微分方程式(一般Leguerre polynomials でのα=-1に対する式): x*y''-x*y'+n*y=0
の解が、次の式 y=L(n) で示される。
L(1)=x
L(2)=1/2*x^2 - x
L(3)=1/6*x^3 - x^2 + x
L(4)=1/24*x^4 - 1/2*x^3 + 3/2*x^2 - x
L(5)=1/120*x^5 - 1/6*x^4 + x^3 - 2*x^2 + x
L(6)=1/720*x^6 - 1/24*x^5 + 5/12*x^4 - 5/3*x^3 + 5/2*x^2 - x
L(7)=1/5040*x^7 - 1/120*x^6 + 1/8*x^5 - 5/6*x^4 + 5/2*x^3 - 3*x^2 + x
L(8)=1/40320*x^8 - 1/720*x^7 + 7/240*x^6 - 7/24*x^5
+ 35/24*x^4 - 7/2*x^3+ 7/2*x^2 - x
L(9)=1/362880*x^9 - 1/5040*x^8 + 1/180*x^7 - 7/90*x^6
+ 7/12*x^5 - 7/3*x^4 + 14/3*x^3 - 4*x^2 + x
L(10)=1/3628800*x^10 - 1/40320*x^9 + 1/1120*x^8 - 1/60*x^7 + 7/40*x^6
- 21/20*x^5 + 7/2*x^4 - 6*x^3 + 9/2*x^2 - x
・・・・・・・・
なお、この一般式は、 L(n)=(-1)^n*納i=0,n](-1)^i*binomial(n-1,n-i)*x^i/i! 与えられる。
確かに、L(3)=1/6*x^3 - x^2 + x では、L(3)'=1/2*x^2-2*x+1 ; L(3)''=x-2 となり、
微分方程式の左辺は、
x*L(3)''-x*L(3)'+3*L(3)=x*(x-2)-x*(1/2*x^2-2*x+1)+3*(1/6*x^3 - x^2 + x)
=x^2-2*x-1/2*x^3+2*x^2-x+1/2*x^3-3*x^2+3*x=0
となり条件を満たしている。(他も同様で確かめてみて下さい。)
実は、この多項式を利用することで、例えば、{1,2,2,3,3,3}と同じものを含む6個のカードを
シャッフルさせ、上から順番にカードを出していった時、連続して同じ数字のカード出てこな
いパターン数が、
∫[x=0,∞]L(1)*L(2)*L(3)*e^(-x)dx
の計算で与えられることが起こる。この場合、
∫[x=0,∞]L(1)*L(2)*L(3)*e^(-x)dx
=∫[x=0,∞](1/12*x^6-2/3*x^5+3/2*x^4-x^3)*e^(-x)dx となり
=1/12*∫[x=0,∞]x^6*e^(-x)dx-2/3*∫[x=0,∞]x^5*e^(-x)dx
+3/2*∫[x=0,∞]x^4*e^(-x)dx-∫[x=0,∞]x^3*e^(-x)dx
ここに、ガンマ関数から、∫[x=0,∞]x^k*e^(-x)dx=k! なので、
∫[x=0,∞]L(1)*L(2)*L(3)*e^(-x)dx=1/12*6!-2/3*5!+3/2*4!-3!=10
の計算結果を得る。
確かに、{1,2,2,3,3,3}を並べて隣が同じ数字でない配列パターンは、
1,3,2,3,2,3
2,3,1,3,2,3
2,3,2,3,1,3
3,1,2,3,2,3
3,1,3,2,3,2
3,2,1,3,2,3
3,2,3,1,2,3
3,2,3,1,3,2
3,2,3,2,1,3
3,2,3,2,3,1
の以上10個しか考えられなく、上記の計算と一致する。
従って、通常のトランプ(同じ数字が4つずつある。)をシャッフルした後カードを出したとき、
一度も連続して同じ数字のカードを出さないで終わる確率Pは、
P=∫[x=0,∞]L(4)^13*e^(-x)dx/(52!/4!^13)
ということになり、後は計算機の力を借りて計算してみると、0.0454762823・・・ と約4.5476(%)
という低いものであった。(起こらないこともないが、めったには起こせない。)
そこで問題です。
[1] トランプでは数字は13までですが、これをその先の数字までをどんどん許して、
{1,1,1,1,2,2,2,2,・・・・・・・・・・・・,n,n,n,n}
でシャッフル後カードを出した時、同じ数字のカードを出さずに終わらせる確率を最も高める
ためには、さていくつまでの数字を使っておくのが良いか?(nの決定)
[2] 同じく3枚ずつ同じ数字のカード {1,1,1,2,2,2,・・・・・・・・・・・,n.n.n} でこの確率を高めるには
nをいくつに?
[3] 2枚ずつ同じ数字のカード {1,1,2,2,・・・・・・・・,n,n} では?
atさんからのコメントです。(令和2年4月29日付け)
n 種類の異なる文字がそれぞれ m 個ずつあって、これら m*n 個の文字をランダムに横
一列に並べるとき、同種類の文字が k 個以上連続しないような確率を Q(n,m,k)とすると、
Q(n,m,k)は次式で計算できます。
Q(n,m,k)=(((m!)^n)/((m*n)!))*∫[x=0,∞]((e^(-x))*([t^m](e^(((t-t^k)/(1-t^k))*x)))^n)dx
k=2の場合には、[t^m](e^(((t-t^k)/(1-t^k))*x)) は、L(m) に一致します。
つまり、
[t^m](e^(((t-t^2)/(1-t^2))*x)) = (-1)^m*納i=0,m](-1)^i*binomial(m-1,m-i)*x^i/i!
です。
[1]について、P1(n)=Q(n,4,2) とします。OEISの記事を参考に計算してみた結果、
n=2、3、4、…、30000 に対しては、 P1(n)-P1(n-1)>0 となりました。
また、lim[n→∞]P1(n)=(1/e)^3 となるようです。
P1(n)を最大にするnの値については、分かりませんでした。
GAIさんからのコメントです。(令和2年4月30日付け)
コンピュータでプログラム的に処理していましたが、計算上∫[x=0,∞]の処理が、結局、近
似計算で処理することになっていて、nが15以上なってくると、僅かな誤差が累積していき、
先に行くにしたがって、誤差が膨れて行ったみたいで、計算で出た数値で判断してしまって
いたので、途中から確率が落ちていくことになってしまっていました。
従って、atさんが指摘されるように、nの増加に伴って、確率は、(1/e)^3へ向かって徐々に
増加していくことが正しい判断ですね。
つまり、質問文が全くナンセンスであることでした。計算機で処理するときは、∞での処理
には細心の注意が必要でした。失礼しました。