a_(m-1)
この比の値を k とすれば、a と b は同じ種類の素因数しか持たないので、b_(m-1)/a_(m-1)
は整数。よって、k も整数となり、b = a^k となる。
...と、自分で書いたのを見直してみて、a と b は同じ種類の素因数しか持たないので、
b_(m-1)/a_(m-1) は整数 ・・・ これ、間違いな気がしてきました…。50/20とか違いますよね。
すみません、間違いでした…。
DD++ さんからのコメントです。(令和5年8月29日付け)
やっと解けました。こんな感じでいかがでしょう。
まず、a = b の場合、明らかに任意の正の整数 m について a[m] = b[m] が成立し、条件を
満たします。
以下 a ≠ b の場合を考えますが、対称性より a < b の場合のみ考察すれば十分です。
a = 1 の場合、明らかに a[m] = 1 < b = b[m] であり、条件を満たしません。よって、以下は
2 ≦ a < b の場合のみ考えます。
「a ≧ 3 または ( a = 2 かつ b ≧ 5 ) 」 である場合について、
任意の自然数 n について、a[2n-1] < b[2n-1] かつ a[2n] > b[2n] である
ことを、数学的帰納法で示します。
(i) n = 1 のとき、a[1] = a < b = b[1] は明らかです。
また、f(x) = (1/x)logx は、x≧e で狭義単調減少するので、f(3) > f(4) > f(5) > … が言
えるため、a≧3 では必ず f(a) > f(b) です。
また、f(2) = f(4) なので、a=2 の場合でも b≧5 であれば、f(a) > f(b) であることがわかり
ます。
f(a) > f(b) すなわち、(1/a)log a > (1/b)log b は、a^b > b^a と同値なので、a[2] > b[2]
が
示されました。
(ii) n = k の場合の a[2k] > b[2k] が成立すると仮定して、n = k+1 の場合を考えます。
a[2k+1] = a^b[2k] < b^b[2k] < b^a[2k] = b[2k+1]
また、g(x) = log x に、閉区間 [loga, logb] で平均値の定理を用いると、
(log log b - log log a)/(log b - log a) = 1/c
となる実数 c がこの区間内に存在します。しかし、
c ≧ log a ≧ log 2 > (1/2)log 4 > 1/2 なので、1/c < 2 です。
一方、b[2k] ≧ b ≧ 4 なので、(log log b - log log a)/(log b - log a) < b[2k] が成立します。
これを変形すると、 (log log b - log log a) < b[2k](log b - log a)
すなわち、 b[2k]・log a + log log b < b[2k]・log b + log log a
ここで、log b > 0 かつ a[2k] > b[2k] なので、
b[2k]・log b + log log a < a[2k]・log b + log log a
が成り立つこととあわせると、b[2k]・log a + log log b < a[2k]・log b + log log a
a[2k+1]・log b < b[2k+1]・log a より、 b[2k+2] < a[2k+2]
よって、n = k のとき成立すれば、n = k+1 の場合にも成立することが示されました。
以上 (i)、(ii) より、「a ≧ 3 または ( a = 2 かつ b ≧ 5 ) 」 である場合について、
任意の自然数 n について a[2n-1] < b[2n-1] かつ a[2n] > b[2n] であることが示されました。
したがって、これらの場合、a[m] = b[m] となる正の整数 m は存在しません。
さて、残りは、a = 2 で、b = 3、4 の場合ですが、これらも
a=2、b=3 の場合、
a[n] = 2, 8, 512, 2^6561, ……
b[n] = 3, 9, 6561, 3^512, ……
a=2、b=4 の場合、
a[n] = 2, 16, 65536, 2^4294967296, ……
b[n] = 4, 16, 4294967296, 4^65536, ……
であることから、a[3] < b[3] と a[4] > b[4] が成り立ち、2 以上の任意の自然数 n につい
て、a[2n-1] < b[2n-1] かつ a[2n] > b[2n] であることが全く同じ方法で示されます。
したがって、a = 2 で b = 3 の場合は、a[m] = b[m] となる正の整数 m は存在せず、
a = 2 で b = 4 の場合は、a[m] = b[m] となる正の整数 m は m = 2 に限られることがわかり
ます。
以上を、対称性も考慮してまとめると、a[m] = b[m] となるのは、
・a = b であり、m が任意の正の整数であるとき
・a = 2、b = 4、m = 2 のとき
・a = 4、b = 2、m = 2 のとき
に限られます。
(コメント) 巨大数の計算を鮮やかに解決されましたね!DD++ さんに感謝いたします。
以下、工事中!