・面積比不変                            S.H 氏

  三角形において、1辺を5等分する点で小三角形に分割する。

  このとき、 黄色の三角形の面積和と水色の三角形の面積和の

 比が、3:2となることは瞬時に了解されるだろう。




 これが、もしも下図のように5等分点で平行線を引き5つの図形に分割した場合はどうだろう。

 上記と同様に、黄色部分の面積和と水色部分の面積和の比が、

  3:2となるとは俄には信じられないだろう。




 実際に、最上段の三角形の面積を1とすると、2段目の水色部分の面積は、4−1=3

 3段目の黄色部分の面積は、9−4=5

 4段目の水色部分の面積は、16−9=7

 5段目の黄色部分の面積は、25−16=9

 以上から、黄色部分の面積和は、1+5+9=15

       水色部分の面積和は、3+7=10

なので、 黄色部分の面積和と水色部分の面積和の比は、3:2となる。


 DD++さんからのコメントです。(令和元年11月12日付け)

 同じ三角形を2つ用意して、片方を180°ひっくり返してくっつければ、直感的に納得できま
すね。




(コメント) なるほど!一目瞭然ですね。


 同様に、中心角が90°の扇形に対して、中心角を5等分して5つの扇形に分割する。

   このとき、 黄色の扇形の面積和と水色の扇形の面積和の比が、

  3:2となることは瞬時に了解されるだろう。




 これが、もしも下図のように角の5等分点で平行線を引き5つの図形に分割した場合は
どうだろう。

   上記と同様に、黄色部分の面積和と水色部分の面積和の比が、

  3:2となるとは俄には信じられないだろう。




 実際に、頂角θ(=18°)、半径2の扇形の面積をSとおくと、

 最上段の図形の面積は、 S−sin2θ で、

 2段目の水色部分の面積は、2S−(S−sin2θ)−sin4θ=S+sin2θ−sin4θ

 3段目の黄色部分の面積は、

3S−(S−sin2θ)−(S+sin2θ−sin4θ)−sin6θ=S+sin4θ−sin6θ

 4段目の水色部分の面積は、

4S−(S−sin2θ)−(S+sin2θ−sin4θ)−(S+sin4θ−sin6θ)−sin8θ
=S+sin6θ−sin8θ

 5段目の黄色部分の面積は、S+sin8θ

 以上から、黄色部分の面積和は、

S−sin2θ+S+sin4θ−sin6θ+S+sin8θ=3S−sin2θ+sin4θ−sin6θ+sin8θ

 水色部分の面積和は、

S+sin2θ−sin4θ+S+sin6θ−sin8θ=2S+sin2θ−sin4θ+sin6θ−sin8θ

 ここで、

sin2θ−sin4θ+sin6θ−sin8θ

=sin6θ+sin2θ−(sin8θ+sin4θ)

=2sin4θcos2θ−2sin6θcos2θ

=−2cos2θ(sin6θ−sin4θ)

=−4cos2θcos5θsinθ

 ここで、θ=18°なので、5θ=90° よって、cos5θ=0

すなわち、 sin2θ−sin4θ+sin6θ−sin8θ=0 となる。(← 美しい!

 したがって、黄色部分の面積和は、3S、水色部分の面積和は、2S なので、

黄色部分の面積和と水色部分の面積和の比は、3:2となる。


(コメント) 扇形の場合、3:2になることは自信が持てませんでしたが、確かに計算すると、
      3:2になるんですね!本当に驚きです。


 なつさんからのコメントです。(令和元年11月7日付け)

 最後の[角の5等分点で平行線を引き5つの図形に分割した場合]の話は、わざわざ三角
関数を用いなくても面積が等しいことが示せそうです。

 合同な直角三角形を2組考えて、直角三角形を移動していけば[中心角が90°の扇形に
対して、中心角を5等分して5つの扇形に分割した場合]の状態と同じになりますね…。

 記号を置いてあげないと上手く説明できないですが。


(コメント) なつさんのアイデアを「角の3等分点」の場合に適用してみました。
                                       (令和元年11月9日付け)

   左図において、直角三角形OPHと直角三角形OQKは合同で、
  △OMHが重なっている。

   よって、△OPMの面積と四角形HMQKの面積は等しい。
   面積の等しい部分を、黄色と水色で交換すると、中心角を3等
  分して3つの扇形に分割した場合に置換することができる。

 以上から、面積比が 2:1 と不変であることが了解される。


(コメント) なつさんのアイデアを「角の5等分点」の場合にも適用してみました。
                                      (令和元年11月10日付け)

 上記と同様にして、[角の5等分点で平行線を引き5つの図形に分割した場合]は、[中心
角が90°の扇形に対して、中心角を5等分して5つの扇形に分割した場合]に置換できる
ことが次のようにして確かめられる。

 →    →    →  


 りらひいさんからのコメントです。(令和元年11月9日付け)

 上記で、 sin2θ-sin4θ+sin6θ-sin8θ=0 を計算して求めていますが、10θ=180° であ
ることと sinα=sin(180°-α) を使えば、 sin2θ=sin8θ 、sin4θ=sin6θ から明らかでは
ないですか?こうしておけば、すべての奇数等分で同様のことがいえるという見通しも立ち
やすいと思います。


(コメント) なるほど!難しい計算をしなくても簡単に示されるんですね。りらひいさんに感謝
      します。



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