・手計算2023                            GAI 氏

 (1) x、y は整数で、 x^3 - 8*x^2*y - 2*x*y^2 + 7*y^3 = 2023 を満たすという。
   (x,y) の組合わせは何でしょう?

同じく

(2) x^4 - 9*x^3*y - 9*x^2*y^2 - 4*x*y^3 - 7*y^4 = 2023 では?


(コメント) (1) について、手計算に挑戦しました。

 2023=7×17×17 で 与式の左辺は、(x+y)(x^2−9xy+7y^2) と因数分解され
るので、

 x+y=±1 のときは整数解は存在しない。

 x+y=7 のとき、

 x^2−9xy+7y^2=289 より、 17x^2−161x+54=0 は整数解を持たない。

 x+y=−7 のとき、

 x^2−9xy+7y^2=−289 より、 17x^2+161x+632=0 は整数解を持たない。

 x+y=17 のとき、

 x^2−9xy+7y^2=119 より、 x^2−23x+112=0

 (x−7)(x−16)=0 より、 x=7、16

 よって、 (x,y)=(7,10)、(16,1)

 x+y=−17 のとき、

 x^2−9xy+7y^2=−119 より、 x^2+23x+126=0

 (x+9)(x+14)=0 より、 x=−9、−14

 よって、 (x,y)=(−9,−8)、(−14,−3)

 x+y=119 のとき、

 x^2−9xy+7y^2=17 より、 x^2−161x+5830=0

 (x−55)(x−106)=0 より、 x=55、106

 よって、 (x,y)=(55,64)、(106,13)

 x+y=−119 のとき、

 x^2−9xy+7y^2=−17 より、 x^2−161x+5832=0

 これは、整数解を持たない。

 x+y=±2023 のときも整数解は存在しない。

 以上から、

 (x,y)=(7,10)、(16,1)、(−9,−8)、(−14,−3)、(55,64)、(106,13)


 らすかるさんからのコメントです。(令和5年1月12日付け)

  (1)で解を一つだけ見つけました。

 x^3-8x^2y-2xy^2+7y^3=2023 より、 (x+y)(x^2-9xy+7y^2)=2023

 x^2-9xy+7y^2=±1,±7,±17,±119,±289,±2023

 4(x^2-9xy+7y^2)=±4,±28,±68,±476,±1156,±8092

 (2x-9y)^2-53y^2=±4,±28,±68,±476,±1156,±8092

 元の式から、x、y の偶奇は異なる

y=2mのとき、 (2x-18m)^2-4・53m^2=±4,±28,±68,±476,±1156,±8092

 (x-9m)^2-53m^2=±1,±7,±17,±119,±289,±2023

 m=1のとき、右辺の値に1,7,17,119,289,2023,-1,-7,-17,-119,-289,-2023を足すと
(ただし負になるものを除く)

 54,60,70,172,242,2076,52,46,36

 平方数は36のみで、このとき、(x,y)=(-15,-2)とすれば、

 「x+yが2023の約数」「与式が正」を満たすが、このとき(与式)=289となり不適

同様に、

 m=2のとき、213,219,229,331,501,2235,211,205,195,93 だが平方数がなく不適

 m=3のとき、478,484,494,596,766,2500,476,470,460,358,188で、平方数は、2500

 しかし、算出される(x,y)=(5,6),(49,6)はいずれもx+yが2023の約数にならず不可

 m=4のとき、849,855,865,967,1137,2871,847,841,831,729,559で、平方数は、841と729

 841のときは不適だが、729のとき、(x,y)=(9,8)ならば、x+y=17 、x^2-9xy+7y^2=-119

 これだと-2023になるから、(x,y)=(-9,-8) とすれば、2023が得られる。

ただし他に解があるかどうかは不明。

 (2)も解を見つけました。

 x^4-9x^3y-9x^2y^2-4xy^3-7y^4=(x+y)(x^3-10x^2y+xy^2-5y^3)-2y^4=2023

 yが小さい値であることを期待して、順に代入して調べると、

y=1のとき、 (x+1)(x^3-10x^2+x-5)=2025=3^4×5^2

 x+1は2025の約数なので、x=…,-10,-6,-4,-2,2,4,8,14,… (∵x=0は不適)

  2≦x≦8のとき、x^3-10x^2+x-5=(x-2)(x-8)x-15(x-2)-35<0 となり不適

  x≧14のとき、(x+1)(x^3-10x^2+x-5)=15×{(x-10)(x^2+1)+5}≧15×(4×197+5)>2025 と
 なり不適

  x≦-6のとき、(x+1)(x^3-10x^2+x-5)≧5×(216+360+6+5)>2025 となり不適

  -4≦x≦-2のとき、(x+1)(x^3-10x^2+x-5)≦3×(64+160+4+5)<2025 となり不適

y=2のとき、 (x+2)(x^3-20x^2+4x-40)=2055=3×5×137

 x+2は2055の約数なので、x=-139,-17,-7,-5,-3,-1,1,3,13,135,…

  1≦x≦13のとき、x^3-20x^2+4x-40=(x-1)(x-19)x-15(x-1)-55<0 となり不適

  x≧135のとき、(x+2)(x^3-20x^2+4x-40)=137×{(x-135)(x^2+4)+115x^2+500}>2055 と
 なり不適

  x≦-7のとき、(x+2)(x^3-20x^2+4x-40)≧5×(343+980+28+40)>2055 となり不適

  x=-5のとき、(x+2)(x^3-20x^2+4x-40)≧3×(125+500+20+40)=2055 となり、(x,y)=(-5,2)
 は解の一つ

 x、yの符号を反転したものも解となるので、(x,y)=(5,-2)も解

 以上により、(x,y)=(-5,2)、(5,-2)は解。ただし他に解があるかどうか不明。


 GAI さんからのコメントです。(令和5年1月13日付け)

 3次以上の斉次多項式となっているので、PARIのコマンドにThue 方程式の解を求めるコ
マンドに、

 P(x,y)=x^3+a*x^2*y+b*x*y^2+c*y^3=t

を満たす整数(x,y)が

 th=thueinit(x^3+a*x^2+b*x+c);

と準備して、thue(th,t) で尋ねれば、その(x,y)を返してくれる。

 そこで、遊びで、t=2023に因んで多くの解を持ち得る3次関数を a、b、c のパラメータを変
えながら調査したら、(a,b,c)=(-8,-2,7) で 6通りの解が存在していた。

 こんなものを手作業で発見できるのかと訝りながら出題した次第でした。

 このうちの2組を見事手作業で出してあり、驚きの一言です。

 ペル方程式なら解は無限個なのに対し、3次以上の斉次方程式は有限個に限られるの
も面白いものです。

 (2)の方は後2組(ただし符号の入れ替えによるものです。)<数値は10以内>



  以下、工事中!



              投稿一覧に戻る