4項間漸化式 X(0) = 3、X(1) = 1、X(2)=7、X(n+2)=3X(n+1)-12X(n-1) の一般項 X(n) を
求めなさい。
3項間のような公式等はないのでしょうか。手も足も出ません。よろしくお願い致します
らすかるさんからのコメントです。(平成31年1月31日付け)
x[n+2]=3x[n+1]-12x[n-1] が、
x[n+2]+ax[n+1]+bx[n]=c(x[n+1]+ax[n]+bx[n-1])
と変形できたとすると、 c-a=3 、ac-b=0 、bc=-12
これを解いて、
a=-2-(5+2√6)^(1/3)-(5-2√6)^(1/3)≒-4.61
b=2{(9+3√6)^(1/3)+(9-3√6)^(1/3)}≒7.44
c=1-(5+2√6)^(1/3)-(5-2√6)^(1/3)≒-1.61
ここで、 y[n]=x[n+2]+ax[n+1]+bx[n] とおくと、y[n]=cy[n-1] 、y[0]=a+3b+7 なので、
y[n]=(a+3b+7)c^n
よって、 x[n+2]+ax[n+1]+bx[n]=(a+3b+7)c^n
a+3b+7=d≒24.7 とおいて、 x[n+2]+ax[n+1]+bx[n]=dc^n
これが、
x[n+2]+ex[n+1]+fc^(n+1)=g(x[n+1]+ex[n]+fc^n)
と変形できたとすると、 e-g=a 、eg=-b 、fg-fc=d
これを解いて(解の1組は)、
e=(i√(4b-a^2)+a)/2≒-2.31+1.46i
g=(i√(4b-a^2)-a)/2≒2.31+1.46i
f=d/(g-c)≒5.54-2.06i
ここで、 z[n]=x[n+1]+ex[n]+fc^n とおくと、 z[n+1]=gz[n] 、z[0]=3e+f+1 なので、
z[n]=(3e+f+1)g^n
よって、 x[n+1]+ex[n]+fc^n=(3e+f+1)g^n
3e+f+1=h≒-0.380+2.31i とおいて、 x[n+1]+ex[n]+fc^n=hg^n
これが、
x[n+1]+jc^(n+1)+kg^(n+1)=-e(x[n]+jc^n+kg^n)
と変形できたとすると、 jc+ej=f 、kg+ke=-h
これを解いて、
j=f/(c+e)≒1.41
k=-h/(e+g)≒-0.79-0.13i
ここで、 w[n]=x[n]+jc^n+kg^n とおくと、 w[n+1]=-ew[n] 、w[0]=j+k+3 なので、
w[n]=(j+k+3)(-e)^n
よって、 x[n]=(j+k+3)(-e)^n-jc^n-kg^n
従って、数列の一般項は、上記の変数を整理して、 x[n]=(3-j-k)e^n+jc^n+kg^n
ただし、 a=2+(5+2√6)^(1/3)+(5-2√6)^(1/3) 、b=2{(9+3√6)^(1/3)+(9-3√6)^(1/3)}
c=1-(5+2√6)^(1/3)-(5-2√6)^(1/3) 、d=√(4b-a^2) 、e=(a-id)/2 、g=(a+id)/2
f=(3b-a+7)/(g-c) 、j=f/(e-c) 、k=i(3e-f-1)/d (iは虚数単位)
さらに計算をゴリゴリ進めたところ、数列の一般項は、ωを1の虚数三乗根として
x[n]={{(9+3√6)^(1/3)+(9-3√6)^(1/3)}/9+1}・{1-(5+2√6)^(1/3)-(5-2√6)^(1/3)}^n
+{{(ω)(9+3√6)^(1/3)+(ω^2)(9-3√6)^(1/3)}/9+1}・{1-(ω^2)(5+2√6)^(1/3)-(ω)(5-2√6)^(1/3)}^n
+{{(ω^2)(9+3√6)^(1/3)+(ω)(9-3√6)^(1/3)}/9+1}・{1-(ω)(5+2√6)^(1/3)-(ω^2)(5-2√6)^(1/3)}^n
と書けることがわかりました。定数を定義して見やすくすると、
a=(9+3√6)^(1/3)、b=(9-3√6)^(1/3)、c=(5+2√6)^(1/3)、d=(5-2√6)^(1/3)、e=(-1+i√3)/2、
f=(-1-i√3)/2 として、
x[n]={(a+b)/9+1}(1-c-d)^n+{(ae+bf)/9+1}(1-cf-de)^n+{(af+be)/9+1}(1-ce-df)^n
となります。ちなみに、
{(9+3√6)^(1/3)+(9-3√6)^(1/3)}/9+1 と{(ω)(9+3√6)^(1/3)+(ω^2)(9-3√6)^(1/3)}/9+1
と
{(ω^2)(9+3√6)^(1/3)+(ω)(9-3√6)^(1/3)}/9+1 は、81x^3-243x^2+234x-74=0 の3解、
1-(5+2√6)^(1/3)-(5-2√6)^(1/3) と1-(ω^2)(5+2√6)^(1/3)-(ω)(5-2√6)^(1/3) と
1-(ω)(5+2√6)^(1/3)-(ω^2)(5-2√6)^(1/3) は、x^3-3x^2+12=0 の3解です。
つまり、 81x^3-243x^2+234x-74=0 の3解を、s[0]、s[1]、s[2]、
x^3-3x^2+12=0 の3解を、t[0]、t[1]、t[2] (ただしs[k]とt[k]の虚数部の符号が同じ)
とすれば、 x[n]=s[0]t[0]^n+s[1]t[1]^n+s[2]t[2]^n と表せるということです。
S(H)さんからのコメントです。(平成31年2月1日付け)
初期値は、x0=3,x1=1,x2=7 と判明。漸化式が
x[n + 2] = 3*x[n + 1] + 4*x[n] - 12*x[n - 1]
なら、真に超容易です。らすかる様の最後の箇所を讀んでくだされば 瞬時に解けます。
x[n]=(-2)^n+3 2^n-3^n が答えです。
GAI さんからのコメントです。(平成31年2月1日付け)
x[n+3]=3*x[n+2]+4*x[n+1]-12*x[n] 、x[0]=3、x[1]=1、x[2]=7 なら、
y0[n]=x[n]、y1[n]=x[n+1]、y2[n]=x[n+2] として、Y[n]=[y0[n] y1[n] y2[n]]~ (3×1行列) とす
れば、行列A={[0,1,0],[0,0,1],[-12,4,3]}に対して、 Y[n+1]=A*Y[n] 、Y[0]=[3 1 7]~ なる関
係を持つ。つまり、A*[x[n] x[n+1] x[n+2]]~=[x[n+1] x[n+2] x[n+3]]~ の関係にある。
そこで、行列Aのn乗A^nを求めることを行う。Aの最小多項式を求めると、
x^3 - 3*x^2 - 4*x + 12 で、これを因数分解して、(x - 3 1)(x - 2 1)(x + 2 1) から、固有
値 -2、2、3 がわかり、この固有値に対するスペクトル分解を満たす関数 fi(x) (i=1,2,3) を作
る。
f1(A)=f1(-2)*z11+f1(2)*z21+f1(3)*z31
f1(z)=1 に対しては、I=1*z11+1*z21+1*z31 (Iは3次正方行列の単位行列)・・・・・(1)
f2(A)=f2(-2)*z11+f2(2)*z21+f2(3)*z31
f2(z)=zに対しては、A=-2*z11+2*z21+3*z31・・・・・(2)
f3(A)=f3(-2)*z11+f3(2)*z21+f3(3)*z31
f3(z)=z^2に対しては、A^2=4*z11+4*z21+9*z31・・・・・(3)
この3つの式から、[I A A^2]~=B*[z11 z21 z31]~
但し、B={[1,1,1],[-2,2,3],[4,4,9]} なる行列である。
これより、Bの逆行列を利用して、z11、z21、z31を解くと、
B^-1={[3/10,-1/4,1/20],[3/2,1/4,-1/4],[-4/5,0,1/5]}
I=matid(3)={[1,0,0],[0,1,0],[0,0,1]}
z11= 3/10*matid(3)-1/4*A+1/20*A^2={[3/10,-1/4,1/20],[-3/5,1/2,-1/10],[6/5,-1,1/5]}
z21= 3/2*matid(3)+1/4*A-1/4*A^2={[3/2,1/4,-1/4],[3,1/2,-1/2],[6,1,-1]}
z31= -4/5*matid(3)+1/5*A^2={[-4/5,0,1/5],[-12/5,0,3/5],[-36/5,0,9/5]}
ここで、f(z)=z^n とすることで、f(A)=f(-2)*z11+f(2)*z21+f(3)*z31 より、
A^n=(-2)^n*z11+2^n*z21+3^n*z31
が手に入る。
Y[n]=[x[n] x[n+1] x[n+2]]~=A^n*Y[0]=A^n*[3 1 7]~ であることからA^nの第一行に着目して、
20*x[n]=3*{6*(-2)^n+30*2^n-16*3^n}+1*{-5*(-2)^n+5*2^n}+7*{(-2)^n-5*2^n+4*3^n}
=(18-5+7)*(-2)^n+(90+5-35)*2^n+(-48+28)*3^n
=20*(-2)^n+60*2^n-20*3^n
即ち、 x[n]=(-2)^n + 3*2^n - 3^n
これを計算していくと、
{x[n]};
{3,1,7,-11,-17,-179,-473,-1931,-5537,-18659,-54953,-173051,-515057,-1577939,-4717433,
-14283371,-42784577,-128878019,-386371913,-1161212891,-3482590097,-10456158899,
-31364282393,-94126401611,・・・}
が現れる。
らすかるさんからのコメントです。(平成31年2月1日付け)
移項して、 x[n+2]-3x[n+1]-4x[n]+12x[n-1]=0
x^3-3x^2-4x+12=(x+2)(x-2)(x-3) から、x^3-3x^2-4x+12=0 の解は、-2,2,3なので、
前に解いた違う問題の結果から、x[n]=a・(-2)^n+b・2^n+c・3^n と表せることが予想できる。
x[0]=a+b+c=3 、x[1]=-2a+2b+3c=1 、x[2]=4a+4b+9c=7 を解くと、a=1、b=3、c=-1
x[n]=(-2)^n+3・2^n-3^n とおくと、
3x[n+1]+4x[n]-12x[n-1]
={3・(-2)^(n+1)+4・(-2)^n-12・(-2)^(n-1)}+3{3・2^(n+1)+4・2^n
-12・2^(n-1)}-{3・3^(n+1)+4・3^n-12・3^(n-1)}
={12・(-2)^(n-1)-8・(-2)^(n-1)-12・(-2)^(n-1)}+3{12・2^(n-1)+8・2^(n-1)
-12・2^(n-1)}-{27・3^(n-1)+12・3^(n-1)-12・3^(n-1)}
=-8・(-2)^(n-1)+3・8・2^(n-1)-27・3^(n-1)
=(-2)^(n+2)+3・2^(n+2)-3^(n+2)
=x[n+2]
となり、漸化式も満たす。
従って、一般項は、x[n]=(-2)^n+3・2^n-3^n と表せる。
(コメント) 私も上記の4項間漸化式に挑戦してみました。(平成31年2月2日付け)
問 題 漸化式 x1=3、x2=1、x3=7、xn+3−3xn+2−4xn+1+12xn=0 を解け。
(解) 与えられた漸化式は、 xn+3−5xn+2+6xn+1=−2(xn+2−5xn+1+6xn) と変形さ
れるので、
xn+2−5xn+1+6xn=(−2)n-1(7−5+18)=5(−2)n+1
さらに、この漸化式は、 xn+2−2xn+1−2(−2)n+1=3(xn+1−2xn−2(−2)n) と変形
されるので、
xn+1−2xn−2(−2)n=3n-1(1−6+4)=−3n-1
よって、 xn+1−2xn=2(−2)n−3n-1=−(−2)n+1−3n-1
ここで、 yn=xn/(−2)n とおくと、 yn+1+yn=−1−3n-1/(−2)n+1
この漸化式は、 yn+1+3n/(−2)n+1=−(yn+3n-1/(−2)n)−1 と変形される。
ここで、 zn=yn+3n-1/(−2)n とおくと、 zn+1=−zn−1 と書ける。
ただし、 z1=y1−1/2=−x1/2−1/2=−2
よって、 zn+1+1/2=−(zn+1/2) より、 zn+1/2=(−3/2)(−1)n-1
すなわち、 zn=−1/2+(−3/2)(−1)n-1 より、
yn=−1/2+(−3/2)(−1)n-1−3n-1/(−2)n
したがって、 xn=(−2)nyn=(−2)n-1+3・2n-1−3n-1 (終)
#らすかるさんやGAIさんの結果と一致して安心しました!