個数の計算で、必然的に2種類の数え方が等しくなる場合がある。集合論での妙味と言っ
ても過言ではないと思う。
(個数の計算A) 0以上の整数 x、y、z に対して、x+y+z≦2 を満たす組(x,y,z)の個
数をMとおく。
(個数の計算B) 0以上の整数 a、b に対して、a+b≦3 を満たす組(a,b)の個数をNと
おく。
このとき、実は、M=N が成り立つ。
実際に個数を求めてみると、
(x,y,z)=(0,0,0)、(1,0,0)、(0,1,0)、(0,0,1)、(2,0,0)、(0,2,0)、
(0,0,2)、(1,1,0)、(1,0,1)、(0,1,1) より、 M=10
(a,b)=(0,0)、(1,0)、(0,1)、(2,0)、(0,2)、(1,1)、(3,0)、(0,3)、(2,1)、
(1,2) より、 N=10
実は、上記のように具体的に、M、Nの値を求めなくても、M=Nであることは簡単に説明
できる。
○を3+1=4個、●を2+1=3個用意し、これら計4+3=7個を横一列に並べる。ただし、
左端は必ず○とし、右端は必ず●とする。そのうちの一つの順列、例えば、
○○●●○○● → 説明上、 ○1○2●1●2○3○4●3 とする。
に対して、次のような解釈をする。
○1と○2の間に●がない。(→ x=0)
○2と○3の間に●が2個ある。(→ y=2)
○3と○4の間に●がない。(→ z=0)
よって、1つの順列 ○○●●○○● に対して、 (x,y,z)=(0,2,0) が対応する。
●2と●3の間に○が2個ある。(→ a=2)
●1と●2の間に○がない。(→ b=0)
よって、1つの順列 ○○●●○○● に対して、 (a,b)=(2,0) が対応する。
以上から、1つの順列 ○○●●○○● に対して、
(x,y,z)=(0,2,0) と (a,b)=(2,0) が1対1に対応する。
したがって、 M=N であることが言える。