Wieferich primes が、2^(p-1)≡1 (mod p^2) を満たす素数であるのに対し、
3^(p-1)≡1 (mod p^2)
を満たす素数 p を Mirimanoff primes といい、「A014127」に p=11、1006003 が載せられて
いる。
一般に、自然数 n に対しても、n^(p-1)≡1 (mod p^2) を満たす p が調査されており、
「A039951」などに結果が示されている。
ここに、ベルギーの数学者 Eugène Charles Catalan が、1844年に「クレレ」誌に、
自然数 a、b、m、n ≧2 に対し、a^m-b^n=1 を満たすものは、3^2-2^3=1 のただ一組であ
ろうか?
と問題提起していたが、
これに対し、ルーマニアの数学者プレダ・ミハイレスク(Preda Mihăilescu)が、160年後の
2004年に完全解決の証明を「クレレ」誌に出した。それは、
奇素数 {p,q} の組が、p^(q-1)≡1 (mod q^2) かつ q^(p-1)≡1 (mod p^2) を満たすもので
あれば(Double Wieferich Prime Pairと呼ばれる。)、この条件を満たす {p,q} の組は、
{p,q}={2,1093},{3,1006003},{5,1645333507},{5,188748146801},{83,4871},{911,318917},{2903,18787}
(→ 「A124121」、「A124122」)
が見つかっており、ここに、x^p-y^q=±1 (p,q≧3) の不定方程式には、{p,q}の組が上記の
ものであれば、nontrivial solution in integer x,y が存在することを示すとある。
そこで、x^83-y^4871=1 または x^83-y^4871=-1 なる整数解を求めて挑戦していたんです
が、(x,y)=(1,0) ,(0,1) のほんとにtrivial な解しか見つけられず、どこまで範囲を広げて調べれ
ばいいんだろう?の疑問しか残りませんでした。どなたかの挑戦を願う。
らすかるさんからのコメントです。(令和3年11月23日付け)
何かが違う気がしますが…、「Catalan's conjecture」によると、「自然数の累乗数で、隣り
合うものは2^3と3^2しかない」と書かれています。
よって、x^83-y^4871=±1 の自然数解は存在しないのではないでしょうか。
(もし存在するなら、ABC予想も否定されてしまうような気がします。)
GAI さんからのコメントです。(令和3年11月23日付け)
「Double Wieferich Prime Pair」の記事を見て、てっきりその様に解釈してしまっていました。
英語の読み取り力の無さを痛感します。
GAI さんからのコメントです。(令和3年11月24日付け)
凄い量の数学的記事を発表されている方で、記事:
【3】ミハイレスクの定理(2002年)
オイラー以後、カタラン予想の一般的な証明は多くの数学者たちの挑戦を退けてきたので
すが、2002年、ルーマニアの数学者 ミハイレスクがすべてを解決しました。
ミハイレスクは、
「カタラン方程式x^p-y^q=1が非自明解をもつためには(p,q)がヴィーフェリッヒ対でな
ければならない」
すなわち、3^2-2^3=1以外の解が存在するならば、p、qはどちらもヴィーフェリッヒ素数
の2倍、したがって、p^(q-1)をq^2で割ると余りが1、q^(p-1)をp^2で割ると余りが1 になら
なければならないことを証明しました.
(p,q)がヴィーフェリッヒ対でなければならないこと、そして、ミハイレスクはクンマーがフェ
ルマー予想の証明の試みの中での発展させた「円分体の理論」を利用して、1のn次複素根
を使った巧みな証明によって、158年間進展の見られなかったこの問題の最後の穴をふさ
ぐことができたのです。
を読んで感じたのは、
「カタラン方程式x^p-y^q=1が非自明解をもつためには(p,q)がヴィーフェリッヒ対でなけ
ればならない」
の様に、(p,q) の値の取り方は、
(p,q)=(2,1093)、(3,1006003)、(5,1645333507)、(83,4871)、・・・
で縛る必要があるが、この(p,q)での解をいくら探しても存在できないのだから、3^2-2^3=1 で
ある以外、x^p-y^q=1形の非自明な自然数解(x,y)は存在できないのだ。
という認識でいいのですか?
らすかるさんからのコメントです。(令和3年11月24日付け)
この(p,q)での解をいくら探しても存在できないのだから、3^2-2^3=1 である以外、
x^p-y^q=1形の非自明な自然数解(x,y)は存在できないのだ。
ここは、ちょっと違うと思います。「いくら探しても」は非数学的ですね。
「プレダ・ミハイレスクが2002年に隣接累乗数が2^3と3^2だけであることを証明したから、
x^p-y^q=1の非自明な自然数解は存在しない」
少し違う言い方をすれば、
「x^p-y^q=1が非自明解をもつ」⇒「(p,q)はヴィーフェリッヒ対」
は証明されていたが、その後の証明により、x^p-y^q=1 が(2^3と3^2以外に)非自明解を持
つことはなかった(ので、少なくとも逆が成り立たないことがわかった)ということですね。
Dengan kesaktian Indukmu さんからのコメントです。(令和3年11月24日付け)
ミハイレスクさんによるカタラン予想についての証明の本文を眺めましたが、当然のことな
がら、私なぞには全く理解不能でした。ただ、その証明に Wieferich という文字列が無い、と
いうことだけはわかりました。
■命題(カルタン予想における不定方程式)
x^p-y^q=1 で、 x と y との少なくともひとつが素数であるという条件を更につけたときには、
非自明解が存在しない。
上の命題の初等的な証明…が 2002 年の灘校数学研究部の部誌に登場していることに
気がつきました。 著者は、矢野 厚 氏で、当時は中学三年生であったものと思われます。
※私は当該の証明を追っていませんけれども、興味深く思いましたのでご案内申し上げます。↓
(→ 矢野 厚 著 「カタラン予想について」)
以下、工事中!