円周率の数が示す別の意味を考える。
nを0を含む自然数とするとき、 n=a^2+b^2 (a、b∈Z) で表すことが出来る方法を
r(n) で表せば、
0=0^2+0^2 から、 r(0)=1
1=1^2+0^2=(-1)^2+0^2=0^2+1^2=0^2+(-1)^2 から、 r(1)=4
2=1^2+1^2=1^2+(-1)^2=(-1)^2+1^2=(-1)^2+(^1)^2 から、 r(2)=4
3=a^2+b^2 とする組合せは見つけられない。 よって、r(3)=0
他にも、n=6、7、11、12、14、15、・・・ にも 0 が当てはまる。
上の「2」の構造と同じく、 r(4)=4
次に、5=2^2+1^2 に対する符号 +、- と a、b での数字の選び方で、合計 4*2=8 通り構成
可能なので、 r(5)=8
8=2^2+2^2 --> r(8)=4
9=3^2+0^2 --> r(9)=4
10=3^2+1^2 --> r(10)=8
さて、ここまでで、n=0、1、2、3、・・・、10 に対応して並ぶ r(n) の数列が、
1、4、4、0、4、8、0、0、4、4、8
そこで、ここまでのnに対する総合計が、 1+4+4+0+4+8+0+0+4+4+8=37
この理屈は全く同じで、この作業をずっと先までやっていくと、最後の総合計数に何が起こ
ると想像できますか?
データを利用して見てみましょう。(→ 「A004018」)
n=10を超えて100まで伸ばすと、
1、4、4、0、4、8、0、0、4、4、8、0、0、8、・・・、0、8、4、0、12
したがって、ここまでの総和は、 37+0+0+8+・・・+0+8+4+0+12=317
つぎは、100を超えて1000までやります。
1、4、4、0、4、・・・・・、0、8、4、0、12、8、0、0、8、0、・・・・・、0、8、0、0、16
このすべての合計は、3149
そこで、一般に、10^nまでに並ぶ r(i) (i=0、1、2、3、・・・、10^n) の合計をS(n)で集計すれ
ば(→ 「A068785」)
n; S(n)
0; 5
1; 37
2; 317
3; 3149
4; 31417
5; 314197
6; 3141549
7; 31416025
8; 314159053
9; 3141592409
10; 31415925457
11; 314159264013
12; 3141592649625
13; 31415926532017
14; 314159265350589
15; 3141592653588533
16; 31415926535867961
17; 314159265358987341
18; 3141592653589764829
19; 31415926535897744669
20; 314159265358978759661
21; 3141592653589792630933
22; 31415926535897931085161
23; 314159265358979322639853
24; 3141592653589793234680617
25; 31415926535897932384615349
26; 314159265358979323823745421
27; 3141592653589793238428435569
28; 31415926535897932384568540625
29; 314159265358979323846212602093
30; 3141592653589793238462579472373
31; 31415926535897932384626459376945
32; 314159265358979323846263865968245
33; 3141592653589793238462643289640533
34; 31415926535897932384626432234171745
35; 314159265358979323846264338399627025
36; 3141592653589793238462643379445627833
......どこかで見たような数字になっていませんか?そう、円周率π!
gp > Pi
%24 = 3.1415926535897932384626433 832795028841971693993751
小数点以下25桁までの(n=35の方がより近くなっている)、ここまで数字
が一致することはとても不思議です。
一方は、整数世界での場合の総数であり、もう一方は円周と直径の比率であり、この似て
も似つかぬもの同士が、かくも同じ数字の配列を持つこと自体が驚き、桃ノ木、山椒の木、
ブリキに狸に蓄音機です。
100個や1000個の調査ぐらいでは掴めない法則が、10^36(個)にも及ぶものを眺めてみれ
ば一目瞭然です。
ご存知だった人は特に驚かれないでしょうが、円周率は小学校以来知ってはいましたが
それ以上のものではなく、人生も終わりに近づく頃になって初めて別の意味でその立ち姿
をまじまじと見つめ直す感覚です。
うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年3月22日付け)
大発見ですね!
DD++ さんからのコメントです。(令和5年3月22日付け)
x^2+y^2≦r^2 を満たす自然数の組 (x,y) の個数を N とするとき、lim[r→∞] N/r^2 を求
めよ。
……みたいな問題を解いたことがあるんですが、あれはどこかの大学入試だったか、それ
とも別の何かだったか。
格子点と原点中心の円を考えれば、答えの予測はすぐ立ちますが、論証が非常に面倒く
さいという。
ということで、結果は知っていたし、πが出てくるのも意外とも思わなかったのですが、私に
は別の点に驚きがありました。
上記の問題を解いた当時から、「きっと 10^n までやったら π をだいたい n 桁まで出せる
んだろうな...」と予想していたのですが、そうでもないんですね、これ。
どういう収束速度なんだろう。
うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年3月22日付け)
格子点と原点中心の円を考えれば、答えの予測はすぐ立ちますが、論証が非常に面倒く
さいという。
ああ、思い出した。モンテカルロ法で円周率を求めるのがありましたね。極めて、収束性の
悪いプログラムであったような記憶があります。
違います? (→ 参考:「モンテカルロ法と円周率の近似計算」)
GAI さんのは、全然違うような・・・?
DD++ さんからのコメントです。(令和5年3月22日付け)
モンテカルロ法は正の実数 (x,y) を無作為に決めるやつですね。私が言っているのは、正
の整数 (x,y) を順番に全部数え上げるやつです。そして、GAI さんのは、正負問わず整数
(x,y) を全部数え上げるやつ。
私と GAI さんのは、符号の違いの有無で、約 4 倍差が出ますが、ほぼほぼ同じ問題です。
モンテカルロ法はまた違う話です。
調べてみたら、GAI さんや私の方法は、「システマティック法」と呼ばれるみたいですが、あ
んまり情報が出てきませんね。
モンテカルロ法で n 個点を打って求めた円周率を α(n)、システマティック法で、
x^2+y^2 ≦ n/4 の整数解の個数から求めた円周率を β(n)、システマティック法で、
x^2+y^2 ≦ n の自然数解の個数から求めた円周率を γ(n) とするとき、n→∞ で、最も早
く収束するのはどれなんでしょうね。多分、β(n) とγ(n) は変わらなさそうですが。
うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和5年3月22日付け)
ランダムのモンテカルロ法とは、違うのですね。全部数え上げる方法なのですね。
以下、工事中!