誰かと、「何時何分頃、○○で」という形で待ち合わせの約束をすることが多い。その場
合、男同士なら大抵約束の時間に確実に会うことができるが、男女間だと、必ず、男が待
たされる。男性は、約束の時間前に、約束の場所に着こうと努力するが、女性は、なぜか
遅れることが多い。
遅れた理由をいろいろ聞かされるが、「いや〜、僕も今来たばかりだから〜」とか言って、
ついつい許してしまう。多分、これは男の性（さが）なのだろう。
現実の世界では、このように大雑把な待ち合わせで十分であるが、次のような厳格な世
界ではどうであろうか？
今二人が次のような待ち合わせの約束をした。
Ｍデパートの前で、午後１時から午後1時３０分の間に会おう。
ただし、二人とも、着いたら１５分間は待ち続け、その後は直ちに立ち去るものとし、その
３０分間の任意の時刻に着くことは同様に確からしいものとする。
二人が３０分間に出会える確率はいくらであろうか？
１５分間だけ待って、後は直ぐ帰ってしまうということを実際に実行したら、「円滑な社会
生活は成り立たないだろうな〜」ということを考えながら、この問題を、単純な数学の問題
として考えてみよう。
二人の到着時刻を、それぞれ 午後１時 ｘ 分 ，午後１時 ｙ 分 とする。
題意より、 ０ ≦ ｘ ≦ ３０ 、０ ≦ ｙ ≦ ３０ である。
二人が出会えるための必要十分条件は、 | ｘ − ｙ | ≦１５ である。
左図の正方形の面積は、 ３０×３０＝９００
水色の六角形の面積は、
９００−１５×１５＝６７５
よって、求める確率は、
６７５/９００＝ ３/４
約束の時間の半分だけ互いに待てば、確率 ３/４ で出会うことができるわけで、かなり
高い確率で二人は出会うことができる。
理論的にそうであっても、やはり、男は約束の時刻前から待ち続けるのだろう。確率を １
にするために．．．。
