・正7角形と                   moonlight 氏

 一辺の長さが1の正七角形ABCDEFGを考えます。この正7角形の対角線BFとCGの交点
をPとすると、PD(PEも)の長さがとなるのですが、皆さんならどのように計算するでしょう
か?

 因みに、所謂、複素数平面で、z7=1の解を用いて計算すると楽なんですけど...。

     


 らすかるさんからのコメントです。(令和3年10月1日付け)

 三角関数で適当に計算してみました。

(補題) 7倍角の公式 : cos(7θ)=64(cosθ)^7-112(cosθ)^5+56(cosθ)^3-7cosθ から、

  64(cos(π/7))^7-112(cos(π/7))^5+56(cos(π/7))^3-7cos(π/7)=cosπ=-1

  64(cos(π/7))^7-112(cos(π/7))^5+56(cos(π/7))^3-7cos(π/7)+1=0

  {cos(π/7)+1}{8(cos(π/7))^3-4(cos(π/7))^2-4cos(π/7)+1}^2=0

 ここで、cos(π/7)+1≠0なので、 8(cos(π/7))^3-4(cos(π/7))^2-4cos(π/7)+1=0

  2{2cos(π/7)-1}{2(cos(π/7))^2-1}-1=0

  2{2cos(π/7)-1}cos(2π/7)-1=0

  4cos(π/7)cos(2π/7)-2cos(2π/7)-1=0

  2cos(π/7)+2cos(3π/7)-2cos(2π/7)-1=0 (∵積和)

 よって、 2{cos(π/7)+cos(3π/7)-cos(2π/7)}=1

(本題) 四角形ABPGが平行四辺形であることから、

 △BCPは、BC=BP=1である二等辺三角形で、∠BCP=∠BPC=2π/7

よって、CP=2cos(2π/7)

また、CD=1、∠PCD=3π/7 なので、余弦定理から、

 PD^2=CD^2+CP^2-2CD・CP・cos∠PCD

    =1+{2cos(2π/7)}^2-4cos(2π/7)・cos(3π/7)

    =1+2{1+cos(4π/7)}-2{cos(5π/7)+cos(π/7)}

    =3-2{cos(π/7)-cos(4π/7)+cos(5π/7)}

    =3-2{cos(π/7)+cos(3π/7)-cos(2π/7)}

    =2 (∵補題)

 よって、 PD=


 GAI さんからのコメントです。(令和3年10月1日付け)

 一辺が1である正7角形の外接円の半径をRとすれば、

  1=2*R^2-2*R^2*cos(2*Pi/7) から、 R=1/(2*sin(Pi/7))

 1:R=sqrt(tan(Pi/7)^2/(2*sin(3*Pi/7))^2+sin(Pi/7)/sin(3*Pi/7)+1):X から

 X={1/(2*sin(Pi/7))}*sqrt(tan(Pi/7)^2/(2*sin(3*Pi/7))^2+sin(Pi/7)/sin(3*Pi/7)+1)

 一応、上を数値計算

gp > 1/(2*sin(Pi/7))*sqrt(tan(Pi/7)^2/(2*sin(3*Pi/7))^2+sin(Pi/7)/sin(3*Pi/7)+1)
%22 = 1.4142135623730950488016887242096980786

 これの式が、sqrt(2)と同値であることは、思ってもいないですね。

gp > sqrt(2)
%23 = 1.4142135623730950488016887242096980786


 moonlight さんからのコメントです。(令和3年10月1日付け)

 7倍角の公式(?)ですか!これはまた愉し気。

 因みに、この話が取り交わされた界隈(出自も含めて)では、z7=1の虚数解がということら
しくて、z=e^{2pi/7*i}(つまり、複素数平面上で原点中心で(1,0)を頂点に持つ正7角形の頂点)
とすると、件の線分を、z+z^2+z^4 と表わすことができると。

 それで、a=z^+z^2+z^4 とすれば、a^2=(z+z^2+z^4)^2=・・・=(aの1次式) と変形できて、
aの2次方程式が得られ、それを解くことで、|a|が計算できて、それがなんとになって、
「どうなってるんだろう?」ってことで、生まれた「問題」というか「設問」のようです。
というサッパリした値になるということは何かあるのでは?って事でしょうか)

 高校の教科書に昔からある z^3=1 の虚数解ωの話の7乗版な楽しい話なのも興味を引く
点です。

 「初等幾何で解く」というのも一応解決はしているのですけど、7倍角の公式の話は出てき
ませんでした。有難く面白い。(矢張り広く訊いてみるものですよね。)

 それにしても、図を描いてみても思うのだけど、この長さがになるなら、「他にもそんな
ことが」あるのかもとか色々考えてみたくなります。


 GAI さんからのコメントです。(令和3年10月1日付け)

 らすかるさんの解法をみて、以前関連部分を調べたことを思い出しました。

 四角形ABPGが平行四辺形であることに着目して、P=cos(π/7)+cos(3π/7)-cos(2π/7)の
値 1/2 に帰着

 これを以前調べたことがあり、

cos(5π/7)=cos(π-2π/7)=-cos(2π/7)から、P=cos(π/7)+cos(3π/7)+cos(5π/7)に同じ

そこで、θ1=π/7、θ2=3π/7、θ3=5π/7 と置くと、

 4*θ1=π-3*θ1、4*θ2=π-3*θ2、4*θ3=π-3*θ3 より、

cos(4*θ1)=-cos(3*θ1) 、cos(4*θ2)=-cos(3*θ2) 、cos(4*θ3)=-cos(3*θ3)

即ち、どれも cos(4*θ)=-cos(3*θ) を満たす。

 4倍角と3倍角の式から、 8*cos^4(θ)-8*cos^2(θ)+1=-(4*cos^3(θ)-3*cos(θ))

 X=cos(θ) と置けば、 8*X^4+4*X^3-8*X^2-3*X+1=0

 (X+1)*(8*X^3-4*X^2-4*X+1)=0

 従って、 cos(π/7)、cos(3π/7)、cos(5π/7)は、8*X^3-4*X^2-4*X+1=0 の3根から、

根と係数の関係より、

 cos(π/7)+cos(3π/7)+cos(5π/7)=cos(π/7)+cos(3π/7)-cos(2π/7)=-(-4)/8=1/2


 なお、この関係式は、

cos(π/9)+cos(3*π/9)+cos(5*π/9)+cos(7*π/9)=1/2

<=> cos(2*π/9)+cos(4*π/9)+cos(6*π/9)+cos(8*π/9)=-1/2

<=> cos(π/9)-cos(2*π/9)+cos(3*π/9)-cos(4*π/9)=1/2

cos(π/11)+cos(3*π/11)+cos(5*π/11)+cos(7*π/11)+cos(9*π/11)=1/2

<=> cos(π/11)-cos(2*π/11)+cos(3*π/11)-cos(4*π/11)+cos(5*π/11)=1/2

cos(π/13)+cos(3*π/13)+cos(5*π/13)+cos(7*π/13)+cos(9*π/13)+cos(11*π/13)=1/2

以下同様。

などにも広がっていくという。


 りらひいさんからのコメントです。(令和3年10月2日付け)

 一辺の長さが1の正十五角形 ABCDEFGHIJKLMNO を考えます。この正十五角形の対角
線EIとHLの交点をPとすると、線分PG(およびPJ)の長さがとなるのですが、皆さんなら、
どのように計算するでしょうか?

 私は、数値計算で見つけて、比・三角関数・余弦定理などを使って確かめました。

     


 らすかるさんからのコメントです。(令和3年10月2日付け)

 とりあえず普通に解いてみると、

 GH=HI=1、∠GHP=120°、∠PHI=∠PIH=36°である四角形GHIPでGPを求めよ

という問題なので、

 PH=1/(2cos36°)=(-1)/2 より、

 PG^2=GH^2+PH^2-2GH・PH・cos120°=1+{(-1)/2}^2+(-1)/2=2 から、PG=


(コメント) らすかるさん、鮮やかですね!

 上図の正15角形を作図しているときに、一つの弧に対する中心角が24°なので、その
円周角は12°から、弧が5つ繋がれば円周角は60°、弧が10個繋がれば円周角は120°
と綺麗な性質があるんですね!普段あまり接しない正15角形の美しい関係に触れることが
出来て感動しました。


 りらひいさんからのコメントです。(令和3年10月2日付け)

 やっぱり簡単にいけますね。なんかそこそこの計算をして確かめたけれど、7のような素数
ではなくて、素因数が単純な合成数の15=3*5なので、きっと単純なはずと思って質問しました。
ありがとうございました。


  以下、工事中!



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