・二項定理の不思議           うんざりはちべえ氏

 二項定理は、

(a+b)^n=nC0 a^n b^0+nC1 a^(n-1) b^1+nC2 a^(n-2) b^2+・・・+nCn a^(n-n) b^n --- (1)

で、 (a+b)^n=Σi=0n{nCi a^(n-i) b^i} ---- (2)

とも書けます。では、

(1+1)^n=nC0 1^n 1^0+nC1 1^(n-1) 1^1+nC2 1^(n-2) 1^2+・・・+nCn 1^(n-n) 1^n

2^n=nC0+nC1+nC2+nC3+・・・+nC(n-1)+nCn ---- (3)

という有名な公式にもたどり着けます。また、

(a+b)^n=nC0 a^n b^0+nC1 a^(n-1) b^1+nC2 a^(n-2) b^2+・・・+nCn a^(n-n) b^n

(a+b)^n=a^n +nC1 a^(n-1) b^1+nC2 a^(n-2) b^2+・・・+b^n ---- (4)

(a+b)^n=a{a^(n-1)n +nC1 a^(n-2) b^1+nC2 a^(n-3) b^2+・・・+nCn-1) b^(n-1)}+b^n

(a+b)^n=aA+b^n ----(5)

ただし、A=a^(n-1)n +nC1 a^(n-2) b^1+nC2 a^(n-3) b^2+・・・+nCn-1) b^(n-1)

(a+b)^n は、(5)式とも書けます。

1)二進小数の10進小数化の問題

 そこで、二進小数の10進小数化を考えてみましょう。

 1/2=0.5、1/2^2=1/4=0.25、1/8=0.125、1/16=0.0625・・・1/256=0.00390625

と末尾が、必ず5になるのです。証明してみましょう。

 1/(2^n)=1/(2^n) 10^n/10^n=1/(2^n) (2^n・5^n)/10^n=5^n/10^n=5(4+1)^(n-1)/10^n

 ここで、二項定理の(5)式より、(4+1)^(n-1)=4A+1

5(4+1)^(n-1)/10^n=5(4A+1)/10^n=(20A+5)/10^n=20A/10^n+5/10^n=2A/10^(n-1)+5/10^n

ここで、2Aは自然数なので、5/10^nより、上位の小数です。

したがって、末尾は5になります。[証明終わり]

 一般に、2進小数は、Σi=0n{ai(1/2^i)}  (ただし、aiは0か1) なので、すべての2進小数の
10進小数化は、末尾は5になります。

 これより、二進小数では10進小数の1/5=0.2は表せないことになりますね。0.24も0.23も0.22
も0.21も表せません。


2)α^n=nB+αの導出

(4)式より、
  (1+1)^n=1^n +nC1 1^(n-1) +nC2 1^(n-2)+nC3 1^(n-3)+・・・・+nC(n-1) 1+1
  (2+1)^n=2^n +nC1 2^(n-1) +nC2 2^(n-2)+nC3 2^(n-3)+・・・・+nC(n-1) 2+1
  (3+1)^n=3^n +nC1 3^(n-1) +nC2 3^(n-2)+nC3 3^(n-3)+・・・・+nC(n-1) 3+1
  (4+1)^n=4^n +nC1 4^(n-1) +nC2 4^(n-2)+nC3 4^(n-3)+・・・・+nC(n-1) 4+1
  (5+1)^n=5^n +nC1 5^(n-1) +nC2 5^(n-2)+nC3 5^(n-3)+・・・・+nC(n-1) 5+1
                    ・
  (r+1)^n=r^n +nC1 r^(n-1) +nC2 r^(n-2)+nC3 r^(n-3)+・・・・+nC(n-1) r+1
                    ・
+) (a+1)^n=a^n +nC1 a^(n-1) +nC2 a^(n-2)+nC3 a^(n-3)+・・・・+nC(n-1) a+1
は、
  (1+1)^n-1^n= nC1 1^(n-1) +nC2 1^(n-2)+nC3 1^(n-3)+・・・・+nC(n-1) 1+1
  (2+1)^n-2^n= nC1 2^(n-1) +nC2 2^(n-2)+nC3 2^(n-3)+・・・・+nC(n-1) 2+1
  (3+1)^n-3^n= nC1 3^(n-1) +nC2 3^(n-2)+nC3 3^(n-3)+・・・・+nC(n-1) 3+1
  (4+1)^n-4^n= nC1 4^(n-1) +nC2 4^(n-2)+nC3 4^(n-3)+・・・・+nC(n-1) 4+1
  (5+1)^n-5^n= nC1 5^(n-1) +nC2 5^(n-2)+nC3 5^(n-3)+・・・・+nC(n-1) 5+1
                    ・
  (r+1)^n-r^n= nC1 r^(n-1) +nC2 r^(n-2)+nC3 r^(n-3)+・・・・+nC(n-1) r+1
                    ・
+) (a+1)^n-a^n= nC1 a^(n-1) +nC2 a^(n-2)+nC3 a^(n-3)+・・・・+nC(n-1) a+1
---------------------------------------------------------------------------------
  (a+1)^n-1^n=nC1{・・@・・}+nC2{・・A・・}+nC3{・・B・・}+・・・・+nC(n-1){・・(n-1)・・}+a
  (a+1)^n=nC1{・・@・・}+nC2{・・A・・}+nC3{・・B・・}+・・・・+nC(n-1){・・(n-1)・・}+a+1

ところで、nが奇素数ならば、nCsはnの倍数であるから、

(a+1)^n=nB+a+1---(6)

ただし、nB=nC1{・・@・・}+nC2{・・A・・}+nC3{・・B・・}+・・・・+nC(n-1){・・(n-1)・・}

さて、(6)式で、α=a+1とおくと、

α^n=nB+α----(7)

α^n-α=nB

α{α^(n-1)-1}=nB より、nBは、n,αの倍数でもある。

したがって、

α{α^(n-1)-1}=nC1{・・@・・}+nC2{・・A・・}+nC3{・・B・・}+・・・・+nC(n-1){・・(n-1)・・}

なお、
@=1^(n-1)+2^(n-1)+3^(n-1)+・・・・・+(a-1)^(n-1)+a^(n-1)
A=1^(n-2)+2^(n-2)+3^(n-2)+・・・・・+(a-1)^(n-2)+a^(n-2)
B=1^(n-3)+2^(n-3)+3^(n-3)+・・・・・+(a-1)^(n-3)+a^(n-3)
C=1^(n-4)+2^(n-4)+3^(n-4)+・・・・・+(a-1)^(n-4)+a^(n-4)
             ・
n-2番目=1^2+2^2+3^2+・・・・・+(a-1)^2+a^2
n-1番目=1+2+3+・・・・・+(a-1)+a


3)フェルマーの最終定理

 a,b,cが互いに素な自然数であり、nが奇素数であるならば、a^n+b^n=c^n とすると、
(7)式より、

nX+a+nY+b=nZ+c
n(X+Y-Z)=c-a-b
X+Y-Z=c/n-a/n-b/n

ここで、a,b,cが互いに素な自然数であるから、a,b,cは同時にnの倍数でない。

したがって、左辺は自然数なのに、右辺は自然数でない。

しかし、c=kn+j、a=ln+j、b=mnとすると、c/n=k+j/n,a/n=l+j/n,b/n=mで右辺は自然数になるか
もしれない。

 そこで、a,b,cが互いに素な自然数であり、nは奇素数から、

c (mod n)≠b (mod n)
c (mod n)≠a (mod n)
a (mod n)≠b (mod n)

よりありえない。

 ゆえに、フェルマーの最終定理が証明された。


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年4月8日付け)

 以前とは打って変わってちゃんと論理を書いてくださるようになり、ちゃんと数学的議論を
するに値する記述になっていますね。

  nは奇素数から、

c (mod n)≠b (mod n)
c (mod n)≠a (mod n)
a (mod n)≠b (mod n)

よりありえない。

 これは「右辺が自然数になることが」ありえないの意味だと解釈しましたが、ここに 2 つツッ
コミどころがありますね。

 まず 1 つ、4≡11 (mod7) のように、互いに素でも奇素数を法として合同になる場合はあり
得ます。

 もう 1 つ、そもそも別に a, b, c が合同でなくても 10/7 - 2/7 - 1/7 = 1 のように 3 つの分
数の和や差が整数になることはあり得ます。


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月8日付け)

3)フェルマーの最終定理 は、2)α^n=nB+αの導出 の応用例として、作ったものですが、
詰めが甘かったようですね。

 互いに素な自然数a,b,c というのをやめて、

c (mod n)≠b (mod n)
c (mod n)≠a (mod n)
a (mod n)≠b (mod n)

とするとしたら、良かったかな?でも、

a=jn+g として、a (mod n)≡g
b=kn+h として、b(mod n)≡h
c=ln+i として、c(mod n)≡i

としても、c/n-a/n-b/n で、i-g-h=0 はありえますね。


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年4月8日付け)

 フェルマーの最終定理は「どんな a, b, c でも」その等式が成立しないというものです。自分
で勝手に条件を足した a, b, c で議論を始めてしまったら、それはもう最終定理とは別の話
になってしまいます。


 KY さんからのコメントです。(令和5年4月8日付け)

 ところで、nが奇素数ならば、nCsはnの倍数であるから、

α^n=nB+α----(7)

 α^n−α=nB この右辺がnで割り切れるので、左辺もnで割り切れる。

∴α^n−α≡0 (mod n) ここで、αとnを互いに素とすると、両辺をαで割れる。

∴α^(n-1)−1≡0(mod n)

∴α^(n-1)≡1(mod n) ただし、nは素数でαとnは互いに素

(→ 参考:「フェルマーの小定理の証明と例題」)


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月8日付け)

 なるほど、フェルマーの小定理ですね。気づきませんでした。

 フェルマーの小定理といえば、ソフィー・ジェルマンのフェルマーの最終定理への業績です
よね。違ったかな?

 私と壊れた扉さんも同じような手法でフェルマーの最終定理を証明しています。

 フェルマーの最終定理の制限( a+b-c が素数である)付きの一般の n の場合、さらにすす
めて、フェルマーの最終定理の制限( a+b-c が n の倍数でない)付きの一般の n の場合
やりました。


 KY さんからのコメントです。(令和5年4月9日付け)

 フェルマーの小定理といえば、ソフィー・ジェルマンのフェルマーの最終定理への業績です
よね。違ったかな?


 フェルマーはいくつかの実験的な観察から一般的に成り立つ命題を見つける天才で、大
小様々な命題を残しました。例えば、自然数の2乗から1を引きます。すると、

2^2−1=3=3×1,(3^2−1=8),4^2−1=15=3×5,5^2−1=24=3×8,
(6^2−1=35),7^2−1=48=3×16,8^2−1=63=3×21,(9^2−1=80)

などとなります。元の定数aが3の倍数ならば、その2乗から1を引けば3の倍数でなくなる
のは当たり前ですので、( )内に入れました。そうでないときには、a^2−1は3の倍数に
なっているようですね。自然数を4乗して1を引くとどうなるでしょう。

2^4−1=15=5×3,3^4−1=80=5×16,4^4−1=255=5×51,(5^4−1=624),
6^4−1=1295=5×259,7^4−1=2400=5×480,8^4−1=4095=5×819,
9^4−1=6560=5×1312

となって、元の数aが5の倍数でなければ、a^4−1は5の倍数になっているようです。フェル
マーにとっては、これは次のように一般化するのはたやすい仕事でした:

 aが素数pと互いに素ならば、a^(p-1)−1はpで割り切れる

 これが数論における最も基本的な定理、フェルマーの小定理です。記号では

 a^(p-1)≡1(mod p)

と書きます。とても美しい定理ですね。」 ・・・ 「数学の花束」中村滋著より

 因みに、証明をしたのはライプニッツだそうです。ウィキペディアには3通りの証明法が
載っていますが、作り出したのは初めて見ました。是非、PDFファイルにでもして残して下
さい。


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月9日付け)

 ありがとうございます。早速、PDFにしました。(→ 「フェルマーの小定理の証明」)


 KY さんからのコメントです。(令和5年4月9日付け)

 以前もそうだったのですが、検索しても辿り着きませんでした。(多分、私のパソコンがお
かしいと思うのですが。)

 因みに、グーグル検索、ヤフー検索という画面です。私には見られませんが、大切に保管
して下さい。


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年4月9日付け)

 KY さんはなぜ URL を検索しようと思ったんだろう……。URL が何なのかわかってないの
かとも思いましたが、その割には Google 検索の結果画面を自分で URL 書いてますし。
うーん??

 で、PDF 読ませていただきました。きちんと証明できていると思います。Wikipedia の証明
(2) と同様のものですが、あちらはかなり省略した書き方をしているのに対して、はちべえさ
んはかなり丁寧に進めていらっしゃいますね。

 細かい点ですが、改善点を 1 つ。

 2 ページ目後半から 3 ページ目前半にかけて a = 6 での例示をしているあたり、

 1^(n-1) + 2^(n-1) + 3^(n-1) + 4^(n-1) + …… + 5^(n-1)

みたいになっていますが、4 の次が 5 なので、この「……」は不要かなと思います。


 KY さんからのコメントです。(令和5年4月9日付け)

 私は以前「通りすがり」というハンドルネームを使っていたものです。

 KY さんはなぜ URL を検索しようと思ったんだろう……。

 もしかして、検索をクリック出来るようになっているのでしょうか。私のパソコンではクリック
出来ないので、コピペして検索したのですが、辿り着きませんでした。

 Wikipedia の証明(2) と同様のものですが、あちらはかなり省略した書き方をしているのに
対して、はちべえさんはかなり丁寧に進めていらっしゃいますね。


 言われて見直してみましたら、確かに理論的には同じですね。


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年4月9日付け)

 ああ、なるほど、何で詰まってるかわかりました。そもそも web ブラウザって、「URL を指定
して web サイトを閲覧するツール」です。リンクをクリックしたり、ブックマークで移動したりする
のは、 単に URL を指定する手間を省いてくれるだけで、「本来通り自分で直接 URL を指定し
てもサイトを閲覧できる」んですよ。手入力が面倒なら最初や最後の文字が欠落したり余計な
文字が入ったりしないように注意しながらコピーペーストで大丈夫です。…… ってことで当たっ
てますか?

 メッセージ中の URL を自動でリンクにする機能が無効になっているのは、おそらくスパム
とかの対策ですかね。普通のユーザーが自動でリンクしてほしいと思ったときは、メッセージ
欄じゃなく URL 欄にその URL を書けばいいわけですし。
(はちべえさんがなぜそうしなかったのかは、私にはわかりませんが)


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月9日付け)

 ヤフー検索では、https://・・・・・と表示されているところに、
http://y-daisan.private.coocan.jp/html/felmer-7-2.pdf
を張り付けるのです。つまり、コピーペーストするのです。

 今、この画面を見ているときは、
(http://)shochandas.xsrv.jp(/) ( )で囲まれている部分は表示されません。
と表示されている行です。
ここに、http://y-daisan.private.coocan.jp/html/felmer-7-2.pdfをコピーペーストします。

その画面から戻ってくるには、「←(左矢印)」をクリックするとこの画面に戻れます。


 KY さんからのコメントです。(令和5年4月9日付け)

 パソコン素人な者ですみません。URLをそのままコピーペーストしてグーグル検索してもヤ
フー検索してもこのURLに行けないんです。普通は、いつも一番上に出るのですが、うんざ
りはちべえさんの、例えば、

フェルマーの最終定理の制限( a + b − c が 素数である)付きの一般の n の場合
http://y-daisan.private.coocan.jp/html/pdf/felmer-8-1.pdf

で(グーグル)検索すると一番上に「奇数の完全数はない」が出ます。これです。

 メッセージ中の URL を自動でリンクにする機能が無効になっているのは、おそらくスパム
とかの対策ですかね。普通のユーザーが自動でリンクしてほしいと思ったときは、メッセージ
欄じゃなく URL 欄にその URL を書けばいいわけですし。
(はちべえさんがなぜそうしなかったのかは、私にはわかりませんが)


 これをして頂ければ辿り着けると思いますが。


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月9日付け)

 URLを記入しました。これでどうでしょう?緑色の「うんざりはちべえ」をクリックしてください。
そういう機能を使ってなかったもんで。てっきり、自分のホームページを貼るもんだと思って
いました。ただ、気になることがあります。TexでPDFをつくると、フォントが埋め込まれないの
で、Windowsでは、日本語の文字が変な文字に割り振られることがあります。アクロバットリー
ダーをインストールしておけば、問題ないのですが。もちろん、アクロバットリーダーは、無料
です。


 KY さんからのコメントです。(令和5年4月9日付け)

 うんざりはちべえさん、ありがとうございます。無事、辿り着きました。

 DD++さん指摘の部分は直されたのでしょうか。大丈夫みたいですが。

 Wikipedia の証明 (2) と同様のものですが、あちらはかなり省略した書き方をしているのに
対して、はちべえさんはかなり丁寧に進めていらっしゃいますね。

a^p=[1+(a−1)]^p
  ≡1^p+[1+(a−2)]^p
  ≡1+1^p+[1+(a−3)]^p
  ≡a(mod p)

 こちらの方こそ「・・・」を入れた方が良いと思います。

 因みに、これを見て、うんざりはちべえさんの解法を作れる人はいませんね。


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年4月9日付け)

 いや、だからなぜ検索欄に打ち込むのか……。検索欄は「これに関係する情報がある場
所を教えてください」です。「この場所に連れて行ってください」ではありませんし、そんな機能
は Google にも Yahoo にもありません。


 KY さんからのコメントです。(令和5年4月9日付け)

 ようやく意味が分かりました。直接上の鍵印の所にコピペすれば良かったのですね。
お騒がせしました。


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月11日付け)

 フェルマーの最終定理に挑戦し直しです。

 二項定理より、(→ 参考

a^n-1=Σi=1n nCi{1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(a-1)^(n-i)}----(a)

b^n-1=Σi=1n nCi{1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(b-1)^(n-i)}----(b)

c^n-1=Σi=1n nCi {1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}----(c)

 a^n+b^n=c^n とすると、(ただし、a<b<c とする)

 a^n-1+b^n-1=c^n-1
 (a^n-1)+(b^n-1)=(c^n-1)
 (a^n-1)=(c^n-1)-(b^n-1)

式(a)、(b)、(c)より、

Σi=1n nCi {1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(a-1)^(n-i)}

=Σi=1n nCi{1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}

 −Σi=1n nCi {1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(b-1)^(n-i)}

a^n-1=Σi=1n nCi {b^(n-i)+(b+1)^(n-i)+(b+2)^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}

そこで、(a^n-1)=(c^n-1)-(b^n-1) が成り立つには、

1)i=nのとき、a^n-1のnCn項は、 nCn{1^0+2^0+3^0+・・・+(a-1)^0)}=nCn{a-1}=a-1----(d)

一方、(c^n-1)-(b^n-1)のnCn項は、

 nCn{b^0+(b+1^0+(b+2)^0・・・+(c-1)^0}=nCn{(c-1)-(b-1)}=c-b---(e)

式(d)、(e)が等号で結ばれるのは、c-b=a-1---(i) のときだけである。

2)i=n-1のとき、a^n-1のnC(n-1)項は、

 nC(n-1){1+2+3+4+5+・・・+(a-1)}=nC(n-1){(a-1)a/2}----(f)

一方、(c^n-1)-(b^n-1)のnC(n-1)項は、

 nC(n-1){b+(b+1)+(b+2)・・・+(c-1)}=n{(c-1)c/2-(b-1)b/2}---(g)

 式(f)、(g)が等号で結ばれるのは、(c-1)c/2-(b-1)b/2=(a-1)a/2 のときだけである。

 (c-1)c-(b-1)b=(a-1)a
 c^2-c-b^2+b=(a-1)a
 c^2-b^2-(c-b)=(a-1)a
 (c-b)(c+b-1)=(a-1)a

 式(d)、(e)が等しいとき、式(f)、(g)も等しくないといけないから、式(i)より、c+b-1=a

左辺を(c-b)で割って、右辺を(a-1)で割って{なぜなら式(i)より}

c+b-2=a-1=c-b 式(i)より
c+b-2=c-b
c+b-2-(c-b)=0
c+b-2-c+b=0
2b-2=0
b=1

これは、c>b>aに矛盾する。

したがって、(d)≠(e)、(f)≠(g) つまり、(a^n-1)≠(c^n-1)-(b^n-1)
a^n≠c^n-b^n
a^n+b^n≠c^n

よって、フェルマーの最終定理は初等的に証明された。


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年4月11日付け)

 a^n+b^n=c^n とすると、(ただし、a<b<c とする)

 a^n-1+b^n-1=c^n-1


 左辺で 2 回 -1 したなら、右辺も 2 回 -1 する必要があるのでは。


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月11日付け)

 そうか、うっかりしてました。

 二項定理より、(→ 参考

a^n-1=Σi=1n nCi{1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(a-1)^(n-i)}----(a)

b^n-1=Σi=1n nCi{1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(b-1)^(n-i)}----(b)

c^n-1=Σi=1n nCi {1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}----(c)

 a^n+b^n=c^n とすると、(ただし、a<b<c とする)

 a^n-1+b^n-1+1=c^n-1
(a^n-1)+(b^n-1)+1=(c^n-1)
(a^n-1)+1=(c^n-1)-(b^n-1)

式(a)、(b)、(c)より、

Σi=1n nCi {1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(a-1)^(n-i)}+1

=Σi=1n nCi {1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}

 −Σi=1n nCi {1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(b-1)^(n-i)}

a^n-1+1=Σi=1n nCi {b^(n-i)+(b+1)^(n-i)+(b+2)^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}


そこで、(a^n-1)+1=(c^n-1)-(b^n-1)が成り立つには、

1)i=nのとき、a^n-1のnCn項は、 nCn{1^0+2^0+3^0+・・・+(a-1)^0)}+1=nCn{a-1}+1=a----(d)

一方、(c^n-1)-(b^n-1)のnCn項は、

 nCn{b^0+(b+1^0+(b+2)^0・・・+(c-1)^0}=nCn{(c-1)-(b-1)}=c-b---(e)

式(d)、(e)が等号で結ばれるのは、c-b=a---(i) のときだけである。

2)i=n-1のとき、a^n-1のnC(n-1)項は、

 nC(n-1){1+2+3+4+5+・・・+(a-1)}=nC(n-1){(a-1)a/2}----(f)

一方、(c^n-1)-(b^n-1)のnC(n-1)項は、

 nC(n-1){b+(b+1)+(b+2)・・・+(c-1)}=n{(c-1)c/2-(b-1)b/2}---(g)

式(f)、(g)が等号で結ばれるのは、(c-1)c/2-(b-1)b/2=(a-1)a/2 のときだけである。

(c-1)c-(b-1)b=(a-1)a
c^2-c-b^2+b=(a-1)a
c^2-b^2-(c-b)=(a-1)a
(c-b)(c+b-1)=(a-1)a

式(d)、(e)が等しいとき、式(f)、(g)も等しくないといけないから、式(i)より、c+b-1=a-1

左辺を(c-b)で割って、右辺をaで割って{なぜなら式(i)より}

c+b=a=c-b 式(i)より
c+b=c-b
c+b-(c-b)=0
c+b-c+b=0
2b=0
b=0

これは、c>b>aに矛盾する。

したがって、(d)≠(e)、(f)≠(g) つまり、(a^n-1)≠(c^n-1)-(b^n-1)
a^n≠c^n-b^n
a^n+b^n≠c^n

よって、フェルマーの最終定理は初等的に証明された。


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年4月11日付け)

 (d) と (e) が等しいといえる根拠はなんですか?


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月11日付け)

  (a^n-1)+1=(c^n-1)-(b^n-1)が成り立つためです。つまり、

a^n-1+1=Σi=1n nCi {b^(n-i)+(b+1)^(n-i)+(b+2)^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}

ということで、右辺はすべて正の数の和なのです。また、a^n-1+1は、

Σi=1n nCi {1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(a-1)^(n-i)}+1 もすべて、正の数の和ですから、

 nCi {1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(a-1)^(n-i)}

の右左辺のnCiどおし等しくなければなりません。式(d)、(e)は、nCnの項なので、a^n-1+1は

i=nの nCi {1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(a-1)^(n-i)}+1

ですが、この項だけ、+1が余分にあり、(c^n-1)-(b^n-1)は、i=nの

nCi {b^(n-i)+(b+1)^(n-i)+(b+2)^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}

ですから、お互いに等しくなければなりません。だから式(d)、(e)は等しくなければなりません。

 二項定理で、同じべき乗なら、(a+b)^nの各項は、nCi a^(n-i) b^iで、(a+b)^n=(c+d)^n なら、

a^(n-i) b^i= c^(n-i) d^i ということです。つまり、nCi の係数項は、a^(n-i) b^i= c^(n-i) d^i の

ように等しくならなければならないということです。


 KY さんからのコメントです。(令和5年4月11日付け)

2)i=n-1のとき、a^n-1のnC(n-1)項は、

 nC(n-1){1+2+3+4+5+・・・+(a-1)}=nC(n-1){(a-1)a/2}----(f)


は、

2)i=n-1のとき、a^n-1のnC(n-1)項は、

 nC(n-1){1+2+3+4+5+・・・+(a-1)}+1=nC(n-1){(a-1)a/2}----(f)

じゃないでしょうか。


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年4月11日付け)

 (a+b)^n=(c+d)^n なら、a^(n-i) b^i= c^(n-i) d^i ということです。

 a=1、b=-1、c=0、d=0 で考えると、

「(1-1)^n = (0+0)^n なら、1^(n-i) (-1)^i = 0^(n-i) 0^i ということ」って意味になりますけど、あっ
てます?

 なるほど、つまり、はちべえさんは、(-1)^i = 0^n が正しいと出張しているわけですね?


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月12日付け)

 nC(n-1)=n!/(n-(n-1)!(n-1)!)=n!/(n-1)!=n なので、

nC(n-1){1+2+3+4+5+・・・+(a-1)}=nC(n-1){(a-1)a/2}=n{(a-1)a/2}----(f)

また、nC(n-1){1+2+3+4+5+・・・+(a-1)}+1=nC(n-1){(a-1)a/2}---(f) の「+1」は、nCnの項

だけに作用しますので、nC(n-1)には、関係しません。ですから、

 nC(n-1){1+2+3+4+5+・・・+(a-1)}=nC(n-1){(a-1)a/2}=n{(a-1)a/2}----(f)

でいいはずです。

 DD++ さんへ、そういうふうにすれば、そうなりますね。

 なるほど、つまり、はちべえさんは (-1)^i = 0^n が正しいと出張しているわけですね?

 今回の場合、a、b、c、d ともに自然数ですから、そうはならないと思います。ご指摘の、

 「(1-1)^n = (0+0)^n なら、1^(n-i) (-1)^i = 0^(n-i) 0^i ということ」

ですから、(1-1)^n=0、(0+0)^n=0で、全体で見れば、等号が成り立ちますが、

1^(n-i) (-1)^i = 0^(n-i) 0^iとは、言えないですね。

 ちなみに、(1-1)^nは、

(1-1)^n=nC0 1^n (-1)^0+nC1 1^(n-1) (-1)^1+nC2 1^(n-2) (-1)^2+・・・+nCn 1^(n-n) (-1)^n

において、nが偶数なら、たとえば、n=10なら、

0=10C0-10C1+10C2-10C3+10C4-10C5+10C6-10C7+10C8-10C9+10C10

 マイナスの項を左辺に移項すると、

10C1+10C3+10C5+10C7+10C9=10C0+10C2+10C4+10C6+10C8+10C10

よって、 nC1+nC3+nC5・・・+nC(n-1)=nC0+nC2+nC4+・・・・+nCn

 左右で項数が違うのに不思議に思うかもしれませんが、こうなのです。

nが奇数なら、たとえば、n=11なら、

0=11C0-11C1+11C2-11C3+11C4-11C5+11C6-11C7+11C8-11C9+11C10-11C11

 マイナスの項を左辺に移項すると、

11C1+11C3+11C5+11C7+11C9+11C11=11C0+11C2+11C4+11C6+11C8+11C10

よって、 nC1+nC3+nC5・・・+nCn=nC0+nC2+nC4+・・・・+nC(n-1)

 パスカルの三角形を思い出してください。

     1 -2 1
    1 -3 3 -1
   1 -4 6 -4  1
  1 -5 10 -10 5 -1
 1 -6 15 -20 15 -6 1

となります。


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年4月12日付け)

 なるほど、自然数限定だからとおっしゃるならこうしましょう。

 a = 1、b = 3、c = 2、d = 2 で考えます。文句なく自然数ですね?

で、(1+3)^n = (2+2)^n は成り立ちます。これも問題ないですね?

ということは、はちべえさんは、 1^(n-i) 3^i = 2^(n-i) 2^i であると、つまり、 3^i = 2^n は正し
い式であると主張するわけですね?

 はちべえさんがこの式を誤りだと断ずるなら、まったく同じ論理で作った (d) = (e) も誤りと
いうことです。


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月13日付け)

 そのとおりですね。このフェルマーの最終定理の証明は、間違いですね。


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月15日付け)

 二項定理より、(→ 参考

a^n-1=Σi=1n nCi{1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(a-1)^(n-i)}----(a)

b^n-1=Σi=1n nCi{1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(b-1)^(n-i)}----(b)

c^n-1=Σi=1n nCi {1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}----(c)

 a^n+b^n=c^n とすると、(ただし、a<b<c とする)

 a^n-1+b^n-1+1=c^n-1
(a^n-1)+(b^n-1)+1=(c^n-1)
(a^n-1)+1=(c^n-1)-(b^n-1)

式(a)、(b)、(c)より、

Σi=1n nCi {1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(a-1)^(n-i)}+1

=Σi=1n nCi{1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}

 −Σi=1n nCi {1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(b-1)^(n-i)}

a^n-1+1=Σi=1n nCi {b^(n-i)+(b+1)^(n-i)+(b+2)^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}

 Σi=1n nCi {b^(n-i)+(b+1)^(n-i)+(b+2)^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}-(a)式-1----(d)

とすると、(d)式の (c-1)^(n-i)-(a-1)^(n-i) の大小関係を調べればよい。

公式 x^n-y^n=(x-y){x^(n-1)+x^(n-2)y+x^(n-3)y^2+・・・+xy^(n-2)+y^(n-1)} より、

x、y が自然数なら、{ }の中は、正の自然数。したがって、(x-y)が正か負で、x^n とy^n の大
小関係がわかる。

 (c-1)^(n-i)-(a-1)^(n-i) において、c>b>a より、 c-1>a-1 なので、

 (c-1)^(n-i)-(a-1)^(n-i)>0 となる。

 よって、(d)式は「>0」 ただ、c-bの項数とaの項数が問題となる。

したがって、条件は、c-b≧a がつく。

 これを満足すれば、フェルマーの最終定理は証明できる。

 なお、(a)式+1 の部分は、b^0-1-1>0 は、a、b、c は自然数であり、c>b>a>0 と a=1
では、b>3であるから問題ない。

 たとえば、a=1 のとき、1^3+b^3=c^3 のとき、b=2 でも 3 ではない。


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月15日付け)

 a、b、c において、a^n+b^n=c^n が成り立つとき、 (a^n+b^n)^2=(c^n)^2

ここで、補題より、 (a^n+b^n)^2>(a+b)^n であるから、 (a+b)^n<(c^2)^n

a、b、c は自然数より、 (a+b)<c^2 なので、 a<c^2-b

 おしいなあ。c^2-b>a なら、制限がなくなったのになあ。


 KYさんからのコメントです。(令和5年4月15日付け)

 これはどういう事を意味しているのでしょうか。制限を付けて行ってあり得ない証明をする
のが筋なのではないでしょうか。

 因みに、a<c、b<c から a+b<2c ですが、c≧3 で、a+b<c^2 より、a、bに制
限を付けられますね。

 補題の証明は見事ですね。


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月15日付け)

 なるほど。あとちょっとで・・・・・。制限なしになれば、フェルマーの最終定理の初等的証明
になったんですけどね。残念。


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年4月15日付け)

 補題の証明

 a≧2、b≧2 のとこ、論点先取で一発退場では。入試とかだと一行読んだだけで 0 点にさ
れるやつです。


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月15日付け)

 そうか、c-b<a のとき、(d)式は、「<0」です。要するに、(d)式が「=0」でなければ、フェル
マーの最終定理の初等的証明はできるんだ。なんとか、先が見えてきました。

 DD++ さんご指摘の

で、(1+3)^n = (2+2)^n は成り立ちます。これも問題ないですね?

ということは、はちべえさんは、 1^(n-i) 3^i = 2^(n-i) 2^i であると、つまり、 3^i = 2^n は正し
い式であると主張するわけですね?


 これも、実にありがたい指摘で、a^n-1+1=c^n-1-(b^n-1) が成り立つ条件はないというあ
る意味いいヒントなるかもしれない・・・・・。


 壊れた扉さんからのコメントです。(令和5年4月15日付け)

 a≧2、b≧2 のとこ、論点先取で一発退場では。

 いいえ、論点先取ではありません。まず、本題の証明の方で、a=1、b=1の場合を述べ
ていて、次に補題の所で、a=1、b=2(a=2、b=1)の場合を述べていて、残りは、a≧2、
b≧2の場合しかないからです。因みに、具体例は、

 「それは論点先取だ」と言えるのは、1つの三段論法の中で「循環論法」が使われている場
合である。すなわち、推論過程に証明すべき事柄を前提とする命題を含んでいる場合である。
本質的に、命題がそれ自身の証明に使われるような戦術はその基本的形式において説得
力がない。

 例えば、ポールが本当のことを言っていると証明したいとする。

 ポールは嘘を言っていないと仮定する。ポールは何かを話している。したがって、ポールは
本当のことを言っている。

 この文章は論理的だが、話者の真実性を納得させることはできない。問題は、ポールの真
実性を証明するためにポールが本当のことを言っていると仮定することを聴衆に頼んでいる
ため、これは実際には「ポールが嘘をついていないなら、ポールは真実を言っている」という
ことを証明しているに過ぎない。

 このような論証は論理的には妥当である。すなわち、結論は実際に前提から導き出されて
いる。ただし、何らかの意味でその結論は前提と同一である。自己循環論法は全て、このよ
うな証明すべき命題が論証のある時点で仮定されるという性質を持つ。(→ 引用元

 当てはまっていないと思いますが...。


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年4月15日付け)

 例として 1 つの三段論法を挙げているだけで、複数の場合でも論点先取は論点先取でしょ
う。あるいは循環論法と言った方がよかったですか?

 今回の場合ならどっちにも該当する(というか両者に明確な区分があるわけでもない)と
思っているので...。


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月16日付け)

 b≠0 とする。a/b・・・ は、どうなるんだろう?


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年4月16日付け)

 言っている意味がよくわかりませんが、「どうなる」とはどういう意味でしょう?

 この前の三角比の話のときもそうでしたが、はちべえさんが論点先取についてよくわかっ
ていない、または勘違いしているようなので。以下のように書いた人がいたとしましょう。
-------
フェルマーの最終定理の証明

 n≧3 のとき、フェルマーの最終定理より、a^n + b^n = c^n に自然数解は存在しない。

 c^n を移項すると、a^n + b^n - c^n = 0 も自然数解は存在しない。よって、ここから c^n

を移項した a^n + b^n = c^n に自然数解は存在しない。

 したがって、フェルマーの最終定理は示された。
-------

 これが証明になっていないことはわかりますか?

 この人はフェルマーの最終定理をこれから証明しようとしています。なのに、「フェルマーの

最終定理より」と既に証明が済んでいる前提で話が始まるのはおかしいですよね。

 こういうのを論点先取と言って、その後どう話を展開しようが正しい証明になることは絶対
にありません。

 「結論をみんなが納得してくれるなら、結論をみんなが納得してくれる」と言ってるだけなわ
けですからね。

 それを理解してもらえたら次を見てください。

--------
( a^n + b^n )^2 ≧ (a+b)^n の証明(一部略)

以降、a≧2, b≧2 とする。 ( a^n + b^n )^2 ≧ (a+b)^n  より、(以下しばらく略)

よって ( a^n + b^n )^2 ≧ (a+b)^n
-------

これ、どう思いますか?


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月16日付け)

 それは、おかしいですよね。でも、補題は、そうなっていません。ちゃんと読んでいただけ
れば、わかるはずです。

 「以降、a≧2、b≧2 とする。」の下は、ちょっと表現はまずかったのですが、

(a^n+b^n)^2-(a+b)^nとして、(a^n+b^n)^2-(a+b)^n=a^2n+2a^nb^n+b^2n-(a+b)^n

と書くべきだったのです。(a^n+b^n)^2>(a+b)^n を利用している箇所はありません。

 「b≠0 とする。」は、論点先取りに当たりませんか?


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年4月16日付け)

 ん?使ってないんですか?じゃあ、そこの行が削除されたと思って読んでみます。

 b≠0 の話は、もし証明したい内容が b≠0 やそれに類する内容なのであれば、論点先取
問題があります。

 あるいは、b=0 も想定しているはずの証明で、b≠0 を勝手に付け加えたとかも問題です。
それ以外、つまり、b=0 と b≠0 で場合分けしただけとか、b≠0 であることを証明した後なら
問題ないと思いますよ。


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月16日付け)

 補題を直しました。

 証明に先立って、a/b が出てくるので、b≠0 とするということはいいのですね。

では、背理法の場合は、論点先取りにはならないとしないとまずいですよね?

 フェルマーの最終定理で、「a、b、c は互いに素な自然数とする」とか、は無理数では、
「a/b の a、b は互いに素である」として、「a/b は互いに素でない。矛盾」となっています。

 どう思います?


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年4月16日付け)

 修正後のを読みました。……なんで元のやつには全部を台無しにする一文を突っ込んで
あったんでしょうね。気になった点を 2 つ。

1 つめ。

 b = a + j で j≧0 としていますが、何か数値を新しい文字でおくときには、そういう条件を満
たす数が存在する保証が必要です。

 j に制限がなければ、そういう j が存在することは明らかですが、0 以上の範囲で存在する
保証はありません。

 最初の a≧2、b≧2 を b≧a≧2 にした上で、a>b≧2 の場合の証明を書き足す(同様にで
十分でしょうけど)等の修正が必要だと思います。

2 つめ。

 b≧a という条件も付け足した前提での話になります。

 この証明って、b^2n = b^n*b^n ≧ 2^n*b^n = (2b)^n ≧ (a+b)^n という一行を、わざわざ
二項定理で展開したり、間の不等式を増やしたりして話をややこしくしているだけに見える
んですが、その理解は間違っているでしょうか?

  証明に先立って、a/b が出てくるので、b≠0 とするということはいいのですね。

 先立ってというか、そもそも命題が b≠0 を前提に書かれているかどうかですね。

・命題自体に b≠0 と明記されている
・b が辺の長さなど通常 0 になることがない量を表す文字である
・命題の中に b を分母にした分数が存在する
・命題の中に b を真数にする対数が存在する

などの場合は、b≠0 としてしまって大丈夫です。
(b≠0 「とする」よりも b≠0 「である」と書く方が、自分が勝手に決めたと誤解されないので、
より良いと思います)

 背理法の話

 背理法の場合は、論点先取にはなりません。

 背理法は、命題 A を証明するのに「命題 A の反例の存在を仮定する」のです。「命題 A
を仮定する」わけじゃありません。

 確かにぱっと見は論点先取っぽくも見える行為ではあるので、ややこしくはあるのですが。

 なお、未証明のまま根拠に用いていいのは、「命題 A の反例の存在を仮定する」とした部
分のみであることに注意が必要です。

 フェルマーの最終定理であれば、命題が「等式を満たす x, y, z は存在しない」です。

 だから「等式を満たす x, y, z が存在したと仮定する」は根拠なく仮定して、他の内容の根拠
に用いて大丈夫です。でも、それ以外は根拠なく用いてはいけません。

 その x, y, z が互いに素かどうかは、反例の存在を仮定しただけでは何も言えませんので、
別途証明が必要です。

 の証明も、命題が「無理数である」なので、「有理数である」を根拠なく仮定し、他の内
容の根拠に用いて構いません。でも、それ以外は根拠なく用いてはいけません。

 だから、

・有理数であるならば、互いに素な整数 a, b (ただし b≠0)を用いて、その数を a/b と書ける
は有理数である
・よって互いに素な整数 a、b (ただし b≠0)を用いて、 = a/b と書ける

という話をするときに、1 つめの文が本当に正しいかどうかはきちんと確認しなければいけま
せん。


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月16日付け)

1つめ・・・なるほど、a≧2、b≧2 と書いてあるから、b=a+j だけで済みますね。

2つめ・・・なるほど。シンプルですね。


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月29日付け)

 フェルマーの最終定理を初等的に証明しました。ご迷惑おかけしますが、皆さんのご意見
をお聞かせください。

 二項定理より、(→ 参考

a^n-1=Σi=1n nCi{1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(a-1)^(n-i)}----(a)

b^n-1=Σi=1n nCi{1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(b-1)^(n-i)}----(b)

c^n-1=Σi=1n nCi {1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}----(c)

 a^n+b^n=c^n とすると、(ただし、a<b<c とする)

 a^n-1+b^n-1+1=c^n-1
(a^n-1)+(b^n-1)+1=(c^n-1)
(a^n-1)+1=(c^n-1)-(b^n-1)

式(a)、(b)、(c)より、

Σi=1n nCi {1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(a-1)^(n-i)}+1

=Σi=1n nCi{1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}

 −Σi=1n nCi {1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(b-1)^(n-i)}

a^n-1+1=Σi=1n nCi {b^(n-i)+(b+1)^(n-i)+(b+2)^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}

 Σi=1n [nCi {b^(n-i)+(b+1)^(n-i)+(b+2)^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}-(a)式のnCi{・・・}]-1----(d)

とすると、(d)式の (c-1)^(n-i)-(a-1)^(n-i) の大小関係を調べればよい。

公式 x^n-y^n=(x-y){x^(n-1)+x^(n-2)y+x^(n-3)y^2+・・・+xy^(n-2)+y^(n-1)} より、

x、y が自然数なら、{ }の中は、正の自然数。したがって、(x-y)が正か負で、x^n とy^n の大
小関係がわかる。

1) (c-1)^(n-i)-(a-1)^(n-i) において、c>b>a より、 c-1>a-1 なので、c-b の項数と a

 の項数が問題となり、条件は、c-b>a がつく。

 (c-1)^(n-i)-(a-1)^(n-i)>0 となる。よって、(d)式は「>0」 ----(g)

2) また、c-1)^(n-i)-(a-1)^(n-i) において、c>b>a より、c-1>a-1 なので、c-b の項数と

 a の項数が問題となり、条件は、c-b<a がつく。

 (c-1)^(n-i)-(a-1)^(n-i)<0 となる。よって、(d)式は「<0」 ----(h)

これらを満足すれば、フェルマーの最終定理は証明できる。

3) ただし、(d)式=0 の場合を考えてみる。i=1〜n において、(c-1)^(n-i)-(a-1)^(n-i)

 c>b>a より、c-1>a-1 なので、 (c-1)^(n-i)-(a-1)^(n-i)≧0----(f)

 c-b の項数と a の項数が問題となり、条件は、c-b=a がつく。

3-1) i=n のとき、

nCn{b^(n-n)+(b+1)^(n-n)+(b+2)^(n-n)+・・・+(c-1)^(n-n)}
-{nCn{1^(n-n)+2^(n-n)+3^(n-n)+・・・+(a-1)^(n-n)+1}=c-b-a=0

3-2) i=n-1 のとき、

nC1{b+(b+1)+(b+2)+・・・+(c-1)}-{nC1{1+2+3+・・・+(a-1)}
=n{(c-1)c/2-(b-1)b/2-(a-1)a/2}
=n{(c-1)c-(b-1)b-(a-1)a}/2
=n{c^2-c-b^2+b-a^2+a}/2
=n{c^2-b^2-a^2-(c-b-a)}/2

 c-b=a より、

=n{(c-b)(c+b)-a^2}/2
=n{a(c+b)-a^2}/2
=n{a(a+2b)-a^2}/2
=n{a^2+2ab-a^2}/2
=abn

ここで、a、b、n は自然数より、

nC1{b+(b+1)+(b+2)+・・・+(c-1)}-{nC1{1+2+3+・・・+(a-1)}=abn>0----(e)

3-3) (d)式=0であるには、(f)であるから、i=1〜nまで、

Σi=1n [nCi{b^(n-i)+(b+1)^(n-i)+(b+2)^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}-(a)式のnCi{・・・}]-1----(d)

の [nCi{b^(n-i)+(b+1)^(n-i)+(b+2)^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}-(a)式のnCi{・・・}]=0でなければならない。

ところが、i=n-1で(e)式は、abn>0であり、0でない。---(j)

したがって、(d)式=0 にはならない。

ゆえに、(g)と(h)と(j)から(c)式−(b)式−{(a)式+1}≠ 0 つまり、a^n+b^n≠c^n

よって、フェルマーの最終定理は初等的に証明された。


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年4月29日付け)

 条件は、c-b>a がつく。
 条件は、c-b<a がつく。
 条件は、c-b=a がつく。


 条件がつく、という言葉の意味がわからないんですが、これはどういう主張でしょう?


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月29日付け)

 「c-b の項数と a の項数が問題となる」ので、(d)式が>0あるいは、<0あるいは=0であ
るには、項数の大小関係という問題があるので、条件がつくということです。

 そういうことではない問題があるとご指摘でしょうか?


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年4月29日付け)

 純粋に条件が「つく」という日本語の意味がわかりませんという話です。条件が「得られる」
とか、条件が「与えられる」とか、条件が「必要になる」とかならわかります。条件が「つく」とは
一体?


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月29日付け)

 わかりました。条件が「必要になる」ということです。


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年4月29日付け)

 なるほど、「必要になる」という意味ですね。では、必要になったその条件はどこで証明され
ているのでしょう?


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月29日付け)

1) (c-1)^(n-i)-(a-1)^(n-i)----(ア)において、c>b>a より、 c-1>a-1 なので、c-b の

 項数と a の項数が問題となり、条件は、c-b>a がつく。

 (c-1)^(n-i)-(a-1)^(n-i)>0 となる。よって、(d)式は「>0」 ----(g)


 (ア)と c>b>a と公式より、(c-1)^(n-i)-(a-1)^(n-i)>0 となるには、条件は、c-b>a が必
要になります。

 2)、3)も同様です。

 論理の順序として不適切な表現だったかもしれません。


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年4月29日付け)

 順番の問題じゃなく、「必要だ」と言っているものが、どこにも存在していないですよね?


 KYさんからのコメントです。(令和5年4月30日付け)

3) ただし、(d)式=0 の場合を考えてみる。i=1〜n において、(c-1)^(n-i)-(a-1)^(n-i)

 c>b>a より、c-1>a-1 なので、 (c-1)^(n-i)-(a-1)^(n-i)≧0----(f)

 c-b の項数と a の項数が問題となり、条件は、c-b=a がつく。

 ここの意味がよく分からないのですが...。


Σi=1n [nCi {b^(n-i)+(b+1)^(n-i)+(b+2)^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}-(a)式のnCi{・・・}]-1----(d)

 c-b の項数とは、b^(n-i)+(b+1)^(n-i)+(b+2)^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i) の項数で、a の項数とは
(a)式の nCi{・・・} の項数の事でしょうか。

そうだとすると、左は、c-1-b+1=c-b個で、右は、a-1個で、c-b=a-1 なのではないでしょうか。

3-3) (d)式=0であるには、(f)であるから、i=1〜nまで、

Σi=1n [nCi{b^(n-i)+(b+1)^(n-i)+(b+2)^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}-(a)式のnCi{・・・}]-1----(d)

の [nCi{b^(n-i)+(b+1)^(n-i)+(b+2)^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}-(a)式のnCi{・・・}]=0でなければならない。


 これでは、(d)式は、-1 ではないのでしょうか。


 DD++ さんからのコメントです。(令和5年4月30日付け)

 必要性でしかないのだから、c-b と a の大小関係が決まってもアの大小関係は決まりませ
んけど。正直、必要性十分性がぐちゃぐちゃで、まともに「みなさんのご意見」が出せないくら
いひどいです。意見をするには「間違っているんだけど、何をしたかったのかはわかる」程度
にはきちんと整理されていなければなりませんが、この文章はまずその推測すら不可能です。


 うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年4月30日付け)

 c-b の項数と a の項数が問題となり、条件は、c-b=a がつく。

b^n-1=Σi=1n nCi{1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(b-1)^(n-i)}----(b)

c^n-1=Σi=1n nCi {1^(n-i)+2^(n-i)+3^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}----(c)


より、c-n-1 と b^n-1 の差は、c>b なので、1〜b-1 が引かれて、

Σi=1n [nCi{b^(n-i)+(b+1)^(n-i)+(b+2)^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}

となりますので、b〜c-1項で、b=10、c=20 とすると、10〜19 なので、10項ですよね。

項数は、c-b になりませんか?a も 1 から a-1 なので、あれ、項数は、a-1 ですね。


そうだとすると、左は、c-1-b+1=c-b個で、右は、a-1個で、c-b=a-1 なのではないでしょうか。

 まったく、そうですね。うっかりしてました。


3-3) これでは、(d)式は、-1 ではないのでしょうか。

[nCi{b^(n-i)+(b+1)^(n-i)+(b+2)^(n-i)+・・・+(c-1)^(n-i)}-(a)式のnCi{・・・}]=0でなければならない。


 ここでは、項数が一致しているという意味であったのですが、(d)式=0 という前提があるとし
ても、おかしいですね。ありがとうございます。

 DD++ さんへ

 KYさんへの回答から参考になると思います。



  以下、工事中!


              投稿一覧に戻る