・ 梨の選択                     S.H氏

 9月といえば、梨のおいしい時期である。この間昼食に寄ったお蕎麦屋さんのカウンター
で梨が売られていて、おいしそうに見えたので、思わず衝動買いしてしまった。お店のお嬢
さんと思しき方が、「2個おまけしておきますね!」と言って別な袋に入れて持たせてくれた。

 何日か後に人間ドックを受ける身としては、果物(食べすぎは結構、尿糖の数値によくな
いらしい)は極力控えるべきなのだろうが、おまけまでもらって、その日はなぜか食べ過ぎ
てしまった。おかげで、人間ドックの数値に顔が真っ青になった。

 もっとも、人間ドックの数値は、梨のせいだけではない。実は、人間ドック前日に出張があ
り、昼食は絶対お蕎麦にしようと決めていたものの、横浜のクィーンズスクウェアで、1000
円食べ放題のお店を発見してしまい、誘惑に負けてしまったからである。人間ドック前日は
おとなしく過ごすもので、「普通は入らないよな〜」と言われそうである。ただただ反省する
ばかりである。

 さて、話を表題に戻そう。

 梨は通常まとめ売りで販売されるが、ちょっと小ぶりな5個の詰め合わせと、ちょっと大ぶ
りな3個の詰め合わせがあり、同じ値段で売られている場合、あなたはどちらを選択するだ
ろうか?

 次の図は、2種類の梨のおおよその大きさを比較したものである。

            

 梨の形を球と見なして、体積を計算してみよう。

   ちょっと小ぶりな5個の梨の体積の合計は、 5×(4/3)π×43≒1339.73

   ちょっと大ぶりな3個の梨の体積の合計は、 3×(4/3)π×53≒1570.00

一見すると、ちょっと小ぶりな5個の梨の方が「お得!」という感じをもつかもしれないが、
さにあらず、ちょっと大ぶりな3個の梨の方が「お得!」なわけである。

 体積比は相似比の3乗に比例する(新学習指導要領では、数学Tで学ぶ。以前は、中学
3年であったのだが...。)ことを知っていれば、半径のちょっとの違いが結構大きな差に
なることが理解される。

 実生活にあまり役立たないと揶揄される数学であるが、こんなことを考えながら、買い物
をすると、少しは賢い消費者になれるかもしれないですね!?



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