・ESPカードの数理的解析                    GAI 氏

 YouTubeでの鑑賞をしていたら、小林正観という人物(中には熱狂的ファンがいるという)の
講演の話の中に、自分は学生時代にESPカード(5種類マークのカードがそれぞれ5枚ずつあ
る25枚の一組)に熱中し、毎日毎日5〜6時間も何のマークが次に出てくるかを当てる訓練
をしていて、それが段々当たるようになってきた。頭が冴えたときは、多いときでは最高21枚
ものカードを当てることが出来た。それ以来予知能力が身に付いたのです。今では人の死
期が近づいていることが分かるようになっている。その人が病気でなくて事故で亡くなった人
でも前もってその死が予感できた、などの内容を話していた。

 そこで、この現象を数学的に分析してみたくなった。atさんが紹介していた数式や自分で
工夫していたプログラムで計算してみた。

 モデルは、 {1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,4,4,4,4,4,5,5,5,5,5} を良くシャッフルしてみて、カード
を出す前に予言し、何回一致できるかの確率分布をみると、

 0(回)、1(回)、2(回)、・・・・・・・、25(回)が、

191050091/44576712180、770933525/30289637664、142911819175/1948002322266、
532083869675/3896004644532、522272524325/2833457923296、1259470548211/6561692032896、
217169773375/1355132050272、6861081530525/62336074312512、493318695875/7792009289064、
1283975872775/41557382875008、100619047469/7792009289064、265650475/57084317136、
7547714425/5194672859376、8191579225/20778691437504、483631075/5194672859376、
54239483/2833457923296、467875/136701917352、33112025/62336074312512、
554375/7792009289064、128525/15584018578128、24875/31168037156256、
8825/124672148625024、125/31168037156256、25/62336074312512、0、1/623360743125120

に相当した。このままでは分かりにくいので、その現象を1回起こすためには試行を何度行う
必要があるのか(即ち各現象の試行回数期待値)へ変更して見てみると、

一致回数;試行回数
0;233,
1;39,
2;13,
3;7,
4;5,
5;5,
6;6,
7;9,
8;15,
9;32,
10;77,
11;214,
12;688,
13;2536,
14;10740,
15;52239,
16;292176,
17;1882581,
18;14055484,
19;121252819,
20;1252986418,
21;14127155651,
22;249344297250,
23;2493442972500,
24;不可能,
25;623360743125120,


が対応してきた。

 正観氏が達成した21回では、14127155651(回)の試行で一度は起こる目安になる。

 全事象は、25!/5!^5=623360743125120(パターン)なので、めったに起こせる訳でもないが
起こってもおかしくは無い現象ではあろう。

 2分で1回の試行で日に8時間やってみることにすれば、14127155651(回)の試行をやり遂
げるには161269年を要するが、勿論これは正に確実に起こせる期待値であり、あらゆる宝
くじがそうであるように当たるためには僥倖に恵まれることが不可欠であり、この現象にも少
なくとも10年間に偶然にもその現象に恵まれたとみても不思議ではない。

 本人が予知能力があると断言できるためには、そんな現象を何度も起こしてみる確認が必
至であろう。

 世の中には色々な能力を有している人がいることは否定しないが、でも一度は冷静に考え
てもいいと思う。勿論正観氏を否定するわけでもありませんし、講話の内容には好感を感ず
る部分は多々ありますし、人格的にも信頼が持てます。ただ人知を超えたものに対してどう
対応していいのか分からないのが正直なところです。



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