2組のトランプから絵札(J、Q、K)だけを抜き出し、2人が12枚をそれぞれが持ち、互い
によくシャッフルする。その後、カードを上から一枚ずつ出し合い、2人のカードを見比べて
いく。
お互い12枚を出し終えたとき、それぞれ、次の条件での確率は如何ほどか?
(1) 同じ数字(マークは無視)が少なくとも1回出る確率P1
(2) 同じマークが少なくとも1回出る確率P2
(3) ピタリ同じカードが少なくとも1回出る確率P3
また、(1)、(2)、(3)の条件では、一致する回数で確率が変動するが、それぞれで最も
確率が高くなる現象(一致する回数)はどんな場合で、そのそれぞれの最高の確率は?
at さんからのコメントです。(令和2年4月18日付け)
「二人の人間 A, B がいて、Aは1組のトランプから絵札(J,Q,K)だけを抜き出し、その12枚の
カードを手に持つ。Bも、全くAと同じ12枚のカードを用意する。
そして、二人は各々の手持ちのカードを一枚ずつ場に出し合い、出された2枚のカードを見
比べていく。」
以上のような解釈で、以下計算します。
同じ数字のカードがちょうど k 回出る確率を Q1(k)、同じマークのカードがちょうど k 回出る
確率を Q2(k)、数字もマークも同じカードがちょうど k 回出る確率を Q3(k) とします。
Q1(k)、Q2(k)、Q3(k) の計算式は、それぞれ次のようになりました。
Q1(k)=(1/(12!))*[t^k](Σ[j=0,12](t-1)^j*(12-j)!*[x^j](Σ[m=0,4](comb(4,m))^2*m!*x^m)^3)
Q2(k)=(1/(12!))*[t^k](Σ[j=0,12](t-1)^j*(12-j)!*[x^j](Σ[m=0,3](comb(3,m))^2*m!*x^m)^4)
Q3(k)=(1/(12!))*[t^k](Σ[j=0,12](t-1)^j*(12-j)!*comb(12,j)).
maximaを使って、k=0,1,2,…,12 に対する Q1(k)、Q2(k)、Q3(k) の値を計算した結果が次で
す。
-------------------------------------------------------------------------
(%i1) Q1(k):=(1/(12!))*coeff(expand(sum((t-1)^j*(12-j)!*coeff(expand((sum((binomial(4,m))^2*m!*x^m,m,0,4))^3),x,j),j,0,12)),t,k)$
Q2(k):=(1/(12!))*coeff(expand(sum((t-1)^j*(12-j)!*coeff(expand((sum((binomial(3,m))^2*m!*x^m,m,0,3))^4),x,j),j,0,12)),t,k)$
Q3(k):=(1/(12!))*coeff(expand(sum((t-1)^j*(12-j)!*binomial(12,j),j,0,12)),t,k)$
(%i2)
(%i3)
(%i4) makelist(Q1(k),k,0,12);
173 304
36 3568 883 32 656 96 38 64
8 1
(%o4) [-----, ----, ---, -----, ----, ---, ----, ----, ----, -----, ----,
0,-----]
17325 5775 275 17325 3850 175 5775 1925 1925 17325 5775 34650
(%i5) makelist(Q2(k),k,0,12);
4611 2061
2817 203 23013 801 1373 27 477 9 9
1
(%o5) [------, -----, -----, ---, ------, ----, -----, ----, ------, -----, -----,
0, ------]
123200 15400 12320 825 123200 7700 30800 1925 123200 15400 61600
369600
(%i6) makelist(Q3(k),k,0,12);
16019531 1468457 16481 16687 2119 103
53 11 1 1 1 1
(%o6) [--------, -------, -----, ------, ------, -----, ------, ------, ------,
-------, -------, 0, ---------]
43545600 3991680 89600 272160 138240 33600 103680 151200 107520 1088640 7257600
479001600
-------------------------------------------------
以上より、P1、P2、P3 の値はそれぞれ、
P1=1-Q1(0)=17152/17325 、P2=1-Q2(0)=118589/123200 、P3=1-Q3(0)=27526069/43545600.
また、Q1(k)、Q2(k)、Q3(k)の最大値はそれぞれ、
Q1(4)=883/3850 、Q2(3)=203/825 、Q3(0)=16019531/43545600
となりました。
GAI さんからのコメントです。(令和2年4月18日付け)
完璧に正解です。Q3での確率では、カードの枚数が偶数ならQ3(0)、奇数ならQ3(1) となっ
ていくのが意外でした。(1パターンの違いですが・・・)
また、P3ではカードの枚数が12枚でも52枚でも殆んど変化なく、0.6321205・・・(≒1-1/e)程
度で、想像以上に早く収束していく。