四元数の4つの単位元を 1、i、j、k とする。即ち、
i^2=j^2=k^2=-1 、i*j=k 、j*k=i 、k*i=j 、j*i=-i*j 、k*j=-i 、i*k=-i
を満たす。このとき、この4つの単位元を要素にもつ2×2行列
A=[1 i]
[j k]
の逆行列A^-1はどうなるか?
PBさんからのコメントです。(平成31年3月1日付け)
四元数要素の逆行列ですが、
A^-1=(1/2)[ 1 -j ]
[ -i -k ]
とおけば、
A(A^-1)=(1/2) [ 1 i ] [ 1 -j ]=(1/2) [ 1-i^2 -j-jk ] =[ 1 0 ]
[ j k ] [ -i -k ] [ j-ki -j^2-k^2 ] [ 0 1 ]
(A^-1)A=(1/2) [ 1 -j ] [ 1 i ]=(1/2) [ 1-j^2 -i-jk ] =[ 1 0 ]
[ -i -k ] [ j k ] [ -i-kj -i^2-k^2] [ 0 1 ]
です。
PS:四元数の単位元の定義の最後の式は、「i*k=-j」と思います。また、統一性を持たせる
なら、「j*i=-j*i」の式も「j*i=-k」でしょうか…。
GAI さんからのコメントです。(平成31年3月1日付け)
一般に、2×2行列の逆行列に関しては、実数を成分とし、
A=[a11 a12]
[a21 a22]
に対し、その逆行列A^-1は、
A^-1=1/(a11*a22-a12*a21)*[a22 -a12]
[-a21 a11]
で済ましてきた。これは、各成分が積に関して交換法則が成立しているからであり、四元数
のような交換法則が成立しないものには適応できない。
この時は、
|A|11=a11-a12*a22^-1*a21 (右回り)
|A|12=a12-a11*a21^-1*a22 (左回り)
|A|21=a21-a22*a12^-1*a11 (左回り)
|A|22=a22-a21*a11^-1*a12 (右回り)
として、
A^-1=[|A|11^-1 |A|21^-1]
[|A|12^-1 |A|22^-1]
で構成してやるとうまくいく。
A=[1 i]
[j k]
なら、
|A|11=1-i*k^1*j=1+i*k*j=1-j^2=1+1=2
|A|12=i-1*j^-1*k=i+j*k=i+i=2*i
|A|21=j-k*i^-1*1=j+k*i=j+j=2*j
|A|22=k-j*1^-1*i=k-j*i=k+k=2*k
に対して、
A^-1=[2^-1 (2*j)^-1]
[(2*i)^-1 (2*k)^-1]
=[1/2 -j/2]
[-i/2 -k/2]
=-1/2*[-1 j]
[ i k]
これで確かに、
A*A^-1=A^-1*A=[1 0]
[0 1]
が成立する。この方法は、また従来の
A=[1 2]
[3 4]
に対しても、
|A|11=1-2*4^-1*3=1-2/4*3=-1/2
|A|12=2-1*3^-1*4=2-1/3*4=2/3
|A|21=3-4*2^-1*1=3-4/2=1
|A|22=4-3*1^-1*2=4-6=-2
よって、
A^-1=[(-1/2)^-1 1^-1]
[(2/3)^-1 (-2)^-1]
=[-2 1]
[3/2 -1/2]
=-1/2*[ 4 -2]
[-3 1]
となり、何ら遜色ない。
DD++さんからのコメントです。(平成31年3月2日付け)
何ら遜色ないことはないですね。
[1 1]
[0 1]
に対してとか。
GAI さんからのコメントです。(平成31年3月3日付け)
計算上 0^-1 が出現する所の成分は"0"として置くでどうでしょう?