・ ある数の性質 S.H氏
たとえば、数字の「1」と「2」から数「12」が作られるが、この「数字」という概念を2桁以上
に拡張すれば、いろいろ面白い性質が浮かび上がってくる。
例 12 と 1 を順に横に並べて新しい数 121 を作ると、これは、11の平方になって
いる。
数 A=ab・・・c と 数 B=xy・・・z を順に横に並べて新しい数
AB=ab・・・cxy・・・z ( ← AB は、A と B
の積ではないことに注意!)
を作る。
今、2つの数 A、B に対して、新しい数 A+BA+B を考える。
このとき、 A+BA+B=2005 となるような数 A、B には、どのようなものが
あるのかを検証すると、実はそれほど多くはないことに気づかされる。
まず、足して4桁の数なので、2つの数 A、B の桁数は合わせて 4 である。
そこで、A が1桁、B が3桁の場合、上記を満たすものは、 A=7、B=181 しかない。
同様に、
A が2桁、B が2桁の場合、上記を満たすものは、 A=43、B=19 しかない。
A が3桁、B が1桁の場合、上記を満たすものは、 A=502、B=1 しかない。
実際に、例えば、A が2桁、B が2桁の場合、
A=10x+y 、B=10a+b ( 0 ≦ x 、 y 、 a 、 b ≦ 9
、x ≠ 0 、 a ≠ 0 ) とおくと、
A+BA+B=10x+y+{100(10a+b)+10x+y}+10a+b
=1000a+100b+10(2x+a)+2y+b
=1000・2+100・0+10・0+5
2y+b = 5 または 15 または 25 より、明らかに、b ≠ 0 で、b
は奇数。
よって、10 ≦ 2x+a <30 から、 b=9 ということが分かる。従って、
a = 1 である。
このとき、2y+9 = 15 または 25 を満たす y の値は、y = 3 または 8 となる。
y = 3 のとき、2y+9 = 15 なので、2x+a = 2x+1 = 9 より、 x
= 4 となる。
y = 8 のとき、2y+9 = 25 なので、2x+a = 2x+1 = 8 となるが、この式を満
たす自然数 x は存在しない。
以上から、2つの数 A 、 B は、 A=43 、B=19 でなければならない。
他の場合も同様にしてできる。
西暦2005年を前にして、新しい「トリビア」と出会い、楽しい時を過ごすことができた。
果たして、西暦2005年は、どんな「トリビア」と出会えるのだろうか?(2004.12.27記)