昔、2、3項間での漸化式を解いたことがある人は、是非、次の漸化式にも挑戦してみて
下さい。
数列 {a(n)} が5項間の漸化式: a(n+4)=−2a(n+3)+3a(n+2)+4a(n+1)−4a(n)
ただし、a(0)=1、a(1)=-1、a(2)=1、a(3)=-1 で生み出されてくるという。
この時の数列での第n項 a(n) を式で表現して下さい。
S(H)さんからのコメントです。(平成30年7月22日付け)
a(n)=(1/27)(7+5・(-1)n・22 + n−6n−3・(-1)n・21 + n・n) で、
1, -1, 1, -1, -3, 11, -39, 103, -267, 643, -1519, 3487, -7891,17595, -38839, 84951,
-184475, 398067, -854399, 1825295,....
なる数列である。
(コメント) 面白そうなので、解いてみた。
まず、 a(n+4)−a(n+3)+3(a(n+3)−a(n+2))−4(a(n+1)−a(n))=0 と組み合わせて、
b(n)=a(n+1)−a(n) とおくと、 b(n+3)+3b(n+2)−4b(n)=0
ここで、 b(0)=−2、b(1)=2、b(2)=−2
さらに、 b(n+3)+2b(n+2)+b(n+2)+2b(n+1)−2(b(n+1)+2b(n))=0 から、
c(n)=b(n+1)+2b(n) とおくと、 c(n+2)+c(n+1)−2c(n)=0
ここで、 c(0)=−2、c(1)=2
これは、3項間漸化式で、よく知られた解法で一般項を求めると、
c(n)=−(1/3)(2+(−2)n+2) 、b(n)=(2/9)((3n−8)(−2)n−1)
あとは、階差数列の公式を用いれば、a(n)が求められる。
n≧1のとき、
a(n)=a(0)+(2/9)(Σk=0〜n-1{(3k−8)(−2)k−1}
=1+(2/9)Σk=0〜n-1(3k−8)(−2)k−(2/9)n
ここで、 Sn=Σk=0〜n-1(3k−8)(−2)k とおくと、
−2Sn=Σk=0〜n-1(3k−8)(−2)k+1 なので、辺々引いて、
3Sn=−8+3{(−2)1+(−2)2+・・・+(−2)n-1}−(3n−11)(−2)n
=−8+(−2)1(1−(−2)n-1}−(3n−11)(−2)n
=−10−(−2)n−(3n−11)(−2)n
=−10−(3n−10)(−2)n
なので、 Sn={−10−(3n−10)(−2)n}/3
これを上式に代入して、
a(n)=1+(2/9){−10−(3n−10)(−2)n}/3−(2/9)n
=(1/27){7+(3n−10)(−2)n+1−6n}
これは、n=0のときも成り立つ。
よって、0以上の整数nに対して、数列の第n項 a(n) は、
a(n)=(1/27){7+(3n−10)(−2)n+1−6n}
#5項間漸化式を解くのは多分生涯初めて...カナ?何とか、5項間から4項間へ、そして
4項間から3項間へ導くことが出来たので運良く解くことが出来ました。一般の5項間漸化
式だと解ける気がしないですね!多分解けたのは、GAI さんの親心でしょうか...。
最後の結果は、S(H)さんの結果と一致しているので安心しました。