これからの時代に必要な能力として学力の3要素が唱えられて久しい。平成19年の学校
教育法改正で、小学校における「学力の3要素」が定義され、高校における「学力の3要素」
は、高大接続改革答申で次のように示されている。
<学力の3要素>
○ 基礎的な知識・技能・・・生きる力としての基本的な知識のうち、何を理解しているか
○ 思考力・判断力・表現力・・・理解していることをどう使うか
○ 主体性・多様性・協働性・・・どのように周囲の環境・世界と関わるか
この3要素をバランスよく育むことが学校教育に求められるようになったわけであるが、日
本のトップ層では従来から当然のごとく身につけられている力である。
次期学習指導要領では、各教科における知識・技能の修得に加え、「思考力・判断力・表
現力」と「主体性・多様性・協働性」も育てていこうというスタンスである。この方向性のもと、
高大接続改革の目玉は、高校での学びをいかに大学での学びに繋げていくかということで
大学入試においても「思考力・判断力・表現力」や「主体性・多様性・協働性」が身に付いて
いるのかを問う方向性にある。
今、その方向性のもと大学入学共通テストが構築されようとしているが、まだ迷走中のよう
に感じる。
次期学習指導要領のいいところは、これまで学習計画の立案が教科内にとどまっていた
のに対して、学校全体で教科の枠を越えて学習計画を策定することが可能になったことだ
ろう。今までも教科横断的な取組を行っている学校があったわけであるが、それが普通の
形になるわけだ。
さらに、取組の中でPDCAサイクルにより、柔軟に変更が可能になった。各学校でのカリ
キュラム・マネジメントがこれからの特色ある高校作りに生かされていくことは好ましいこと
である。ただし、「どのように学ぶか」、「主体的・対話的で深い学び」の実現にはどうするか
など、言うは易しいが悩ましい。