特殊な造りの監獄があり、見分けのつかない3つの扉がついている。
・扉Aは、「すぐに外へ出られる」
・扉Bは、「1年の間、この監獄から出られない」
・扉Cは、「3年の間、この監獄から出られない」
中にいる囚人は、このうちの一つの扉をその都度選択していけるものとする。
従って、
即座に解放される-->[A]
1年で解放される-->[B,A]
2年で解放される-->[B,B,A]
3年で解放される-->[B,B,B,A],[C,A]
4年で解放される-->[B,B,B,B,A],[B,C,A],[C,B,A]
・・・・・・・
という扉の選択がなされたということになる。
そこで、この囚人が監獄から解放される年数の期待値が知りたい。
なお、毎回、扉の役割はその都度変更され、どれがどの役割であるのかは分からないも
のとする。
りらひいさんからのコメントです。(令和3年10月8日付け)
GAIさん、4年でしょうか?
以下では、
確率 1-p-q で、「すぐに外へ出られる」
確率 p で、「a年の間、この監獄から出られない」
確率 q で、「b年の間、この監獄から出られない」
として解いて、最後に、a=1、b=3、p=q=1/3 を代入しようと思います。
解法@ 求める期待値を E 年とする。
E = 0*(1-p-q) + (a+E)*p + (b+E)*q
を解くと、 E = (ap+bq)/(1-p-q) となる。
p=q=1/3 ならば、E = a+b であり、a=1、b=3 を代入すると、答えは 4 年。
解法A (極限の取り扱いがおおざっぱで正確性に欠けていますけど……)
求める期待値を E 年とする。
E = Σ[i=0〜∞]Σ[j=0〜∞] (a*i+b*j)*(i+j)!/(i!*j!)*p^i*q^j*(1-p-q)
を計算すればよい。
E/(1-p-q) = Σ[i=0〜∞]Σ[j=0〜∞] (a*i+b*j)*(i+j)!/(i!*j!)*p^i*q^j …@
E*p/(1-p-q) = Σ[i=1〜∞]Σ[j=0〜∞] (a*(i-1)+b*j)*(i-1+j)!/((i-1)!*j!)*p^i*q^j …A
E*q/(1-p-q) = Σ[i=0〜∞]Σ[j=1〜∞] (a*i+b*(j-1))*(i+j-1)!/(i!*(j-1)!)*p^i*q^j …B
と書き換えて、@-A-Bより、
E = Σ[i=1〜∞] {a*i-a*(i-1)}*p^i + Σ[j=1〜∞] {b*j-b*(j-1)}*q^j
+ Σ[i=1〜∞]Σ[j=1〜∞] {(a*i+b*j)*(i+j)!/(i!*j!)-(a*(i-1)+b*j)*(i-1+j)!/((i-1)!*j!)
-(a*i+b*(j-1))*(i+j-1)!/(i!*(j-1)!)}*p^i*q^j
= Σ[i=1〜∞] a*p^i + Σ[j=1〜∞] b*q^j
+ Σ[i=1〜∞]Σ[j=1〜∞] {a*(i-1+j)!/((i-1)!*j!)+b*(i+j-1)!/(i!*(j-1)!)}*p^i*q^j
= Σ[i=0〜∞] a*p^(i+1) + Σ[j=0〜∞] b*q^(j+1)
+ Σ[i=0〜∞]Σ[j=1〜∞] a*(i+j)!/(i!*j!)*p^(i+1)*q^j + Σ[i=1〜∞]Σ[j=0〜∞] b*(i+j)!/(i!*j!)*p^i*q^(j+1)
= Σ[i=0〜∞]Σ[j=0〜∞] a*(i+j)!/(i!*j!)*p^(i+1)*q^j + Σ[i=0〜∞]Σ[j=0〜∞] b*(i+j)!/(i!*j!)*p^i*q^(j+1)
= (ap+bq) * Σ[i=0〜∞]Σ[j=0〜∞] (i+j)!/(i!*j!)*p^i*q^j
= (ap+bq) * Σ[k=0〜∞]Σ[h=0〜k] k!/(h!*(k-h)!)*p^h*q^(k-h)
= (ap+bq) * Σ[k=0〜∞] (p+q)^k
= (ap+bq) * 1/{1-(p+q)}
= (ap+bq)/(1-p-q)
となる。
p=q=1/3 ならば、E = a+b であり、a=1、b=3 を代入すると、答えは 4 年。
#@の計算は一瞬だったけど、Aの計算はてこずりました。
GAI さんからのコメントです。(令和3年10月8日付け)
りらひいさん、4年で正解です。
私も、基本的に、Aのやり方でフーフー言いながら出して、その後、@なる考え方ができ
るんだという解法をみて、何と自分は期待値とは何ぞやという本質を知らないんだと思いま
した。
このことから、悪魔のささやき
1/9の確率で、Aの役割をする扉を選ばせ、
3/9の確率で、Bの役割をする扉を選ばせ、
5/9の確率で、Cの役割をする扉を選ばせる
という悪魔が背後にいるとすれば、その時の監獄からの解放年数の期待値Eが、
E=1/9*0+3/9*(E+1)+5/9*(E+3)
の式を満たすとして、E=18(年)を求める手法が可能になるんですね。
DD++ さんからのコメントです。(令和3年10月8日付け)
方程式すら使わず、
1*3+3*5=18
で終わりだと思いますが、方程式を使いたい理由は何かあるのでしょうか?
GAI さんからのコメントです。(令和3年10月8日付け)
では、悪魔のささやき
1/30の確率で、Aの役割をする扉を選ばせ、
5/30の確率で、Bの役割をする扉を選ばせ、
24/30の確率で、Cの役割をする扉を選ばせる
という悪魔が背後にいるとすれば、その時の監獄からの解放年数の期待値Eは、
E=1*5+3*24=77
で良いということなんですか?
DD++ さんからのコメントです。(令和3年10月8日付け)
はい。期待値は、充分な回数繰り返した場合の平均値です。
例えば、これを 10000 回やったら、すなわち A を 10000 回引くまで繰り返したら、その間
に、B はその 5 倍の 50000 回くらい、C はその 24 倍の 240000 回くらい引くことになると思
いません?
A を 1 回引くまでに、B と C を引く回数の平均値は 5 回と 24 回に収束することは明らか
なはずです。
以下、工事中!