1から4までの4個の自然数をランダムに並べれば、その場合の数は、
1234 から 4321までの 4!=24(通り)ある。
1、2、3、・・・、n の並べ方に条件をつけて、増減増減・・・ となる場合を考える。
例えば、1324、1423、・・・のように数字が乱高下するような場合の数は何通りあるだろ
うか?計算すると、わずか5通りしかない。
そこで、この問題を定式化しておこう。
1からnまでの数を並べた数列{an}に対して、
a1<a2>a3<a4>a5<a6>a7<・・・
という条件を満たす数列を、ジグザグ順列と名付ける。
※ジグザグとは、Z字状に直線が何度も折れ曲がっている状態をいう。
例 n=1 のとき、ジグザグ順列は、自明な1通りしかない。
n=2 のとき、12の1通りしかない。
n=3 のとき、132、231の2通りしかない。
n=4 のとき、1324、1423、2314、2413、3412の5通りしかない。
n=5 のとき、13254、14253、14352、15243、15342、23154、24153、
24351、25143、25341、34152、34251、35142、35241、
45132、45231 の16通り
一般に、次の公式が知られている。
1〜nまでのn個の自然数のジグザグ順列の数をJnとおく。
nは奇数番目にはこない。もしも、奇数番目にくると仮定すると、
奇数番目の数<偶数番目の数>奇数番目の数
なので、nが最大であることから矛盾が生じる。
nが2k番目に位置するジグザグ順列の数は、
n-1C2k-1・J2k-1・Jn-2k
で与えられる。これを示すのは易しい。実際に、
nが2k番目に位置するとすると、1番目から2k−1番目までの2k−1個の数の選び方は、
n個からnを除いたn−1個から選ぶので、その場合の数は、n-1C2k-1通り
その1通りに対して、2k−1個のジグザグ順列の数は、J2k-1通り
その1通りに対して、残りのn−2k個のジグザグ順列の数は、Jn-2k通り
したがって、nが2k番目に位置するジグザグ順列の数は、
n-1C2k-1・J2k-1・Jn-2k
となる。k=1、2、・・・、[n/2]に対する総和がJnである。すなわち、
Jn=Σk=1[n/2] n-1C2k-1・J2k-1・Jn-2k
例 上記の例の結果から、J1=1、J2=1、J3=2、J4=5、J5=16 である。
公式を適用してみると、
J2=1C1・J1・J0=1・1・J0=1 より、 J0=1
J3=2C1・J1・J1=2・1・1=2
J4=3C1・J1・J2+3C3・J3・J0=3・1・1+1・2・1=5
J5=4C1・J1・J3+4C3・J3・J1=4・1・2+4・2・1=16
で確かに一致している。この調子で、J6、J7を求めてみよう。
J6=5C1・J1・J4+5C3・J3・J2+5C5・J5・J0
=5・1・5+10・2・1+1・16・1=25+20+16=61
同様にして、
J7=6C1・J1・J5+6C3・J3・J3+6C5・J5・J1
=6・1・16+20・2・2+6・16・1=272
が得られる。
1,1,1,2,5,16,61,272,・・・ をオンライン整数列大辞典に問い合わせると、
「A000111」が早速ヒットした。ここで、次の事実は興味深い。
tan(x) と 1/cos(x) のマクローリン展開は、
tan(x)=x+x3/3+2x5/15+17x7/315+・・・
1/cos(x)=1+x2/2+5x4/24+61x6/720+・・・
よって、
tan(x)+1/cos(x)=1+x+x2/2+x3/3+5x4/24+2x5/15+61x6/720+・・・
そこで、 J0/0!+J1x/1!+J2x2/2!+J3x3/3!+J4x4/4!+J5x5/5!+・・・
と係数比較して、
J0/0!=1、J1/1!=1、J2/2!=1/2、J3/3!=1/3、J4/4!=5/24、
J5/5!=2/15 、・・・ より、
J0=1 、J1=1 、J2=1 、J3=2 、J4=5 、J5=16 、・・・
となり、全く一致しているように思える。
以下、工事中!