・損得計算                             S.H 氏

 日常生活を営む上で、知っていると便利でお得なことがたくさんある。

 あるバス会社は、「バス優待券」なるものを発行していて、どんな路線も、1回当たり100
円で乗車することができる。何でも外出支援支援策の一環で、2001年より発売されている
ものらしい。

 例えば、390円区間は、100円で乗ることが出来て、丸々290円得することになる。

 但し、バス会社もしたたかで、「バス優待券」を乗車賃の100円とは別に購入しなければ
ならない。

・3ヶ月券・・・3500円(1ヶ月当たり、1167円)
・6ヶ月券・・・5900円(1ヶ月当たり、983円)
・1年券・・・10800円(1ヶ月当たり、900円)

 よく利用するのは、350円区間と210円区間なので、何回乗れば元が取れるのか計算し
てみた。「バス優待券」は、率の悪い3ヶ月券を想定した。

○350円区間の場合

 3ヶ月で n 回乗車して得するためには、次の不等式を満たさなければならない。

   3500+100n<350n

 これを解いて、 n>14 なので、3ヶ月で 15 回乗車すれば元が取れる。これは、1ヶ月
当たりで見れば、毎月5回となる。かなりお得な雰囲気。

○210円区間の場合

 3ヶ月で n 回乗車して得するためには、次の不等式を満たさなければならない。

   3500+100n<210n

 これを解いて、 n>31.8 なので、3ヶ月で 32 回も乗車しないと元が取れない。これは、
1ヶ月当たりで見れば、毎月11回となる。それほどお得感はないかな?


(追記) 令和4年2月25日付け

 最近、キャッシュレス化が進み、買い物をすると、よく「○○%ポイント還元」という言葉を耳
にする。以前だと、現金払いで「○割引き」というのが普通だった。果たして、「10%ポイント
還元」と「10%引き」は同じ意味なのだろうか?

 例えば、1000円の買い物をして、「10%ポイント還元」ということは、次回の買い物で、
100円がサービスされるということだ。これは、言い換えると、1100円の買い物をした場合
に、1000円を払えばよいことを意味する。そうして、ようやく100円を得ることができるとい
うわけだ。換言すれば、1000円の買い物をするときに、払うべき金額は、

 1000×(1000/1100)=909.090909・・・

となり、1000−909.090909・・・=90.90909・・・ から、およそ91円しか割引になっ
ていない。これは明らかに、確実に100円引かれる「10%引き」よりも損である。

 したがって、「10%ポイント還元」のお得率は、 (100/1100)×100=9(%) にしかな
らない。実は、10%というのはまやかしなわけだ。

 これに対して、「10%引き」だと、支払う金額は900円で1000円のものが買えるというこ
とで、お得率は、確実に (100/1000)×100=10(%) となっている。


(追記) 令和5年11月26日付け

 よくスーパーなどで、まとめ売りという方法がある。

 例えば、6個410円の柿と8個550円の柿があった場合に、どちらがお得なんだろう?

 普通は、割り算で、410÷6=68.3(円)、550÷8=68.75(円) と1個当たりの値

段を計算し、6個410円の方がお得であることが分かるが、電卓がないと、暗算で割り算を

するのは辛い。

 こんなとき、逆に、掛け算を用いた方が楽な時もある。

 410×8=3280(円) と 550×6=3300(円) から、6個410円の方がお得である

ことが分かる。

 原理は単純で、 410×8<550×6 から、 410÷6<550÷8 だからである。

 読者のために、練習問題を残しておこう。

練習問題  4個510円の柿と6個770円の柿でどちらがお得なんだろう?

(解) 510×6=3060 、770×4=3080 から、 510×6<770×4

 よって、4個510円の柿のほうがお得である。  (終)



  以下、工事中!


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