今年のある大学での2次試験で、
四面体OABCにおいて、辺OAの中点と辺BCの中点を通る直線をl、辺OBの中点と辺CAの
中点を通る直線をm、辺OCの中点と辺ABの中点を通る直線をnとする。
l⊥m、m⊥n、n⊥l であり、AB=√5、BC=√3、CA=2 のとき、四面体OABCの4つの頂点を
すべて通る球の半径を求めよ。
どう考えていいのか途方にくれました。皆さんの挑戦を願う。
DD++さんからのコメントです。(令和2年2月28日付け)
P(1/2,√2/2,√3/2)、Q(1/2,-√2/2,-√3/2)、R(-1/2,√2/2,-√3/2)、S(-1/2,-√2/2,√3/2)
を4頂点とする四面体は、四面体OABCと合同で、その外接球半径は、√6/2
……という解答は、論述式ではダメかなあ。
GAIさんからのコメントです。(令和2年2月28日付け)
よくこんな姿がみえますね〜。正解です。
よおすけさんからのコメントです。(令和2年2月28日付け)
この問題は、2020年九州大前期理系問題3です。
上記問題の前に、(1)として、
直線OBと直線CAのなす角Θ(0<Θ<π/2)を求めよ。
がありました。(答えは、π/3)
(コメント) 分野的には数学Bの「空間ベクトル」に属する問題ですが、予備校の評価として
は「やや難」に分類される問題のようです。
DD++さんからのコメントです。(令和2年2月28日付け)
今回は、l、m、nを直線として定義していますが、これを線分として定義した場合、3つの線
分は、それぞれの中点が四面体の重心であり、3本が同時に交わるという性質があります。
(高校生なら空間ベクトルの問題演習で証明問題として全員一度は出くわす問題だと思いま
す)
しかも、それら3つの線分と平行で長さが等しい線分を4つの頂点から適切な方向に合計12
本引くと、平行六面体ができるという性質もあります。
今回は、その3直線が全て互いに垂直になっているという条件ですから、その平行六面体
は直方体であることがわかり、各面の対角線の長さが √3、2、√5 であることから、辺の
長さが 1、√2、√3 であることもすぐに求まり、こんな感じに座標設定をしました。
論述式なら、これをベクトルで全部書けばいいんでしょうが、問題の四面体がABCDじゃな
くOABCなせいで、重心=外接球中心を座標原点Oに設定できない(垂直な3直線なのに、x軸、
y軸、z軸に設定できない)のが面倒すぎる……。
出題者は、こういう解答は想定はしてなかったんでしょうかね?
りらひいさんからのコメントです。(令和2年3月1日付け)
挑戦してみた。等面四面体の性質をよく知らない感じの解答。
ベクトルa=OA、ベクトルb=OB、ベクトルc=OC とおく。
辺OAの中点から辺BCの中点へのベクトル -a/2+b/2+c/2、
辺OBの中点から辺CAの中点へのベクトル a/2-b/2+c/2、
辺OCの中点から辺ABの中点へのベクトル a/2+b/2-c/2 となる。
l⊥m より、(-a/2+b/2+c/2)・(a/2-b/2+c/2)=0 から、
|c|=|a-b|= 、a・b=(|a|^2+|b|^2-|c|^2)/2=1
が成り立つ。同様に、m⊥n より、 |a|=|b-c|= 、b・c=(|b|^2+|c|^2-|a|^2)/2=3
および、n⊥l より、 |b|=|c-a|=2 、c・a=(|c|^2+|a|^2-|b|^2)/2=2 が成り立つ。
四面体OABCの4つの頂点をすべて通る球の中心をDとおき、OD=xa+yb+zc とする。
この点は辺OAの垂直二等分面に乗るので、 (xa+yb+zc-a/2)・a=0 から、
x|a|^2+ya・b+zc・a=|a|^2/2 より 3x+y+2z=3/2 が成り立つ。
同様に、辺OBの垂直二等分面に乗るので、(xa+yb+zc-b/2)・b=0 から、
xa・b+y|b|^2+zb・c=|b|^2/2 より x+4y+3z=2、
および、辺OCの垂直二等分面に乗るので、(xa+yb+zc-c/2)・c=0 から、
xc・a+yb・c+z|c|^2=|c|^2/2 より 2x+3y+5z=5/2 が成り立つ。
連立して解くと、 x=y=z=1/4
求める半径はODの長さなので、
|a/4+b/4+c/4|=√(|a|^2+|b|^2+|c|^2+2a・b+2b・c+2c・a)/4
=√(3+4+5+2*1+2*3+2*2)/4=/2
#入試だったら時間切れだったわ……。