「与えられた立方体の2倍の体積を持つ立方体を作図する」(立方体倍積問題)ことは
不可能である。これは、が定木とコンパスで作図出来ないからである。ところが、折り紙
だったら、実は、を作図することができる。
この話題について、まとめたいと思う。
焦点(0,1)、準線 y=−1の放物線C1: 4y=x2 と焦点(2,0)、準線 x=−2の放物線
C2: y2=8x を考え、2つの放物線に共通接線を引く。
放物線C1上の接点の座標を(p,q)とおくと、接線の方程式は、2(y+q)=px と書ける。
この接線が放物線C2にも接するので、 y2=8・2(y+q)/p 即ち、py2−16y−16q=0
が重解を持つことから、 64+16pq=0 よって、 pq=−4
また、4q=p2 なので、 p3=−16 より、 p=−2 で、 q=()2
したがって、接線の方程式は、 2(y+()2)=−2x より、 y=−x−()2
この接線に関して、点(0,1)と対称な点の座標(a,b)を求める。
(b−1)/a・(−)=−1 より、 a=(b−1)
(b+1)/2=−(a/2)−()2 より、 b+1=−a−2()2
よって、 b+1=−()2(b−1)−2()2=−()2b−()2 より、 b=−1
このとき、 a=−2 で、対称点は、準線 y=−1の上にある。
同様に、この接線に関して、点(2,0)と対称な点の座標(a’,b’)を求める。
b’/(a’−2)・(−)=−1 より、 a’=b’+2
b’/2=−(a’+2)/2−()2 より、 b’=−a’−2−2()2
よって、 a’=−()2a’−2()2−4+2=−()2a’−2()2−2 より、
a’=−2 このとき、b’=−2()2 で、対称点は、準線 x=−2の上にある。
(コメント) 上記で得られた結果は、2点(0,1)、(2,0)を共通接線に関して対称移動させ
る(これは、折り紙的には折り返すということ!)と、それら2点はそれぞれ準線上
に移るということである。このとき、長さを作図することが出来る。
この2点を所要の直線上に移す操作は、定木・コンパスでは出来ない折り紙特有の操作
である。