・天には神はいるのか?                     GAI 氏

 水星、金星、地球、火星、木星、土星の軌道に関して、ケプラーは、1596年発表の書物に、
太陽からの距離に関し、「正多面体」での入れ子構造を当てはめ、天が如何に数学的調和
が成立しているかに感激している歴史が遺されているが、はたしてこれはどれ位の精度で
判断したものか?

 ケプラーによると、太陽から一定の距離に水星の軌道を含む球面があり、さらに、これに
外接する正八面体、その外接球面に金星が動き、これに外接する正二十面体、その外接
球面に地球が動き、これに外接する正十二面体、その外接球面に火星が動き、これに外
接する正四面体、その外接球面に木星が動き、これに外接する正六面体、その外接球面
に土星が動いているとした。

 これの検証をやってみた。

 正八面体での内接球、外接球の半径を r8、R8 とすると、正多面体の一辺の長さを a と

し、r8=a/√6、R8=a/√2 から、r8:R8=1:√3=1:1.7320508・・・(A)

 同じく、他の正n多面体での内接球、外接球の半径 rn、Rn は、

 r20=(3*√3+√15)*a/12、R20=√(10+2*√5)*a/4 から、r20:R20=1:1.2584085・・・(B)

 r12=√(25+11*√5)/40)*a、R12=(√15+√3)/4*a から、r12:R12=1:1.2584085・・・(C)

 r4=1/√24*a、R4=√(3/8)*a から、r4:R4=1:3・・・(D)

 r6=a/2、R6=√3/2*a から、r6:R6=1:√3=1:1.7320508・・・(E)

 一方、各惑星の太陽からの距離は地球から太陽までの距離を1(au)で表すと、

水星:0.38710(au)
金星:0.72333(au)
地球:1(au)
火星:1.52366(au)
木星:5.20260(au)
土星:9.55491(au)

から、

水星:金星=1:0.72333/0.38710=1:1.94968・・・ で、(A)との開きが生じる。
金星:地球=0.72333:1=1:1/0.72333=1:1.38251・・・ で、(B)との開きあり。
地球:火星=1:1.52366  (C)と比較
火星:木星=1.52366:5.20260=1:5.20260/1.52366=1:3.41454・・・ (D)と比較
木星:土星=5.20260:9.55491=1:9.55491/5.20260=1:1.83656・・・ (E)と比較

 この様に、人類初で惑星軌道を円ではなく、楕円であると見破ったケプラーでさえ神の存
在を暗に意識して、無理やりにも調和の構造を持ち込もうとする先入感に囚われているの
ではと思わされる。逆にデータを純粋に読み取ることは難しいのだろうか。
(その人の世界観が大きく関与するのか?)


 DD++さんからのコメントです。(平成31年3月8日付け)

 先入観に囚われているのは、GAIさんの方ではないかと思います。21世紀の常識を当然
のものとして考えていませんか?ケプラーの時代って、ニュートンが登場するよりもはるか
に前ですよ?



                         投稿一覧に戻る