・ ある数の性質2                   S.H氏

 自然数 n に対して、6n2−6n+1 が平方数になるとき、とても面白い性質を持つらしい。
自然数 m を用いて、 6n2−6n+1=m2 と書けるわけだが、

    3m2+2=18n2−18n+5=(3n−2)2+(3n−1)2
    3m2+2=(m−1)2+(m)2+(m+1)2


と式変形できるので、一つの数が2〜3個の連続する自然数の平方の和として表せること
が分かる。

 このような性質を持つ( n , m )の組としては、
  ( 1 , 1 ) 、 ( 5 , 11 ) 、 ( 45 , 109 )
が知られている。

 したがって、  5=12+22=02+12+22
        365=132+142=102+112+122
      35645=1332+1342=1082+1092+1102


と表せる。

(参考文献: 藤村幸三郎、田村三郎 著  数学歴史パズル  (講談社))

 上記文献では、上記の例に止まっているが、とても面白い性質なので、もう少し求めてみ
ようという気になった。

 表計算ソフト Excel の VBA を用いて、mの値が100万まで計算させてみると、見かけ
上 n と m が自然数になるものは、計80組あることが分かった。

   
1 1   177019 433605   300192 735316
5 11   178979 438406   302152 740117
45 109   185740 454967   304112 744918
441 1079   187700 459768   310873 761479
4361 10681   196421 481130   312833 766280
23763 58206   198381 485931   319594 782841
43165 105731   205142 502492   321554 787642
62567 153256   207102 507293   323514 792443
101371 248306   213863 523854   330275 809004
108132 264867   215823 528655   332235 813805
110092 269668   217783 533456   338996 830366
112052 274469   224544 550017   342916 839968
118813 291030   226504 554818   349677 856529
120773 295831   233265 571379   351637 861330
127534 312392   235225 576180   358398 877891
129494 317193   237185 580981   360358 882692
131454 321994   243946 597542   362318 887493
138215 338555   245906 602343   369079 904054
140175 343356   252667 618904   371039 908855
146936 359917   254627 623705   379760 930217
148896 364718   256587 628506   388481 951579
150856 369519   263348 645067   390441 956380
157617 386080   265308 649868   397202 972941
159577 390881   272069 666429   399162 977742
166338 407442   282750 692592   405923 994303
168298 412243   284710 697393   407883 999104
170258 417044   293431 718755      

 使用した表計算ソフト Excel の マクロは下記の通り。

Sub 平方根()
Dim m, a As Integer
Dim n As String
Dim r, nn As Single
Range("a2").Select
For m = 1 To 1000000
With ActiveCell
.Select
n = "=(3+sqrt(" & 3 + 6 * m * m & ")" & ")/6"
ActiveCell.Formula = n
nn = ActiveCell.Value
.Offset(0, 1).Value = m
r = nn - Int(nn)
If r > -1E-30 And r < 1E-30 Then
.Offset(1, 0).Select
Else
.Offset(0, 0).Select
End If
End With
Next m
End Sub


 Excel を起動し、[ツール]−[マクロ]−[Visual Basic Editor] とクリックして、Editor
を起動し、[挿入]−[標準モジュール] を選択して、上記を記述して、実行してみてください。

 最初、6n2−6n+1 の平方根で検出しようとしたら、Excelがすぐオーバーフローしてしま
い、n=45の解までしか求めることができなかった。上記はオーバーフローがない形に改良
したものである。

 実行してみると分かるが、無駄な計算結果が非常に多かった。また、制御が上手くいかず
もしかしたら解でない場合も上記に入っているかもしれない。どなたかに、検証をお願いした
いところです。

(追記) らすかるさんが早速検証された結果、上記の表は「かなり違う!」とのことである。
    例えば、 6n2−6n+1=m2 から、mは奇数でなければならないが、上記の表に
    は偶数の場合も含まれており、明らかに間違いである。

 上記の表の中の赤字の部分が正しい解となりうるものである。

 らすかるさんの検証によれば、mの値が100万までのうち解となるものは、6通りしかなく、
mの値を1億程度までにひろげても、解となるものは、わずか9通りしかないそうである。
この検証に要した時間は、わずか2秒とのこと。(スゴイ...!)

1 1
5 11
45 109
441 1079
4361 10681
43165 105731
427285 1046629
4229681 10360559
41869521 102558961

 らすかるさんからの情報によれば、数列サイト「オンライン整数列大辞典」に既に登録され
ているそうである。
              n の数列     m の数列


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