・不定方程式3題                          GAI 氏

 F(x,y) を既約な整数係数 d 次斉次多項式とする。d≧3 とする。k を任意の整数とする。
このとき、不定方程式 F(x,y) = k  x、y ∈Z をThue方程式という。

 解を整数の範囲で求めることを問題とするとき、ある条件下では、有限個の解を有するこ
とが証明されているという。

 そこで、次のThue方程式の解(x,y) (但し、x、yは有理整数)を見つけてほしい。

[1] x^3+13*x^2*y+44*x*y^2+41*y^3=27

[2] x^3+13*x^2*y+42*x*y^2+40*y^3=40

[3] x^3+11*x^2*y+36*x*y^2+31*y^3=5


 DD++さんからのコメントです。(令和2年6月26日付け)

 [2]だけ、x=z-2y としてやることで、z が16択に絞れるので初等的に解けますね。とはいえ、
二次方程式16連発を手作業で解く気はあんまりしませんが……


 GAIさんからのコメントです。(令和2年6月26日付け)

出題の意図:

 単に有限個になると言われても、何個でその調査範囲をどの様に絞れるのか判然としな
かったので、PARI/GPでのコマンドthue関数とthueinit関数を組み合わせてプログラム的に

  x^3+a*x^2*y+b*x*y^2+c*y^3=n

に対する解の様子を、0≦a≦20 、0≦b≦50 、0≦c≦50 、1≦n≦50 程度の範囲で調査
し、比較的解の組み合わせが多く存在しているものを選んで出題していました。

 [1]から、10通り

 [2]から、11通り

 [3]から、12通り

の解があることが結果として出た。

 こんな問題をなんの手掛かりもなく求められるものなのか?もしかして、何らかのアルゴリ
ズムがあり、すらすら解ける方法をご存知の方もおられるのでは?と思い出題しておりまし
た。

 thue方程式のコメントとして、F(x,y)が3次以上の既約な同次多項式ではF(x,y)=nの解は有
限個である。

であったが、[2]では、

 x^3+13*x^2*y+42*x*y^2+40*y^3=(x+2*y)*(x^2+11*x*y+20*y^2)

と別に規約ではないにも関わらず解が有限個であったので不思議に思っていたものでした。

 ここを更に調べていたら、F(x,1)=0 が少なくとも3つの相異なる解をもてば有限個の有理整
数解と言えるとなっていた。

 今では圧倒的な計算量を一気にやってくれるコンピュータがあるので、こんな複雑な不定方
程式でもそんな法則が存在しているんだと何となく感じることはできますが、20世紀の初頭に
ノルウェーの数学者Axel Thue 氏が代数的テーマを解析的手法により有限個である事を示せ
たことは驚異である。

 各解は、

 [1] -60≦x≦90,-60≦y≦10
 [2] -160≦x≦40, -20≦y≦70
 [3] -20≦x≦15, -10≦y≦15

の範囲位で計算させれば、目的の解は全て揃います。この範囲は前もってわかるものなん
だろうか?



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