・奇偶のバランス                           GAI 氏

 異なる正の整数 a、b (a<b) を準備する。これから、次の規則で、次々と数列を構成して
いくものとする。

 a が第1項、b が第2項、a+b が第3項、

 第4項は、それまで構成した2つの数でただ一通りの和で作られる第3項を越える最小の
整数とする。

 第5項は、それまで構成した2つの数でただ一通りの和で作られる第4項を越える最小の
整数とする。

 以下同様にしていくものとする。

<例> a=1、b=2 なら、その列 U(a,b) は、 1,2,3,4,6,8,11,13,16,・・・

なぜなら、第3項は、 1+2=3

 第4項は、 1,2,3 の2数で第3項を超える最小の数なので、 4=1+3

 第5項は、 1,2,3,4 の2数で第4項を超える最小の数で、
       ただ一通りの和で作られるは、 6=2+4

 第6項は、 1,2,3,4,6 の2数で第5項を超える最小の数で、
       ただ一通りの和で作られるのは、 8=2+6

 第7項は、 1,2,3,4,6,8 の2数で第6項を超える最小の数で、
       ただ一通りの和で作られるのは、 11=3+8

 第8項は、 1,2,3,4,6,8,11 の2数で第7項を超える最小の数で、
       ただ一通りの和で作られるのは、 13=2+11
   ・・・・

 以上から、 U(a,b) : 1,2,3,4,6,8,11,13,・・・  (→ 参考:「A002858」)

 そこで、U(2,3)の列を1000個並べたとすると、この中に偶数は何個含まれることになるで
しょう?

 また、U(2,5)ではどうなるか?


(コメント) U(2,3) : 2,3,5,7,8,9,13,14,18,・・・ で、何となく奇数が若干多そうな気がする。
(→ 参考:「A001857」によれば、1000項までのうちに偶数は492個あるそうです。もっとも
   10000項までのうちに偶数は5034個あるので、偶数・奇数はほとんど同数と言った
   方が正確かもしれない。)

 U(2,5) : 2,5,7,9,11,12,13,15,19,・・・ (→ 参考:「A007300」) となるので、1000項までの
うちに偶数が何個あるかを数えると、わずかに2個!残り998個は奇数というのは凄いで
すね。


 GAI さんからのコメントです。(令和4年7月10日付け)

 U(2,3)に関しては、1000個中、偶数は492個(約半数)が発生しますが、これが、U(2,5)にな
ると、1000個中僅かに 2、12 のみの2個しか発生しないのですが、実は、この先どこまで進
んでも、この2個しか現れないという。

 しかも、U(2,3)に関しては、何ら規則が見当たらないが、U(2,5)に関しては、これで発生す
る数列を {a(n)} (n=1,2,3,・・・) で表すと、(→ 参考:「A007300」)

  a(n+32)-a(n)=126 (n=7,8,9,・・・)

の関係式が生まれてくるという。

同じく、U(2,7)では、 a(n+26)-a(n)=126 (n=8,9,10,・・・・)

U(2,9)では、 a(n+444)-a(n)=1778 (n=9,10,11,・・・・)

U(2,11)では、 a(n+1628)-a(n)=6510 (n=10,11,12,・・・・)

U(2,13)では、 a(n+5906)-a(n)=23622 (n=11,12,13,・・・・)

U(2,15)では、 a(n+80)-a(n)=510 (n=12,13,14,・・・・)

   ・・・・・・・・・・

 以下、「A100729」、「A100730」等参照

 この様に、一般に、U(2,2*n+1)型での数列発生からは、n=1では奇数、偶数が大体平等に
発生するも、n≧2では、偶数は僅かに2個のみしか現れず、しかも、2個目の偶数発生から
以降での数列では、その階差は長いスパンで一定の規則で繰り返す現象になるという。

 ルールは同じでも、初期値の設定条件でこんなにもその後の数の発生が異なってくること
にビックリしました。OEISのサイトでのリンクを辿って行ってみて思ったことでした。

 何方か、U(4,4*n+1) (n=1,2,3,・・・) での数列{a(n)}について、上記「A100729」、「A100730
に相当する数列を計算してもらえないですか?

 多分、これは、OEISには掲載されていないと思います。(一応、n=1〜5では調べてみました
が・・・・)


 らすかるさんからのコメントです。(令和4年7月10日付け)

 とりあえず50個

U(4,5): a[n+32]-a[n]=192 (n≧10)
U(4,9): a[n+88]-a[n]=640 (n≧14)
U(4,13): a[n+104]-a[n]=896 (n≧17)
U(4,17): a[n+248]-a[n]=2304 (n≧21)
U(4,21): a[n+280]-a[n]=2816 (n≧24)
U(4,25): a[n+304]-a[n]=3328 (n≧28)
U(4,29): a[n+320]-a[n]=3840 (n≧31)
U(4,33): a[n+712]-a[n]=8704 (n≧35)
U(4,37): a[n+776]-a[n]=9728 (n≧38)
U(4,41): a[n+824]-a[n]=10752 (n≧42)
U(4,45): a[n+856]-a[n]=11776 (n≧45)
U(4,49): a[n+896]-a[n]=12800 (n≧49)
U(4,53): a[n+928]-a[n]=13824 (n≧52)
U(4,57): a[n+952]-a[n]=14848 (n≧56)
U(4,61): a[n+968]-a[n]=15872 (n≧59)
U(4,65): a[n+2072]-a[n]=33792 (n≧63)
U(4,69): a[n+2200]-a[n]=35840 (n≧66)
U(4,73): a[n+2296]-a[n]=37888 (n≧70)
U(4,77): a[n+2360]-a[n]=39936 (n≧73)
U(4,81): a[n+2440]-a[n]=41984 (n≧77)
U(4,85): a[n+2504]-a[n]=44032 (n≧80)
U(4,89): a[n+2552]-a[n]=46080 (n≧84)
U(4,93): a[n+2584]-a[n]=48128 (n≧87)
U(4,97): a[n+2656]-a[n]=50176 (n≧91)
U(4,101): a[n+2720]-a[n]=52224 (n≧94)
U(4,105): a[n+2768]-a[n]=54272 (n≧98)
U(4,109): a[n+2800]-a[n]=56320 (n≧101)
U(4,113): a[n+2840]-a[n]=58368 (n≧105)
U(4,117): a[n+2872]-a[n]=60416 (n≧108)
U(4,121): a[n+2896]-a[n]=62464 (n≧112)
U(4,125): a[n+2912]-a[n]=64512 (n≧115)
U(4,129): a[n+6088]-a[n]=133120 (n≧119)
U(4,133): a[n+6344]-a[n]=137216 (n≧122)
U(4,137): a[n+6536]-a[n]=141312 (n≧126)
U(4,141): a[n+6664]-a[n]=145408 (n≧129)
U(4,145): a[n+6824]-a[n]=149504 (n≧133)
U(4,149): a[n+6952]-a[n]=153600 (n≧136)
U(4,153): a[n+7048]-a[n]=157696 (n≧140)
U(4,157): a[n+7112]-a[n]=161792 (n≧143)
U(4,161): a[n+7256]-a[n]=165888 (n≧147)
U(4,165): a[n+7384]-a[n]=169984 (n≧150)
U(4,169): a[n+7480]-a[n]=174080 (n≧154)
U(4,173): a[n+7544]-a[n]=178176 (n≧157)
U(4,177): a[n+7624]-a[n]=182272 (n≧161)
U(4,181): a[n+7688]-a[n]=186368 (n≧164)
U(4,185): a[n+7736]-a[n]=190464 (n≧168)
U(4,189): a[n+7768]-a[n]=194560 (n≧171)
U(4,193): a[n+7904]-a[n]=198656 (n≧175)
U(4,197): a[n+8032]-a[n]=202752 (n≧178)
U(4,201): a[n+8128]-a[n]=206848 (n≧182)


 GAI さんからのコメントです。(令和4年7月11日付け)

 私が5個分の結果を知るために行った作業時間は多分2時間以上。これに対し、らすかる
さんは、50個分の結果(数が大きくなるとそれだけ時間はかかると思うが・・・)を難なく(最後
のスパンは8128というと長さまで)示されていた。

 これで、私の2時間の作業も無駄ではなかった事が確認できてよかったです。この結果は、
是非OEISへ登録してください。

 このサイクル探しをプログラム的にやろうと試みていたのですが、どうしてもアルゴリズム
が難しく、その作業はほとんど手作業状態でした。


 らすかるさんからのコメントです。(令和4年7月11日付け)

 (数が大きくなるとそれだけ時間はかかると思うが・・・)

 そうですね。U(4,201)は、3秒程ですが、U(4,401)になると、1分程かかります。
(U(4,5)〜U(4,201)全部では50秒程)

 因みに、U(4,401)は、a[n+24320]-a[n]=823296 (n≧357) です。

 このサイクル探しをプログラム的にやろうと試みていたのですが、どうしてもアルゴリズム
が難しく、その作業はほとんど手作業状態でした。


 サイクル探しは少し悩みましたが、うまい方法を思いつきました。

 a[3],a[4],a[5],…を順次求めていくと同時に、1つ前との差分(a[3]-a[2],a[4]-a[3],a[5]-a[4],…)
を計算します。

 そして、「今までの差分と比較して最大かどうか」(最大の更新時だけでなく最大値との一
致も含む)を調べて、最大値の場合は「今までの最大値」を更新する(変わらない場合もある)
とともに、そのときのインデックス(a[n]-a[n-1]のn)を記憶します。

 そのうえで、「前回記憶したインデックスとの差」を覚えておき、この差が同じ値で連続して
何回か(例えば5回)続いたら、それを仮に周期とします。

 そして、今まで求めた数列に対して、a[n+k]-a[n]=d がしばらく一定で続いているかどうか
をうしろから順に調べて、OKならばそれが周期に確定します。

 この方法では、もし一周期の中に差分が最大値になるものが複数個あると周期が正しく
求まらないという問題はありますが、とりあえず、U(4,201)まででそのような問題は発生しま
せんでした。

 この結果は是非OEISへ登録してください。

 英語が苦手で登録には一苦労しますので、もしよろしければ、GAIさんの方で(GAIさんの
名前で)登録して頂ければと思います。



  以下、工事中!



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