・ 濃度について S.H氏
最近の新聞の記事によると、「科学的にありえない状況設定」の入試問題が多いという。
例えば、食塩は水100g に35.9g しか溶けない(濃度は、約26.4%くらい)のに、30
%とか40%とかの食塩水の設定で問題がつくられているという。(もちろん、温度、気圧に
よって、溶解量は変化するのだが...。)
(食塩の溶解量に誤りがありました!(修正済み)・・・HN「暇人13世」さんからご教示いただきました。謝謝!)
これは、問題を作る側への一つの警鐘だろう。
濃度の問題は、入試問題以外でも就職試験でも頻出の分野である。多分、そこで出題者
が考えることは、計算規則が分かっているかを確認したいということであり、いたずらに計算
を複雑にしないで、出来るだけ数値は計算しやすいものにしようということである。
今後、食塩の濃度の問題を作るときは、上限が、26.4%ということになるのだろう。
問題を作る上で参考になりそうなトピックスをいくつかあげておこう。
生理食塩水の濃度は、0.9%で、これは大古の海の食塩の濃度といわれる。
人間は、0.1%くらいから、塩辛さを感じ始め、1%程度が健康面でも美味しさの基準という。
卵が新鮮なものか古いものかについても食塩水が用いられる。
濃度が11%位の食塩水に沈む卵は新鮮である。逆に、濃度が8%位の食塩水に沈み、濃
度がそれ以上だと浮いてしまう卵は古い。
ヨルダンとイスラエルの国境をなす死海は、沈まない海として有名である。通常の海水の
7倍から10倍の濃度があるらしい。立ったまま、水中を歩くことができるそうだ。