・灯りを点す S.H氏
我が家の1階の居住空間は コ の字型で、何ヶ所かに電灯を設置しているが、理論的に
は2ヶ所で十分なはずである。もし、 L 字型だったら、(多少の暗さは我慢して)1ヶ所で足
りる。
しかし、次のような空間(ロ の字型)だと、1個の電灯をどこにつけても必ず暗闇の部分
ができてしまう。
このような場合は全ての壁という壁を、総鏡張りにしてしまうと解決できそうである。何や
ら江戸川乱歩の探偵小説にでも出てきそうな場面設定であるが...。
壁を総鏡張りにすると、光の反射により、いろいろな所に光源があることになるので、暗
闇の部分は一掃される。
この手法を用いると、どんな空間(もちろんその空間はひとつのオープンスペースとする)
でも、電灯1個で十分そうにみえる。
ところが、世の中には壁を総鏡張りにしても、電灯1個では全ての空間を照らせない場合
があるらしい。それって、どんな空間なのだろう?
DD++さんからのコメントです。(平成28年10月15日付け)
以下のような部屋が、総鏡張りなのに光源1つでは照らせない部屋の例になると思います。
外周 半楕円 C1: x2/9 + (y-2)2/8 = 1 の y≧2 部分、2線分: x=±3 の -2≦y≦2 部分
半楕円 C2: x2/9 + (y+2)2/8 = 1 の y≦-2 部分
柱 以下の12点を結ぶ「H」みたいな形の12角形ABCDEFGHIJKL
A(-2,2), B(-1,2), C(-1,1), D(1,1), E(1,2), F(2,2), G(2,-2),
H(1,-2), I(1,-1), J(-1,-1), K(-1,-2), L(-2,-2)
柱の角BとEは半楕円C1の焦点です。つまり、Bから半楕円周上に向けて出た光は全て半
楕円で反射してEに、Eから半楕円周上に向けて出た光は全て半楕円で反射してBにたどり
着きます。
よって、線分BE上から出た光が半楕円周上の点Pにぶつかったとすると、BまたはEから出
てPにぶつかる光より入射角が小さいので、反射角もそれより小さく、反射後は線分BE上に
戻ってきます。
したがって、柱の窪みBCDE 内に光源がある場合、照らせるのは窪み BCDE 内と半楕円
C1内だけです。
逆に、柱の窪みBCDE 内を照らせるのは、光源が窪み BCDE 内か半楕円C1内にある場
合だけです。これは窪み HIJK と半楕円C2についても同じことが言えます。
よって、窪み BCDE 内と窪み HIJK 内の両方を同時に照らすことは、光源をどこに置いて
も不可能です。