・算数の超難問!                    S(H)氏

 「ジュニア算数オリンピック2009ファイナル」の問題です。(平成30年8月31日付け)

(参考文献) 受験算数にチャレンジ  算数星人のWEB問題集


 三角形ABCは、AC=19/2cmで、面積が15cu です。BCの中点をDとすると、

∠ADC=135°になりました。このとき、ABの長さは、何cmですか?

      


 S(H)さんによれば、座標を設けて、A(x,y)、B(0,0)、C(a,0)、a = BC、AB = r とし、

 x^2 + y^2 = r^2 、 (x - a)^2 + y^2=(95/10)^2 、y = Tan[135°]*(x - a/2)}

さらに、 s = (r + a + 95/10)/2 とおき、面積 = 15 から、s(s - a)(s - 95/10)(s - r)] = 225

 これから、 r と a を求めて、 r = AB = 11/2 となる。


 DD++さんからのコメントです。(平成30年9月1日付け)

 唐突に面積が書いてあるということは、図形並べ替え系だろうということと、長さが1箇所し
かわからないので、正方形くらいしか作れそうにないということから、とりあえず、直角三角
形にぶった切ればよさそうだと判断。

 図が2種類作れるので個別に...。

(i) AD<CD の場合

 点 A から辺 BC に垂線を引き、その足を H とします。△ABC は △ABH と △ACH に分
割されます。

     

 これら2種類の直角三角形の板を 4 枚ずつ用意します。

 △ACH 型の板 4 枚を、9.5 cm の辺がそれぞれ正方形の外周になるように 90°ずつ向
きを変えて並べます。このとき、内部に正方形の隙間ができますが、その辺の長さは、

  CH-AH = CH-DH = CD = BD = BH+DH = BH+AH
(∵∠ADH=45° なので、△ADH は直角二等辺三角形で、AH=DH )

 つまり、△ABH の直角を挟む2辺の長さの和になっているので、4枚の △ABH 型の板を
直角を隙間の角に合わせるように 90°ずつ向きを変えて置いていくと、再び内部に正方形
の隙間ができます。

     

 その辺の長さは AB に等しいですが、一方で、この正方形の隙間の面積は、

  9.5*9.5 - 15*4 = 90.25 - 60 = 30.25 = 5.5*5.5 cm^2

なので、AB の長さは 5.5 cm とわかります。

(ii) AD>CD の場合

     

 この三角形を線分 AD で切断し、△ABD だけを点 D を中心に 180° 回転させます。する
と、(i) と同一の図形になるので、AB の長さは 5.5 cm とわかります。

 いずれにせよ、AB の長さは 5.5 cm です。


(コメント) DD++さんのアイデアは素晴らしいですが、なかなか気づきにくいですね!方程
      式を立てて解いてみました。

     

(解) AH=x、BD=CD=y とおくと、△ABCの面積が15であることから、

   (1/2)・2y・x=xy=15

 また、△AHCにおいて、三平方の定理より、 x2+(x+y)2=(19/2)2=361/4

 すなわち、 2x2+y2+2xy=361/4 より、 2x2+y2=241/4

 よって、 AB2=x2+(y−x)2=2x2+y2−2xy=241/4−30=121/4 より、

  AB=11/2  (終)



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