・極限の質問                           りらひい氏

 電気回路について考えていて、次の形になりそうな気がするのですが、本当に成り立つで
しょうか?それとも、間違っているでしょうか?

 x≧0 として、t の二次方程式 t^2-(2+x)t+1=0 の2解を α(x)、β(x) (α(x)≧β(x)) とすると
き、自然数n、実数 a≧0 に対して、

  lim[n→∞]α(a/n^2)^n = e^√a 、lim[n→∞]β(a/n^2)^n = e^(-√a)


 らすかるさんからのコメントです。(令和元年12月18日付け)

 t^2-(2+x)t+1=0 より、t={x+2±√(x^2+4x)}/2 なので、

 α(x)={x+2+√(x^2+4x)}/2 、β(x)={x+2-√(x^2+4x)}/2

 このとき、

lim[n→∞]α(a/n^2)^n
=lim[n→∞]{{a/n^2+2+√(a^2/n^4+4a/n^2)}/2}^n
=lim[n→∞](1+√a/n)^n
=e^√a

 同様に、

lim[n→∞]β(a/n^2)^n=e^(-√a)


 りらひいさんからのコメントです。(令和元年12月18日付け)

 もう回答が……!お早いお返事ありがとうございます。

=lim[n→∞]{{a/n^2+2+√(a^2/n^4+4a/n^2)}/2}^n
=lim[n→∞](1+√a/n)^n


 上記の変形がよくわからないのですが、

  (1+k/n+[1/n^2と同じかより早い0収束])^n

の場合は、(1+k/n)^n と同じ値に収束すると考えてよいのですか?


 らすかるさんからのコメントです。(令和元年12月18日付け)

 はい、そうです。雑に済ませましたが、厳密にやるならば

lim[n→∞]{{a/n^2+2+√(a^2/n^4+4a/n^2)}/2}^n
=lim[n→∞]{1+{a/n^2+√(a^2/n^4+4a/n^2)}/2}^n
=lim[n→∞]{1+{a/n+√(a^2/n^2+4a)}/(2n)}^n

 任意のε>0に対して、nが十分大きければ、4a<a^2/n^2+4a<4a+4ε√a+ε^2 が成

り立つので、 2√a<√(a^2/n^2+4a)<2√a+ε

 さらに、nが十分大きければ、a/n<εなので、

 2√a<a/n+√(a^2/n^2+4a)<2√a+2ε=2(√a+ε)

 つまり、

lim[n→∞]{1+{2√a}/(2n)}^n≦lim[n→∞]{1+{a/n+√(a^2/n^2+4a)}/(2n)}^n<lim[n→∞]{1+{2(√a+ε)}/(2n)}^n
lim[n→∞](1+√a/n)^n≦lim[n→∞]{1+{a/n+√(a^2/n^2+4a)}/(2n)}^n<lim[n→∞]{1+(√a+ε)/n}^n

∴ e^√a≦lim[n→∞]{1+{a/n+√(a^2/n^2+4a)}/(2n)}^n<e^(√a+ε)

 これが任意のε>0で成り立つので、 lim[n→∞]{1+{a/n+√(a^2/n^2+4a)}/(2n)}^n=e^√a

となります。


 りらひいさんからのコメントです。(令和元年12月18日付け)

 なるほど。[1/n^2と同じかより早い0収束]部分をε/nで押さえておけば指数関数にもって
いくことができて上から抑えられるんですね。勉強になりました。ありがとうございました。


 「極限の質問の裏側」と題して、りらひいさんからの続報です。(令和元年12月25日付け)

 この前の極限の質問に至るおおもとの私がやっていた計算遊びをちょこっと書いてみます。
(ただの趣味・自己満足です。)

 nを自然数、a、bを正の実数とする。

 A={{1,a/n},{0,1}} 、B={{1,0},{b/n,1}} 、A'={{1,a/(2n)},{0,1}} 、B'={{1,0},{b/(2n),1}}

とおく。このとき、

(AB)^n={{(pu^n+qv^n)/2,(u^n-v^n)/2*√(apq/b)},{(u^n-v^n)/2*√(bpq/a),(qu^n+pv^n)/2}}
(BA)^n={{(qu^n+pv^n)/2,(u^n-v^n)/2*√(apq/b)},{(u^n-v^n)/2*√(bpq/a),(pu^n+qv^n)/2}}
(A'BA')^n={{(u^n+v^n)/2,(u^n-v^n)/2*√(ar/b)},{(u^n-v^n)/2*√(b/(ar)),(u^n+v^n)/2}}
(B'AB')^n={{(u^n+v^n)/2,(u^n-v^n)/2*√(a/(br))},{(u^n-v^n)/2*√(br/a),(u^n+v^n)/2}}

となる。ただし、

p=1+√(ab/(4n^2+ab)) 、q=1-√(ab/(4n^2+ab)) 、r=1+ab/(4n^2)
u=1+(ab+√(ab(4n^2+ab)))/(2n^2) 、v=1+(ab-√(ab(4n^2+ab)))/(2n^2)

である。ここで、

 lim[n→∞]p=1 、lim[n→∞]q=1 、lim[n→∞]r=1
 lim[n→∞]u=e^√(ab) 、lim[n→∞]v=e^(-√(ab))

なので、 (AB)^n 、(BA)^n 、(A'BA')^n 、(B'AB')^n のn→∞極限はすべて

 {{cosh√(ab),√(a/b)*sinh√(ab)},{√(b/a)*sinh√(ab),cosh√(ab)}}

となる。

 ABやBAよりも、A'BA'やB'AB'の方が対称性が高まって、式がシンプルになるのが興味深
かったです。



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