・πとの関連性                           GAI 氏

 ζ(s)=1+1/2^s+1/3^s+1/4^s+1/5^s+・・・・・ は、sが偶数ならその値にはπが姿を現すが、
sが奇数なら現れない。

 ところがひょんなことから、奇数だけを取り込み、交代級数にしてみると、sが奇数でも

 1-1/3^3+1/5^3-1/7^3+1/9^3-1/11^3+・・・・・=π^3/32

となり、πがひょっこり出現すると気付いた。すっかり3乗ではπとは無縁と思っていたので
意外であった。
(しかし、これはあくまで数値計算的に一致しそうという意味での等式で、なぜそうなるのか
はわからない。何方か証明してくれませんか。)

 そこで何を取り込んでいくとπと関連付けられるのか調べてみた。

いろいろ試してみた中で、

1-1/2^3+1/4^3-1/5^3+1/7^3-1/8^3+1/10^3-1/11^3+1/13^3-1/14^3+・・・=4*π^3/(81*√3)
(3と互いと素なものを使い、符号は交互にする。)

1-1/5^3+1/7^3-1/11^3+1/13^3-1/17^3+1/19^3-1/20^3+1/22^3-1/23^3+・・・=π^3/(18*√3)
(6と互いと素なものを使い、符号は交互にする。)

1+1/3^3-1/5^3-1/7^3+1/9^3+1/11^3-1/13^3-1/15^3+1/17^3+1/19^3-1/21^3-1/23^3+・・・
=3*π^3/(64*√2)
(8と互いに素なものを使い、符号は、+,+,-,-を繰り返していく。)

1+1/2^3-1/3^3+1/4^3-1/5^3-1/6^3+1/8^3+1/9^3-1/10^3+1/11^3-1/12^3-1/13^3+・・・
=32*π^3/(343*√7)
(7と互いに素なものを使い、符号は、+,+,-,+,-,-を繰り返していく。)

などどすれば、πと関連付いた。また、5乗においても、

1-1/3^5+1/5^5-1/7^5+1/9^5-1/11^5+・・・=5*π^5/1536

1-1/2^5+1/4^5-1/5^5+1/7^5-1/8^5+1/10^5-1/11^5+・・・=4*π^5/(729*√3)

と、やはりπとの関連性が生まれる。この様に符号も含め何を取り込めばそうなるのかを判
断できるものはあるのですかね?


 at さんからのコメントです。(平成31年4月12日付け)

 「解析概論」の 第5章 64節 によれば、

 1-1/3^(2*k+1)+1/5^(2*k+1)-1/7^(2*k+1)+1/9^(2*k+1)-1/11^(2*k+1)+ …
=E(k)*π^(2*k+1)/((2*k)!*2^(2*k+2))

となるそうです。ここで、E(n) は次の漸化式で定められる数列です。

 E(0)=1 、E(n)=Σ[k=1,n]comb(2*n,2*k)*((-1)^(k+1))*E(n-k) (n≧1)

 この本に詳細な証明が載っています。


 GAI さんからのコメントです。(平成31年4月13日付け)

 F(s)=納k=1,∞](-1)^(k-1)/k^(2*s+1) と置いて、公式を使わせてもらったら、

F(0)=>1*Pi^1/(4)
F(1)=>1*Pi^3/(32)
F(2)=>5*Pi^5/(1536)
F(3)=>61*Pi^7/(184320)
F(4)=>1385*Pi^9/(41287680)=277*Pi^9/8257536
F(5)=>50521*Pi^11/(14863564800)
F(6)=>2702765*Pi^13/(7847962214400)=540553*Pi^13/1569592442880
F(7)=>199360981*Pi^15/(5713316492083200)
F(8)=>19391512145*Pi^17/(5484783832399872000)=3878302429*Pi^17/1096956766479974400
F(9)=>2404879675441*Pi^19/(6713375410857443328000)
F(10)=>370371188237525*Pi^21/(10204330624503313858560000)
    =14814847529501*Pi^21/408173224980132554342400
  ・・・・・・・・・・・

と並び、正にπが奇数冪にも関わらず出現してきました。この時、整理して並んだ数の

 分子の列は、「A046976」、分母の列は、「A053005」 と、ちゃんと載っているではありませ
んか!しかも、分子の列は、Numerators of Taylor series for sec(x) = 1/cos(x) であると!

 ほんとに裏ではいろいろなものたちが力を合わせて動いていることを感じ取れます。これら
にまつわる認識が解析概論に書かれていたとは(本は持っていて何度か読んではいたんで
すが、未だ眼光紙背に徹っしていませんでした。)貴重な情報ありがとうございました。

 しかし、ζ(3)に、πの出現を拒んでいる本質は一体どこにあるんですかね?

 ζ(2)=3*納n=1,∞]1/(n^2*binomial(2*n,n))、ζ(4)=36/17*納n=1,∞]1/(n^4*binomial(2*n,n))

であるのに対し、

 ζ(3)=5/2*納n=1,∞](-1)^(n-1)/(n^3*binomial(2*n,n))

となっていることが何か関連しているのではと睨んでいるんですが・・・。


 「e と π と ζ(s) の繋がり」と題して、GAI さんからのご投稿です。
                                      (令和元年12月24日付け)

 リーマンのζ(s)関数は、sが偶数であるときはπを含んだ明示式で示され、その値を出す
のに、オイラーは、sin(x)での展開式

sin(x) = x - 1/6*x^3 + 1/120*x^5 - 1/5040*x^7 + 1/362880*x^9
       - 1/39916800*x^11 + 1/6227020800*x^13 - 1/1307674368000*x^15 + O(x^17)

を上手く活用し、一方、上記の展開式は、

(exp(x)-exp(-x))/2 = x + 1/6*x^3 + 1/120*x^5 + 1/5040*x^7 + 1/362880*x^9
       + 1/39916800*x^11 + 1/6227020800*x^13 + 1/1307674368000*x^15 + O(x^17)

とeの式を含むものと深く関係をもつ。

 これらについていろいろと弄っていたら、思ってもいない次の関係が出現してきた。

ζ(2)/π^2 - ζ(4)/π^4 + ζ(6)/π^6 - ζ(8)/π^8 + ・・・+ (-1)^(n+1)*ζ(2*n)/π^(2*n) + ・・・

= 1/e^2 + (1/e^2)^2 + (1/e^2)^3 + (1/e^2)^4 + (1/e^2)^5 + (1/e^2)^6 + ・・・


 信じ難かったが計算機で確かめたら一致しそうであった。

gp > sumalt(n=1,(-1)^(n+1)*zeta(2*n)/Pi^(2*n))
%108 = 0.15651764274966565181808062346542391646
gp > sumpos(n=1,1/exp(2)^n)
%109 = 0.15651764274966565181808062346542391646

 もし、これが成立するのであれば、通常展開するのに分母をn^sで処理するゼータや n! で
処理するラプラス展開の他にも、π^s を用いて関数を眺めてみることも、視点を広げること
に繋がりそうです。


 らすかるさんからのコメントです。(令和元年12月24日付け)

 WolframAlphaで計算すると、1/(e^2-1)となりますので合ってますね。

 1/e^2+(1/e^2)^2+… の方はただの等比級数なので、1/(e^2-1)と書いた方が良い気がし
ますが...。



                         投稿一覧に戻る