・数列の一般項                        らすかる 氏

  自作問題です。数列 {a[n]}(n≧1)は、

 n=4k-3 のとき 1、n=4k-2 のとき 2、n=4k-1 のとき 3、n=4k のとき 4 (kは自然数)

を満たす無限数列(つまり{a[n]}={1,2,3,4,1,2,3,4,1,2,…})である。

 a[n]の一般項を場合分けのない一つの式で表せ。

 ただし、使ってよいのは、n 及び整数の四則演算と累乗だけであり、虚数・三角関数・ガウ
ス記号・絶対値・剰余演算などは使えない。

 例えば、((-1)^n+1)(-1)^(n/2)のように、計算途中で負の数の非整数乗が出てくるのも不可。


 GAI さんからのコメントです。(令和元年9月30日付け)

 a[n]=1/2*(5-(-1)^(n-1)-2*(-1)^(((2*n-3+(-1)^(n-1))/4)))


 らすかるさんからのコメントです。(令和元年9月30日付け)

 回答ありがとうございます。早いですね。私が用意していた答えと本質的に全く同じでした。

 a[n]=(-1)^((2n+1-(-1)^n)/4)+(5+(-1)^n)/2


 りらひいさんからのコメントです。(令和元年10月3日付け)

 こういうのはありですか?

a[n]
= 1 + Σ[k=0〜t-1]{2^(k-1)*(1+(-1)^((Π[i=0〜2^k-1]{n+i})/((2^k)!)))}
= (2^t+1)/2 + Σ[k=0〜t-1]{2^(k-1)*(-1)^((Π[i=0〜2^k-1]{n+i})/((2^k)!))}

に、t=2 を代入して、 a[n] = 5/2 + (1/2)*(-1)^n + (-1)^(n(n+1)/2)


 らすかるさんからのコメントです。(令和元年10月3日付け)

 おお、なるほど。私が用意した解答よりシンプルな式でいいですね。


 GAIさんからのコメントです。(令和元年10月4日付け)

 りらひいさんのって、

 {1,2,3,4,5,6,7,8,1,2,3,4,5,6,7,8,・・・} なら

a[n]=9/2+1/2*(-1)^n+(-1)^(n*(n+1)/2)+2*(-1)^(n*(n+1)*(n+2)*(n+3)/4!)

 {1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,・・・} なら

a[n]=17/2+1/2*(-1)^n+(-1)^(n*(n+1)/2)+2*(-1)^(n*(n+1)*(n+2)*(n+3)/4!)
                    +4*(-1)^(n*(n+1)*(n+2)*(n+3)*(n+4)*(n+5)*(n+6)*(n+7)/8!)

で作れてしまうんですね。面白い!


 GAI さんからのコメントです。(令和元年10月4日付け)

 らすかるさんの出題を真似て、同じ数字を2度繰り返しながら増え続ける無限数列
(つまり、{a[n]}={0,0,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,…} (n=1,2,3,・・・))とする。

 a[n]の一般項を場合分けのない一つの式で表せ。

 ただし、使ってよいのは、n 及び整数の四則演算と累乗だけであり、虚数・三角関数・ガウ
ス記号・絶対値・剰余演算などは使えない。計算途中で負の数の非整数乗が出てくるのも不
可。


(追伸) 無限数列({a[n]}={1,2,3,1,2,3,1,2,3,1,2,3,…} (n=1,2,3,・・・))を作り出そうと頑張ってい
    たんですが、これは無理ですかね?


 らすかるさんからのコメントです。(令和元年10月4日付け)

 GAIさんの {a[n]}={0,0,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,…} は、1,2,3,4,1,2,3,4,…と比べるとやさしいですね。

4倍すると、 0,0,4,4,8,8,12,12,… で、奇数項から1を引いて偶数項に1を足す(つまり(-1)^nを
足す)と、 -1,1,3,5,7,9,11,13,…

 これの一般項が 2n-3 なので、逆算して、 a[n]={(2n-3)-(-1)^n}/4


 DD++さんからのコメントです。(令和元年10月4日付け)

 累乗って定義に有理数乗も含んでましたっけ?

 5^(1/2) が認められるなら、-1 のフィボナッチ数乗が周期3になるのを利用すればよさそう
ですが。


 GAIさんからのコメントです。(令和元年10月4日付け)

 これが認められたとして、確かに、(-1)^fibonacci(n);{-1,-1,1,-1,-1,1,-1,-1,1,・・・} と周期3の
サイクルにはなるんですが、Mod関数を使わずに、これを {1,2,3,1,2,3,1,2,3,1,2,3,・・・}に変更
する方法が分かりません。


 DD++さんからのコメントです。(令和元年10月4日付け)

 a[n] = 5/2 + (-1)^F[n] + (1/2)*(-1)^F[n+1] みたいにしておけばいいのでは?

 最初の3項が合えば残りは自動的に合うわけですし。


 らすかるさんからのコメントです。(令和元年10月4日付け)

 {1,2,3,4,1,2,3,4,…}や{1,2,3,1,2,3,…}が作れるということは、整数に対して、「4で割った余り」と
か「3で割った余り」を表す式がガウス記号や剰余演算を使わずに作れるということですね。

 その観点でまとめると、

  nを2で割った余り (1-(-1)^n)/2

  nを3で割った余り

 (1-2(-1)^(((1+√5)/2)^n+((1-√5)/2)^n)-(-1)^(((1+√5)/2)^(n-1)+((1-√5)/2)^(n-1)))/2

# フィボナッチ数よりやや短くなるリュカ数を使いました。

  nを4で割った余り (3-(-1)^n-2(-1)^(n(n-1)/2))/2

 5で割った余りはテトラナッチ数列を使えば出来そうですが、長すぎて書く気がおきない式
になってしまいますね。簡潔に書くには複素数か三角関数を使いたいところです。

 もしかして、複素数とか使うと、「nをmで割った余り」の一般式が書けたりするのでしょうか。

 三角関数を使うと、「nをmで割った余り」は出来ますね。

 → (arctan(tan(((2n+1)/2m+1/2)π))/π+1/2)m-1/2


 DD++さんからのコメントです。(令和元年10月5日付け)

  5で割った余りはテトラナッチ数列を使えば出来そうですが

 テトラナッチ数の一般項を虚数使わずに書かなくてはいけない問題をクリアできるんでしょ
うか?


 らすかるさんからのコメントです。(令和元年10月5日付け)

 あ…虚数が含まれているのを忘れていました。クリアできないですね。失礼しました。

 テトラナッチ数ではダメでしたが、少し変えればクリアできますね。テトラナッチ数列は、

 a[0]=a[1]=a[2]=0、a[3]=1、a[n+4]=a[n]+a[n+1]+a[n+2]+a[n+3]

で、一般項に使う値は、x^4-x^3-x^2-x-1=0 の4解(うち2個が虚数解)

 これを、 a[0]=a[1]=a[2]=0、a[3]=1、a[n+4]=a[n]-5a[n+1]+a[n+2]+3a[n+3]

に変えると、一般項に使う値は、x^4-3x^3-x^2+5x-1=0 の4解(4実数解)となり、この数列の
偶奇はテトラナッチ数と同じですので、行けると思います。


 GAIさんからのコメントです。(令和元年10月5日付け)

  nを3で割った余り
   (1-2(-1)^(((1+√5)/2)^n+((1-√5)/2)^n)-(-1)^(((1+√5)/2)^(n-1)+((1-√5)/2)^(n-1)))/2
  # フィボナッチ数よりやや短くなるリュカ数を使いました。


 これで走らせてみたら、[1,2,0,1,2,0,1,2,0,・・・・・・・・・・] となりました。

(3-2*(-1)^(((1+√5)/2)^(n-1)+((1-√5)/2)^(n-1))-(-1)^(((1+√5)/2)^(n-2)+((1-√5)/2)^(n-2)))/2

もしくは、負の数の非整数乗が出るのを避けて、

(3-2*(-1)^(((1+√5)/2)^(n+2)+((1-√5)/2)^(n+2))-(-1)^(((1+√5)/2)^(n+1)+((1-√5)/2)^(n+1)))/2

に変更したら、[1,2,3,1,2,3,1,2,3,・・・・・・・・・・・・] となるようです。


 らすかるさんからのコメントです。(令和元年10月5日付け)

 GAIさんの「これで走らせてみたら、[1,2,0,1,2,0,1,2,0,・・・・・・・・・・] となりました。」は、「nを3
で割った余り」の式を書きましたので、それで正しいです。

  もしくは負の数の非整数乗が出るのを避けて

 そのままでも「負の数の非整数乗」は出てきませんね。((1+√5)/2)^n+((1-√5)/2)^nは、n
が整数ならばnが負であっても整数になります。


 整数係数漸化式の項の偶奇の周期について少し調べてみました。
※全項奇数または全項偶数となる自明なパターンは除きます。

例えば、5項間漸化式 a[n+4]=pa[n+3]+qa[n+2]+ra[n+1]+sa[n] で、値をmod2で考える場合、
p、q、r、s も 0 か 1 だけを考えれば十分です。つまり、偶奇の周期を考えるとき、

(1) a[n+4]=a[n+3]+a[n+2]+a[n+1]+a[n]
(2) a[n+4]=a[n+3]+a[n+2]+a[n]
(3) a[n+4]=a[n+3]+a[n+1]+a[n]
(4) a[n+4]=a[n+3]+a[n]
(5) a[n+4]=a[n+2]+a[n+1]+a[n]
(6) a[n+4]=a[n+2]+a[n]
(7) a[n+4]=a[n+1]+a[n]
(8) a[n+4]=a[n]

の8つで、全てを尽くしています。それぞれの周期を調べてみると、

(1)は周期5
(2)と(5)は周期7
(3)は周期2,3,6(初期値による)
(4)と(7)は周期15
(6)は周期3,6(初期値による)
(8)は周期2,4(初期値による)

となっています。つまり、5項間漸化式の係数を変えることで、周期 2、3、4、5、6、7、15 が
全て作れるということです。(冒頭にも書きましたが、周期1は無意味なので除外しています)

 ちなみに、4項間漸化式では漸化式は4通り、作れる周期は、2、3、7、12

 3項間漸化式では漸化式は2通り、作れる周期は、2、3です。

 5項間漸化式の(8)のような、k項間漸化式の a[n+(k-1)]=a[n] という式は、周期がk-1(ある
いはその約数)になりますので、任意の周期が漸化式で作れることになります。

 一般項を四則と(虚数が登場しない)べき乗で書き表せる形が作れるかどうかはわかりま
せんが、少なくとも全解が実数解であるような方程式が作れることは簡単にわかります。
(少しつっこんで研究すれば簡単な形の一般形が作れるかも知れません)

# a[n+(k-1)]=a[n]は「k項間漸化式」とは言い難いですが、これは偶奇を調べるために簡略
 化しただけで、a[n+(k-2)]〜a[n+1]の係数が偶数、a[n]の係数が奇数である式、ということ
 です。


 DD++さんからのコメントです。(令和元年10月5日付け)

 なるほど、確かに偶奇しか気にしないのだからどうとでもなる話でしたね、と思ったのです
が、そうでもなかったようです。

 x^4-3x^3-x^2+5x-1=0 の最終的に得られる解は確かに実数でも、wolfram先生曰く、その
解を代数的に表記すると中身に虚数が出てくるらしいです。


 らすかるさんからのコメントです。(令和元年10月5日付け)

 きちんと実数で書き表せる解を持つように考え直しました。

 (x^2+ax+1)(x^2+bx+1)=x^4+(a+b)x^3+(ab+2)x^2+(a+b)x+1

であり、a+bとab+2が奇数になればよいので、例えば、a+b=-1、ab+2=-5 として解くと、

 a、b=(-1±√29)/2  (この2値の選び方が悪いと4実数解になりません)

従って、四次方程式を x^4-x^3-5x^2-x+1=0 とすると、これは、

  (x^2-((√29+1)/2)x+1)(x^2+((√29-1)/2)x+1)=0

と因数分解できますので、4解が、

 {(1+√29)±√(14+2√29)}/4, {(1-√29)±√(14-2√29)}/4

と実数で書き表せる形に求まります。(WolframAlphaでも確認できます)

よって、 a[0]=a[1]=a[2]=0、a[3]=1、a[n+4]=-a[n]+a[n+1]+5a[n+2]+a[n+3] ならば、大丈夫で
すね。

# a、b を具体的に計算しなくても、結局 x^4+sx^3+tx^2+sx+1 という相反方程式で4実数解を
 持つものを適当に探せば、虚数を使わずに書き表せる解になるということですね。



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